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44.イケメンの告白

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(オフィス)

「社長、これお願いします。」

「杉下さん、鈴木さんは、
CEOだよ」

「渋谷さん
気にしてないから大丈夫。」

「社長は、杉下さん
なんだから」

「アッハハ!

どうも、社長て言われても
ピンとこなくて

すみません。
渋谷副社長」

「確かに、
私も…
自分が役員て自覚が」

3人は、
互いの顔見合わせて笑う

「CEO、
今晩お時間ありますか。

明日の就任会見の
御相談したいで……」

「いいわよ。杉下さん」

退社時間になり
会社を杉下と出ると

迎えの車に杉下が
乗るようにうながされた。

「目的地に向かう前に
夜の東京をドライブ
しましょう」

杉下が一言いって
車窓の風景をながめる。
<その横顔……
杉下さん凶器だよ
イケメンて……>

ボッーと杉下の横顔に
見とれてると

「鈴木さん
このコース判ります。」

六本木ヒルズの
イルミネーション

「百瀬さんの……」

「今の僕では、
ロンドンバスを貸し切る
器でないので……」

「イヤイヤ
杉下さん

十二分すぎるから

ありがとう。」

「もう少しで
最初の目的地に着くので」
<なになに……最初て>

車が止まると
目の前にヘリが

「僕から感謝の気持ちで
東京ナイトクルーズを
用意しました。

麗美姫、どうぞ」
<姫て……>

空からの
東京の街は、キラキラ
してて……

さっきまで車窓とは、
違った国際都市東京の
顔が浮かび上がる

フライ中、
大はしゃぎする
麗美を目を細めて
笑顔で見守る杉下

無事に東京ナイト
フライが終わり
車に戻ると
大興奮の麗美

「杉下さん
上空から東京て
すごーくキレイ
でしたね」

合間わず無口で
笑みを浮かべる杉下

「もしかして、
杉下さんて……

本当に楽しいと
内に秘めちゃう
タイプ」

「違いますよ。

今、この時を僕が

鈴木さんの笑顔を

独占してる幸せを

感じてるんですよ」

「へぇー!そうなの」

杉下の顔を覗き込むと

「近い!近い!

やめてくださいよ。

その美貌で……」

「エッ!なんて」

「鈴木さん
着きましたよ」

車から降りると
都内でもVIPが良く
宿泊するホテルの
玄関だった。

急に黙り込む麗美に

「大丈夫ですよ。
スイートですから」

麗美が下を向く

「冗談ですよ。

このホテルのレストラン
を予約してあるだけ
ですから……」

「杉下さんの意地悪」

「鈴木さんだって、
さっき僕の事
からかったじゃない
ですか」

「そうだね!
お相子だね」

見つめ合って笑う

レストランの食事中に
明日の社長就任会見の
打ち合わせをしながら
コース料理のデザートを
食べ終わると

「鈴木さん
もう少し時間大丈夫
ですか」
<確かに社長就任会見て
プレシャスだよね>

「大丈夫だけど」

杉下は、席を外した。
戻ると

「予約したんでお店

行きましょか」

車で到着したのは、
銀座だった。

杉下の行きつけの
会員制バーなのでと
歩きながら説明を
してる間に店についた。

カウンターを通り過ぎて
店の奥に行く個室に
なっていた。

「今日は、
僕に付き合って
くださりありがとう
ございました。」

「ナニ!
急に改まって」

シャンパーンの
ボトルが運ばれて
来て乾杯をした直後

「もぉー
限界なんで……

麗美さん
大好きです。」

「知ってる。

私に惚れたんでしょ」

「そうです。

今の僕では、
告白しかできません。

時間をください。」

「杉下さん

酔ってるの」

「はい!

麗美さんに酔いしれて
メロメロです。」

シャンパーンを
吹き出す麗美

「杉下さん

笑えない冗談だよ」

「本気です。

1年後の僕を見て

男として判断して

欲しいんで……

今、返事は入りません。」

麗美が立ち上がっると

「杉下、良く聞け

君は、生まれながらに
天性の才がある男だよ。

その上、イケメン

美咲と私のヒーロー
なんだから、

謙虚なのはいいが、

これからは、

君の言動は、
社員の生活を守り、
会社実益を上げる事
になる。

もっと、自信をもって
サムライ魂で世界で
戦って欲しい。」

ア然とする杉下に

「あぁー!

私も自分の気持ちが
言えてスッキリ
したよ。」

力が抜けたように
椅子に座り
シャンパーンを
飲み干す麗美

「麗美さん

いや、CEOは、
凛としてますね。

社食で
YAMATONADESIKO
降臨!の衝撃より

もぉー
尊いです。」

「あとさー

イケメンオーラも
自覚した方が
イイよ」

「はぁ~!

女子のそのイケメンて
言葉が……」

「だよね!」

「麗美さんが、

明日から
香港滞在なので

スゴく不安で……」

「大丈夫だよ。

美咲と私の
ヒーロー杉下様なら」

「仕事は、
自分のスキルで

指示や企画は、
ある程度
適材適所に
合理的配慮が
できますが

鈴木さんの笑顔が
見れないと……」

「滞在期間は、
2週間程度だから」

「そうですね。

オンライン会議で
会えますし」

「このシャンパーン
美味しいね。」

この後、杉下から
美咲が結婚した
ショックで激ヤセ話や
本気で嬉しいと無口なる
など聞かせて……

タワマンに帰宅したのは、
深夜だった。
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