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第五章:畑と未来と、ちょっぴり成長
第50話:さよならパサージュ村、でもまた帰ってくる【第二章・完】
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朝。パサージュ村の広場には、
猫耳チームとレオンの姿。
背中にリュックを背負い、
旅の装備は万全(?)――
のはずだった。
「よし、みんな揃ったな。
じゃ、行くか」
レオンがそう言うと、村のあちこち
から人が集まってきた。
「おっさん! 気をつけてな!」
「ミュリちゃん、次は鍋以外も
持ってくるのよ!」
「ノアさん、新薬はほどほど
にして~!」
「チャチャー、畑は燃やさ
ないで~!」
「スイちゃん、うちの植木にも
水やって~!」
「ビビー、うちの草むしるなーー!」
「うわ、想像以上に見送られてる……!」
ミュリの耳がぴくぴく揺れて、しっぽがぴょこんと跳ねた。
「レオン、なんか……あたしたち、人気にゃ?」
「いや、若干“被害者の会”みたいな雰囲気も混ざってるけどな……」
🐈🐾 🐾 🐾
そんな中、村長が前に出てきた。
「これは、村一同からの贈り物じゃ。受け取ってくれ!」
そう言って手渡されたのは――
「……花束?」
「おぉ、見た目は綺麗――って、くっさ!!??」
バサァッと漂う強烈な香り――いや、刺激臭!!
「なにこれ!? 鼻がっ! 鼻の中がスースー通り越して爆発してるにゃ!!」
「これは、村で採れたスパイス全種を詰め込んだ“激臭スパイス花束”じゃ!」
「贈り物に向いてないッ!!」
チャチャは思わず鼻を押さえつつ、
「ちょ、ちょっと待って!? 火がついたら危険レベルじゃない!? 香りで畑焼けそうなんだけど!?」
ノアは花束を見ながら冷静に一言。
「……これは兵器。記録しておく」
ビビはなぜか目を輝かせていた。
「これ持ってれば、草が自分から逃げるかも~!」
「そんな“忌避剤”みたいな使い方するな!!」
スイは、無言でポーチからハンカチを取り出して鼻に当てる。
プロの行動が早い。
レオンは涙目になりながら、
「ありがたい……けど……ありがた迷惑ッッ!!」
🐈🐾 🐾 🐾
しばらくして、ようやく香りが弱まり、レオンたちは村の出口に立った。
村人たちはずっと手を振っている。
「なあ、ミュリ。旅ってさ……」
「……うん?」
「たしかに面倒でトラブルばっかだけど、こうして見送られると、なんか嬉しいな」
「……にゃ」
ミュリは、少しだけ照れくさそうにうなずいた。
彼女のしっぽがふわりと揺れ、ぴょんと跳ねる。
「また、帰ってくるにゃ?」
「当たり前だろ。また鍋背負ってな」
「レオンは鍋いらないにゃ!」
「お前の荷物の半分が鍋なんだから、次はせめて調味料も持ってくれ!!」
「にゃーっ! 持ってるにゃ! “謎スパイスα”と“β”!」
「だから謎成分やめろって言ってるだろ!!!」
🐈🐾 🐾 🐾
チャチャはふいっと顔をそらしつつ、耳だけピクピクと揺らす。
「べ、別に寂しくなんか……ないし……」
「お前、耳が“寂しい”ってモールス信号出してるぞ」
ノアはノートを閉じながら言った。
「この村での記録、総ページ数は842。十分なサンプルが取れた」
「何の実験台だったのか俺は今さら怖くなってきたわ」
スイ:「……次、水やる場所、探す」
ビビ:「じゃあ次の村でも草探ししよ~☆ 雑草って無限に生えてて、すごいよね!」
「……それ、ある意味真理だな」
🐈🐾 🐾 🐾
最後に、村長が大きな声で叫んだ。
「おっさんレオン! 猫耳チームよ! また戻ってこいよーー!!」
レオンは、振り返らずに手を挙げた。
「……ああ。またな」
そうして、猫耳チームは歩き出す。
小さな村からの、また新しい旅路へ。
いつか、またこの場所に――
猫耳と鍋を揺らしながら。
fin
A bientôt !
ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ
おっさん、異世界で
スローライフはじめます
~旅立ちと猫耳ハーブの村編~
【第二章】完結しました。
【第2章】ご購読(◍´ꇴ`◍)ありがとう
ございました𓂃𓈒𓏸︎︎︎
引き続き第三章もよろしくお願いします。
🐈🐾 🐾 🐾 🐈🐾 🐾 🐾
ミュリ:「まって~にゃ!」
レオン:「どうした⁉️あぁぁ」
ミュリ:「第三章の前に
番外編があるにゃ」
レオン:「あぁぁ……スピンオフ」
ミュリ:「面白いから読んで
欲しいにゃ🐈⬛🎀」
猫耳チームとレオンの姿。
背中にリュックを背負い、
旅の装備は万全(?)――
のはずだった。
「よし、みんな揃ったな。
じゃ、行くか」
レオンがそう言うと、村のあちこち
から人が集まってきた。
「おっさん! 気をつけてな!」
「ミュリちゃん、次は鍋以外も
持ってくるのよ!」
「ノアさん、新薬はほどほど
にして~!」
「チャチャー、畑は燃やさ
ないで~!」
「スイちゃん、うちの植木にも
水やって~!」
「ビビー、うちの草むしるなーー!」
「うわ、想像以上に見送られてる……!」
ミュリの耳がぴくぴく揺れて、しっぽがぴょこんと跳ねた。
「レオン、なんか……あたしたち、人気にゃ?」
「いや、若干“被害者の会”みたいな雰囲気も混ざってるけどな……」
🐈🐾 🐾 🐾
そんな中、村長が前に出てきた。
「これは、村一同からの贈り物じゃ。受け取ってくれ!」
そう言って手渡されたのは――
「……花束?」
「おぉ、見た目は綺麗――って、くっさ!!??」
バサァッと漂う強烈な香り――いや、刺激臭!!
「なにこれ!? 鼻がっ! 鼻の中がスースー通り越して爆発してるにゃ!!」
「これは、村で採れたスパイス全種を詰め込んだ“激臭スパイス花束”じゃ!」
「贈り物に向いてないッ!!」
チャチャは思わず鼻を押さえつつ、
「ちょ、ちょっと待って!? 火がついたら危険レベルじゃない!? 香りで畑焼けそうなんだけど!?」
ノアは花束を見ながら冷静に一言。
「……これは兵器。記録しておく」
ビビはなぜか目を輝かせていた。
「これ持ってれば、草が自分から逃げるかも~!」
「そんな“忌避剤”みたいな使い方するな!!」
スイは、無言でポーチからハンカチを取り出して鼻に当てる。
プロの行動が早い。
レオンは涙目になりながら、
「ありがたい……けど……ありがた迷惑ッッ!!」
🐈🐾 🐾 🐾
しばらくして、ようやく香りが弱まり、レオンたちは村の出口に立った。
村人たちはずっと手を振っている。
「なあ、ミュリ。旅ってさ……」
「……うん?」
「たしかに面倒でトラブルばっかだけど、こうして見送られると、なんか嬉しいな」
「……にゃ」
ミュリは、少しだけ照れくさそうにうなずいた。
彼女のしっぽがふわりと揺れ、ぴょんと跳ねる。
「また、帰ってくるにゃ?」
「当たり前だろ。また鍋背負ってな」
「レオンは鍋いらないにゃ!」
「お前の荷物の半分が鍋なんだから、次はせめて調味料も持ってくれ!!」
「にゃーっ! 持ってるにゃ! “謎スパイスα”と“β”!」
「だから謎成分やめろって言ってるだろ!!!」
🐈🐾 🐾 🐾
チャチャはふいっと顔をそらしつつ、耳だけピクピクと揺らす。
「べ、別に寂しくなんか……ないし……」
「お前、耳が“寂しい”ってモールス信号出してるぞ」
ノアはノートを閉じながら言った。
「この村での記録、総ページ数は842。十分なサンプルが取れた」
「何の実験台だったのか俺は今さら怖くなってきたわ」
スイ:「……次、水やる場所、探す」
ビビ:「じゃあ次の村でも草探ししよ~☆ 雑草って無限に生えてて、すごいよね!」
「……それ、ある意味真理だな」
🐈🐾 🐾 🐾
最後に、村長が大きな声で叫んだ。
「おっさんレオン! 猫耳チームよ! また戻ってこいよーー!!」
レオンは、振り返らずに手を挙げた。
「……ああ。またな」
そうして、猫耳チームは歩き出す。
小さな村からの、また新しい旅路へ。
いつか、またこの場所に――
猫耳と鍋を揺らしながら。
fin
A bientôt !
ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ ʚ♡ɞ
おっさん、異世界で
スローライフはじめます
~旅立ちと猫耳ハーブの村編~
【第二章】完結しました。
【第2章】ご購読(◍´ꇴ`◍)ありがとう
ございました𓂃𓈒𓏸︎︎︎
引き続き第三章もよろしくお願いします。
🐈🐾 🐾 🐾 🐈🐾 🐾 🐾
ミュリ:「まって~にゃ!」
レオン:「どうした⁉️あぁぁ」
ミュリ:「第三章の前に
番外編があるにゃ」
レオン:「あぁぁ……スピンオフ」
ミュリ:「面白いから読んで
欲しいにゃ🐈⬛🎀」
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