[完結]不吉な双子と呼ばれた妹ですが、巫女になって兄をざまぁします〜迷信を打ち破ったら、なぜか溺愛されました〜

桃源 華

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第3章 妹のざまぁ戦術

第22話 領民と協力して兄の失態を公にする

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領内の広場。
普段は市場として賑わうその場所に、
今日は領民たちが集められていた。

「領主様のお触れだ!」
従者が声を張り上げ、羊皮紙を
広げる。

「来月から穀物の納めを二割増しと
する!」

その言葉に、領民たちはざわめき、
顔を曇らせる。
すでに生活は苦しく、さらに税を
取られれば飢えが待つだけだった。

その群衆の中で、白い装束を
まとった少女が静かに前に進む。
 ――エリナ。

「皆さん……」
彼女の声に、人々の視線が集まる。
彼女は両手を胸の前で組み、
はっきりと告げた。

「神殿の記録に残っています。
兄アルトリウス様は、昨年すでに
“領税を下げる”と神前で誓った
はずです」

瞬間、ざわりと空気が震えた。
驚いたのは領民だけではない。
従者たちでさえ顔色を変える。

「嘘だ! そのような記録など――」

「あります」
エリナは懐から古文書の写しを
取り出し、広場に掲げた。
そこには確かに、アルトリウスが
神殿に奉納した署名が記されていた。

「『民を苦しめず、税を軽くする』
――兄様は誓ったのです。
ですが今、その誓いを破ろうと
している」

領民たちは口々に声を上げる。

「領主様が嘘を!?」
「我らを欺いていたのか!」
「神に誓ったことを破るなど……!」

やがて群衆の憤りは炎のように
広がった。

その最中、遅れて現れたアルト
リウスは、人々の視線に晒されること
となる。
威厳をまとったつもりの歩みも、
その場の空気を前にしては揺らぐ。

「……静まれ! これは誤解だ!」
「誤解ではありません」

エリナの声が広場を支配する。
妹の瞳は冷たく、群衆の前で兄を
真っ向から断罪するものだった。

「神前の誓いを破るのなら、領主の
資格はありません。――皆さん、この
真実を忘れないでください」

領民の目が一斉にアルトリウスに
注がれる。
その眼差しは、もはや畏怖や
従順ではなく、疑いと怒りだった。

☆。.:*・ ♊️ ᯓ ⭐️

群衆の中に立ちながら、エリナは
胸の奥で静かに息を吐いた。

(兄様……これが始まりです。あなた
の傲慢を、公の場で暴いていく)

彼女の決意は、もう後戻りできない
ところまで踏み込んでいた。

♊️キャラクター紹介♥:.。
≡目次からどうぞ🗝
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