上 下
48 / 51

48.ヤマトナデシコ降臨

しおりを挟む
麗美も
ロイヤルミルクティー
を飲み少し溜飲が下がった。

「これからお話する事は、

公に公開できない

機密事項なので

そのつもりで

お二人とも聞いてください。」

二人がうなずく

「麗美さん

僕が医師免許を持ってる

のは、知ってますよね。」

「はい」

「麗美さん

右目の調子は、

今どうですか?」

「別に違和感ありません。」

「そうですか
(ほほえむ星那)

良かったです。」

「星那さんて、お医者様

なんですか!何科ですか」

「美咲さんに麗美さん

言って無かったんですね。
(麗美を見つめてほほえむ)

現在は、医師としては

働いてませんが、

専門は、外科医ですかね」

「すみません。

話を脱線させてしまって」

頭を下げる美咲

「麗美さんの目の手術を

したのは、

実話、僕なんです。

書類上は、出頭医は父で
助手が僕ですが……

僕が父に懇願して」

「星那さんが……

知りませんでした。」

「いい機会なので……

ここからの話は、

他言無用にしてください。

麗美さんのドナーは、

JUNさんなんです。」

あまりに突然の
衝撃的な事実に

大声を上げて
泣き出し

泣き崩れる麗美を
抱擁する美咲

「JUNさんの強い要望で

実現しました。

彼は、生前ポケットマネー

から様々な慈善事業団体に

多額寄付を定期的に

長年に渡り行っていたので

その功績に対して

敬意なんです。」

「星那さん 

麗美に代わって

真実を教えてくださり

ありがとうございました。」

美咲が深々と頭を下げた。

「麗美さん

僕が、香港で言った事

覚えてますか

『一番になれない』の

意味が判りましたか」

うつむきながらも
うなずく麗美

「麗美さん

顔上げてください。」

ゆっくりと顔上げる麗美

「僕に右目を見せて

(麗美の右目を

覗き込むように

見つめるて語り

かけるような口調で)

JUNさん、

麗美さんの事を

生涯を掛けて

守ってもいいですか」

麗美の涙が止まり、

不思議な事に

右目からだけ涙が

溢れ出した。

「れーちゃん

JUNが……」

号泣する美咲

「ごめんなさい。

麗美さん

僕に取って手術をした日

からJUNさんは、

麗美さんの右目として

生きてらしゃるので……」

「あ、ありがとう

ご、ございます。」

泣き崩れるながらも

星那にお礼を伝えた。

「麗美さん

JUNさんの許可も

たぶん出たので……

Will you spend forever with me?
(永遠に一緒にいてくれるかい?)」

「YES 」

美咲が思わず号泣しながら
拍手をした。

「れーちゃん おめでとう」

呆然とする星那

「星那さん 大丈夫ですか」

「美咲さん 

今、麗美さん YES

ていいましたよね」

「そうだよ」

「夢じゃないですね

美咲さん」

控え室の廊下から
激しい足音が聞こえる

ドアを勢い良く開けて

エメラルドグリーンの

キラキラした目の

小さい男の子が飛び込んで

来て麗美に抱きつき

「ママなんで泣いてるの

どこか痛いの、大丈夫」

「ジェイ、

ママは嬉しくて

泣いてるの心配しないで」

「星那パパも泣いてるよ」

「ママと星那パパを

泣かした悪いヤツは、

このジェイ王子が

やつけるから……」

「星那さん

麗美の王子は、ジェイ

みたいよ」

「美咲さん

僕は、

王子には成れないけど

女王と王子を

幸せにできる

YAMATONADESIKO

王国を作ります。」

「ヒィ~ 素敵 

かっこいい 星那さん」

「みーちゃん

星那さんは、私だけの

王配だからね」

3人は大笑いした。

✩.*˚☆。.:*・゜☆。.:*・゜☆≡
最終話までおつき合い
頂きありがとう
ございました。

明日は、挿話を公開します。
しおりを挟む

処理中です...