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第1章:恋の次は結婚!?
3話:超理不尽♡婚約者チェック!?
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——これは、普通の人間として
生きたい くみほ が、突如
婚約者修行 なるものを命じられ、
今度は 婚約者の兄(=中天狗)
に査定されるという 超理不尽
ラブコメ である。
◇◇◇
「くらまの兄、中天狗 だ」
スッ——と 完璧な所作で
お茶をすする男 が、
静かに名乗った。
彼は くらまの兄 にして、
天狗界随一のエリート 。
スーツ姿のくらまと違い、
品のある和装姿 に身を包み、
どこか 茶道家 のような
雰囲気を漂わせている。
「ほう、このお茶の温度……
適切だな」
「いや、急に何の話!?」
私は思わず突っ込んだ。
「ふむ」
彼は、目を細めて私を
じっと見つめる。
「お前が くみほ か」
「えっ、はい……
(なんかくらまより
厳しそう)」
「弟の婚約者候補として、
ふさわしいかどうか——」
彼は キラリと鋭い目を
光らせる。
「私が査定する」
「また査定ーーーー!?!?」
「(大天狗パパの査定が
終わったばかりなのに!?)」
「兄上、勝手なことをするな」
くらまが 眉間に皺を寄せ
ながら 口を挟む。
「勝手? いや、これは
家の誇り に関わることだ」
中天狗はスッと手をかざし、
ふわりと茶菓子を浮かせた。
「まずはこの 和菓子を
見て どう思う?」
「えっ? いや、
普通に美味しそうだけど……」
「——不合格 だ」
「えええ!? 何で!?!?」
「弟の伴侶たる者、
食べ物を見て五感で
感じ取る力が必要」
「基準が意味不明すぎる!!!」
「ならば、これはどうだ?」
彼は懐から 風呂敷に包まれた
何か を取り出し、目の前に
置いた。
「開けてみろ」
「……?」
恐る恐る 風呂敷を開くと——
「これ、漬物……?」
「そうだ」
「え、普通の漬物じゃん」
「——不合格」
「なんで!?!?!?」
「見ただけで 発酵度合いを
言い当てられないようでは、
弟の伴侶は務まらん」
「いや、どんな基準!?」
「(くらまの伴侶って、
漬物ソムリエの資格
でもいるの!?)」
「ふむ……
やはり、まだまだか」
中天狗は腕を組み、
深刻そうにため息をついた。
「よし、次の試験だ」
「(まだあるの!?)」
「今から、私と茶道で
勝負してもらう」
「なんで茶道!!?」
「くらまの伴侶たる者、
一服の茶を通じて心を
語ることができなければ
ならぬ」
「急に哲学みたいなこと
言うのやめて!!!」
「さあ、
まずはお手並み拝見だ」
そう言うと、彼は すらりと
立ち上がり、茶道具を
並べ始めた。
「これ、
絶対おかしいでしょ!?」
「くみほ、諦めろ」
くらまが どこか遠い目 を
している。
「(この人、今までずっと
こんな査定を受けて
きたの!?)」
「では、茶を点てよ」
中天狗が ビシッと正座し
、私を見据える。
「……は、はい」
仕方なく、私は見よう
見まねでお茶を点て始める。
シャカシャカシャカシャカ……
「ふむ……」
中天狗が じっとこちらを
観察 している。
(え、そんなに見ないで!
緊張する!!)
なんとか完成し、
私はお茶を差し出した。
「……どうぞ?」
中天狗は 静かに茶碗を
手に取り、一口飲む。
ゴクリ……
——そして。
「不合格」
「もういい加減にして
ええええええ
ええ!!!??」
私は 思わず叫んだ。
「(なんで!?
何がダメだったの!?)」
「弟の伴侶たる者——」
「いやもういいです!!!
くらま、帰るよ!!!」
私は くらまの腕を引っ張り、
逃げるように立ち上がった。
「ふむ……
なかなか気の強い女だな」
中天狗はニヤリと微笑む。
「まあ、弟にとっては
それくらいの方が面白いか」
「なに勝手に納得してんの!!」
「では、最後の査定だ」
「まだあるのかよ!!?」
「次回の 『鬼の嫁候補
オーディション』 に、
お前を推薦する」
「はあ!?!?!?!?」
「お前の真価、
そこで見極めてやろう」
「いやいやいや、
ちょっと待って!?
何そのイベント!?!?」
——こうして、
訳も分からぬまま
『鬼の嫁候補オーディション』
に参加することになったの
だった。
•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆
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生きたい くみほ が、突如
婚約者修行 なるものを命じられ、
今度は 婚約者の兄(=中天狗)
に査定されるという 超理不尽
ラブコメ である。
◇◇◇
「くらまの兄、中天狗 だ」
スッ——と 完璧な所作で
お茶をすする男 が、
静かに名乗った。
彼は くらまの兄 にして、
天狗界随一のエリート 。
スーツ姿のくらまと違い、
品のある和装姿 に身を包み、
どこか 茶道家 のような
雰囲気を漂わせている。
「ほう、このお茶の温度……
適切だな」
「いや、急に何の話!?」
私は思わず突っ込んだ。
「ふむ」
彼は、目を細めて私を
じっと見つめる。
「お前が くみほ か」
「えっ、はい……
(なんかくらまより
厳しそう)」
「弟の婚約者候補として、
ふさわしいかどうか——」
彼は キラリと鋭い目を
光らせる。
「私が査定する」
「また査定ーーーー!?!?」
「(大天狗パパの査定が
終わったばかりなのに!?)」
「兄上、勝手なことをするな」
くらまが 眉間に皺を寄せ
ながら 口を挟む。
「勝手? いや、これは
家の誇り に関わることだ」
中天狗はスッと手をかざし、
ふわりと茶菓子を浮かせた。
「まずはこの 和菓子を
見て どう思う?」
「えっ? いや、
普通に美味しそうだけど……」
「——不合格 だ」
「えええ!? 何で!?!?」
「弟の伴侶たる者、
食べ物を見て五感で
感じ取る力が必要」
「基準が意味不明すぎる!!!」
「ならば、これはどうだ?」
彼は懐から 風呂敷に包まれた
何か を取り出し、目の前に
置いた。
「開けてみろ」
「……?」
恐る恐る 風呂敷を開くと——
「これ、漬物……?」
「そうだ」
「え、普通の漬物じゃん」
「——不合格」
「なんで!?!?!?」
「見ただけで 発酵度合いを
言い当てられないようでは、
弟の伴侶は務まらん」
「いや、どんな基準!?」
「(くらまの伴侶って、
漬物ソムリエの資格
でもいるの!?)」
「ふむ……
やはり、まだまだか」
中天狗は腕を組み、
深刻そうにため息をついた。
「よし、次の試験だ」
「(まだあるの!?)」
「今から、私と茶道で
勝負してもらう」
「なんで茶道!!?」
「くらまの伴侶たる者、
一服の茶を通じて心を
語ることができなければ
ならぬ」
「急に哲学みたいなこと
言うのやめて!!!」
「さあ、
まずはお手並み拝見だ」
そう言うと、彼は すらりと
立ち上がり、茶道具を
並べ始めた。
「これ、
絶対おかしいでしょ!?」
「くみほ、諦めろ」
くらまが どこか遠い目 を
している。
「(この人、今までずっと
こんな査定を受けて
きたの!?)」
「では、茶を点てよ」
中天狗が ビシッと正座し
、私を見据える。
「……は、はい」
仕方なく、私は見よう
見まねでお茶を点て始める。
シャカシャカシャカシャカ……
「ふむ……」
中天狗が じっとこちらを
観察 している。
(え、そんなに見ないで!
緊張する!!)
なんとか完成し、
私はお茶を差し出した。
「……どうぞ?」
中天狗は 静かに茶碗を
手に取り、一口飲む。
ゴクリ……
——そして。
「不合格」
「もういい加減にして
ええええええ
ええ!!!??」
私は 思わず叫んだ。
「(なんで!?
何がダメだったの!?)」
「弟の伴侶たる者——」
「いやもういいです!!!
くらま、帰るよ!!!」
私は くらまの腕を引っ張り、
逃げるように立ち上がった。
「ふむ……
なかなか気の強い女だな」
中天狗はニヤリと微笑む。
「まあ、弟にとっては
それくらいの方が面白いか」
「なに勝手に納得してんの!!」
「では、最後の査定だ」
「まだあるのかよ!!?」
「次回の 『鬼の嫁候補
オーディション』 に、
お前を推薦する」
「はあ!?!?!?!?」
「お前の真価、
そこで見極めてやろう」
「いやいやいや、
ちょっと待って!?
何そのイベント!?!?」
——こうして、
訳も分からぬまま
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