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第1章:恋の次は結婚!?
8話:天狗兄弟の張り合い
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——これは、 天狗兄弟による
「どちらがより優れた夫候補か」
バトル を描いた、奇想天外
ラブコメである。
◇◇◇
「くらま、お前が結婚?」
くらまの兄・中天狗 は、
腕を組み、冷ややかな
視線を送ってきた。
(うっ……めんどくさい
兄貴がきた……!!)
「しかも、その相手が
この 九尾の狐 だと?」
「“この” は余計だ」
くらまが ピクリと
眉をひそめる。
一方、私は めちゃくちゃ
気まずい。
(なんなの、この
“義兄査定” みたいな
雰囲気……)
「そもそも」
中天狗は 鋭い眼差しで
私を見据えた。
「この女、本当にお前の
妻にふさわしいのか?」
「ちょっと待って、
決まったみたいに
言うな!!!」
私は 全力でツッコんだ。
「くらまが勝手に
『くみほ以外ありえない』
とか言ってただけで、
私、まだOK出して
ないから!!」
「む?」
中天狗が 驚いた顔をする。
「そうなのか?」
「そうだ!!!!」
私は 力いっぱい頷いた。
「ほう……」
中天狗は 考え込むように
顎に手を当てた。
「ならば、確認しよう」
「……確認?」
「どちらがより優れた
夫候補か だ」
「え?」
私は 思考が追いつか
なかった。
「いや、ちょっと待って!!
なんで兄弟で張り合う
流れになってんの!?」
「ふむ。やはり結婚相手は
より優秀な者が
ふさわしい」
「お前、くみほを
品評会にかける気か?」
くらまが 低い声で
睨みつける。
「兄弟の誇りにかけて、
俺が お前より優れた
夫候補であることを
証明する」
「誰も頼んでない!!!」
私の叫びは、
華麗にスルーされた。
◇◇◇
第一対決:経済力
「結婚生活において
経済力 は重要だ」
中天狗は
自信満々に語る。
「俺の金融資産は、
天狗界トップレベル。
年収換算すると、
お前の五倍 だ」
「ふっ……」
くらまは 薄く笑った。
「金額ではなく、
運用のセンスが重要だ」
「ほう?」
「俺はこれまで 長期的な
リターンを重視し、
確実に資産を増やして
きた。一時の利益ではなく、
持続可能な成長が鍵 だ」
「な、なんか投資家の論争
みたいになってきた……」
(結婚の話だったよね!?)
「資産を持っているだけ
では意味がない」
くらまが キッパリと
言い切る。
「くみほのような
“未来への投資価値が
ある存在” を支える力
こそが、真の経済力だ」
「!!?」
(なにそれ、なんかす
ごく聞こえがいい……!!)
「ふっ……
お前も言うようになったな」
中天狗は 不敵な笑みを
浮かべた。
「次の勝負だ」
◇◇◇
第二対決:家事能力
「結婚するなら 家庭を
大切にできるか も重要だ」
中天狗は スッと
指を鳴らした。
「俺は 五ツ星料理人並みの
腕 を持っている」
「は?」
私は 目を疑った。
気づけば、高級料亭レベル
の懐石料理 が並んでいた。
「食べてみろ」
「え、すご……
美味しい……!!!」
「ふっ……」
中天狗が 得意げに笑う。
「くらまよ、お前は料理が
できるのか?」
「……」
くらまが わずかに目を
そらした。
「無理です!!!!!」
私は 即座に結論を
出した。
くらまは 料理が壊滅的
なのだ。
「なるほど……
この勝負は 俺の勝ちだな」
「……料理くらい、
練習すればいい」
くらまが 悔しそうに
呟いた。
「次の勝負だ」
◇◇◇
第三対決:守る力
「夫たる者、妻を守れるか
どうかが重要だ」
中天狗が 真剣な顔で語る。
「確かに、それは大事……」
私は 納得しかけた。
「つまり、
戦闘力で決めよう」
「いや違う!!!!!」
「勝負!!」
ドゴォォォォ
ォォン!!!!!!
兄弟の拳が 空を裂く。
天狗の超速戦闘が
目の前で繰り広げられる。
(……待って)
(結婚って 戦闘力で
決めるもの なの!?)
私は 頭を抱えた。
◇◇◇
結果発表
「くみほよ、どうだ」
中天狗が 満足げに腕を
組んでいる。
「俺とくらま、どちらが
夫候補としてふさわしい
か」
「…………」
私は 思いっきり
ため息をついた。
「……どっちも
めんどくさい です」
「!?」
「いや、もうさ……
結婚って “誰がより優秀か”
じゃなくて、“一緒にいたい
かどうか” じゃないの!?」
「……!!」
二人とも
ハッとした顔をする。
「……ほう」
善狐様が ふわりと現れた。
「お前も少しは “本質” を
見抜けるようになったな」
「えっ!?
ちょっ、見てたの!?」
「ふむ」
善狐様は にっこりと
微笑んだ。
「では次は、
三狐神様の結婚観
を学ぶといい」
「なにそれ!?
新手の試練!?」
•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆
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「どちらがより優れた夫候補か」
バトル を描いた、奇想天外
ラブコメである。
◇◇◇
「くらま、お前が結婚?」
くらまの兄・中天狗 は、
腕を組み、冷ややかな
視線を送ってきた。
(うっ……めんどくさい
兄貴がきた……!!)
「しかも、その相手が
この 九尾の狐 だと?」
「“この” は余計だ」
くらまが ピクリと
眉をひそめる。
一方、私は めちゃくちゃ
気まずい。
(なんなの、この
“義兄査定” みたいな
雰囲気……)
「そもそも」
中天狗は 鋭い眼差しで
私を見据えた。
「この女、本当にお前の
妻にふさわしいのか?」
「ちょっと待って、
決まったみたいに
言うな!!!」
私は 全力でツッコんだ。
「くらまが勝手に
『くみほ以外ありえない』
とか言ってただけで、
私、まだOK出して
ないから!!」
「む?」
中天狗が 驚いた顔をする。
「そうなのか?」
「そうだ!!!!」
私は 力いっぱい頷いた。
「ほう……」
中天狗は 考え込むように
顎に手を当てた。
「ならば、確認しよう」
「……確認?」
「どちらがより優れた
夫候補か だ」
「え?」
私は 思考が追いつか
なかった。
「いや、ちょっと待って!!
なんで兄弟で張り合う
流れになってんの!?」
「ふむ。やはり結婚相手は
より優秀な者が
ふさわしい」
「お前、くみほを
品評会にかける気か?」
くらまが 低い声で
睨みつける。
「兄弟の誇りにかけて、
俺が お前より優れた
夫候補であることを
証明する」
「誰も頼んでない!!!」
私の叫びは、
華麗にスルーされた。
◇◇◇
第一対決:経済力
「結婚生活において
経済力 は重要だ」
中天狗は
自信満々に語る。
「俺の金融資産は、
天狗界トップレベル。
年収換算すると、
お前の五倍 だ」
「ふっ……」
くらまは 薄く笑った。
「金額ではなく、
運用のセンスが重要だ」
「ほう?」
「俺はこれまで 長期的な
リターンを重視し、
確実に資産を増やして
きた。一時の利益ではなく、
持続可能な成長が鍵 だ」
「な、なんか投資家の論争
みたいになってきた……」
(結婚の話だったよね!?)
「資産を持っているだけ
では意味がない」
くらまが キッパリと
言い切る。
「くみほのような
“未来への投資価値が
ある存在” を支える力
こそが、真の経済力だ」
「!!?」
(なにそれ、なんかす
ごく聞こえがいい……!!)
「ふっ……
お前も言うようになったな」
中天狗は 不敵な笑みを
浮かべた。
「次の勝負だ」
◇◇◇
第二対決:家事能力
「結婚するなら 家庭を
大切にできるか も重要だ」
中天狗は スッと
指を鳴らした。
「俺は 五ツ星料理人並みの
腕 を持っている」
「は?」
私は 目を疑った。
気づけば、高級料亭レベル
の懐石料理 が並んでいた。
「食べてみろ」
「え、すご……
美味しい……!!!」
「ふっ……」
中天狗が 得意げに笑う。
「くらまよ、お前は料理が
できるのか?」
「……」
くらまが わずかに目を
そらした。
「無理です!!!!!」
私は 即座に結論を
出した。
くらまは 料理が壊滅的
なのだ。
「なるほど……
この勝負は 俺の勝ちだな」
「……料理くらい、
練習すればいい」
くらまが 悔しそうに
呟いた。
「次の勝負だ」
◇◇◇
第三対決:守る力
「夫たる者、妻を守れるか
どうかが重要だ」
中天狗が 真剣な顔で語る。
「確かに、それは大事……」
私は 納得しかけた。
「つまり、
戦闘力で決めよう」
「いや違う!!!!!」
「勝負!!」
ドゴォォォォ
ォォン!!!!!!
兄弟の拳が 空を裂く。
天狗の超速戦闘が
目の前で繰り広げられる。
(……待って)
(結婚って 戦闘力で
決めるもの なの!?)
私は 頭を抱えた。
◇◇◇
結果発表
「くみほよ、どうだ」
中天狗が 満足げに腕を
組んでいる。
「俺とくらま、どちらが
夫候補としてふさわしい
か」
「…………」
私は 思いっきり
ため息をついた。
「……どっちも
めんどくさい です」
「!?」
「いや、もうさ……
結婚って “誰がより優秀か”
じゃなくて、“一緒にいたい
かどうか” じゃないの!?」
「……!!」
二人とも
ハッとした顔をする。
「……ほう」
善狐様が ふわりと現れた。
「お前も少しは “本質” を
見抜けるようになったな」
「えっ!?
ちょっ、見てたの!?」
「ふむ」
善狐様は にっこりと
微笑んだ。
「では次は、
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