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恐る恐る尋ねる私に対して首を横に振りながら否定してみせた彼女はこう続けた。「さあ、どうでしょうか?あくまでも噂ですから真偽の程は定かではありませんが、もしかしたら本当のことかもしれませんよ?」
その答えを聞いて黙り込んでしまった私を見てクスリと笑うと続けてこう言った。
「まあ、仮に本当だとしても大した問題ではないと思いますよ。だって、その魔物を倒してしまえばいいだけの話ではありませんか。そうでしょう?」
確かにその通りだと思った私は素直に頷くしかなかったのだがその直後、不意に肩を叩かれる感触を覚えたことで驚いて振り向くとそこにはエレン様の姿が見えたので思わず身構えてしまったのだがすぐに警戒を解くことになった。何故なら、そこにいたのは本物のエレン様だったからだ。どうやら、幻覚を見せられていたらしいことに気づいた私が安堵しているとそんな彼女の姿を目にしたことで安心感を覚えつつも同時に申し訳ない気持ちになってしまったことで謝罪の言葉を口にすることにした。すると、それに対して微笑みながら首を振ってみせた後で私の頭を優しく撫でてくれたおかげで心が安らいだことで落ち着きを取り戻したところで改めて事情を説明して聞かせたところ納得した様子を見せながらも険しい表情を見せるようになったのを見て心配になった私が声をかけようとしたところで突然、後ろから抱きつかれてしまうことになったことで驚きの声を上げてしまうことになったわけだが直後に聞こえてきた声で相手が誰なのかを理解したことで安堵の溜息を漏らしていた。しかし、それも束の間のことで次の瞬間には別の意味で驚かされることになってしまうこととなった。というのも、その人物というのがエレン様と瓜二つの姿をしていたからである!しかも、何故か下着姿だったものだから目のやり場に困ってしまいオロオロしているとその様子を見ていたエレン様に笑われてしまったことで羞恥心が込み上げてきたせいで顔が真っ赤になってしまうことになったせいで余計に恥ずかしく思う羽目になった挙句、その様子を間近で見ていたもう一人のエレン様はと言うとニヤニヤしながら見つめてくるばかりで助けてくれようとしなかったために完全に孤立してしまった形になってしまい途方に暮れているとそこでようやく助け舟を出してくれた人物が現れたことで救われた気持ちになることが出来たのだった――
それからしばらくの間、私達はお互いに情報交換を行うことになったわけなのだがその結果として分かったことはただ一つだけだった。それは、彼女達の正体が双子の姉妹であることであるということだけであった。つまり、目の前にいる二人のエレン様達は同一人物ということになるのだが外見上は区別がつかないくらいにそっくりであるため見分けることが困難を極めることになってしまっている現状を考えると困り果てるばかりであった。ちなみに、名前の方もそれぞれ違うようでエレン様が姉の方で妹の方が妹の方のようであることが分かったくらいで他には何も分からなかったりするわけだがそれでも一つだけ言えることがあるとすれば彼女達は非常に仲が良く互いに信頼し合っている関係を築いていることくらいだろうか・・・。そんなことを考えているうちにふとある疑問を抱いた私は思い切って尋ねてみることにした。
「あの、一つお聞きしたいことがあるんですけどいいですか?」
そう尋ねると不思議そうな顔をして首を傾げる彼女達に対して私は言葉を続けた。
「えっとですね、お二人はどうして別々の格好をしているんですか?」
それを聞いた瞬間、二人は顔を見合わせて困ったような表情を浮かべた後で私の方に視線を戻すと揃って溜息を吐いてしまったため怒らせてしまったのではないかと不安になり慌てて謝ろうとしたところその前にエレン様の方から話し掛けられてきたので出鼻を挫かれる形でタイミングを逃してしまったことで何も言えなくなってしまった私に対して彼女はこんなことを言ってきたのである――「実はですね、これには深い事情がありまして・・・」そして、語られた内容は次のようなものだった――ある日のこと、いつも通り二人で冒険者稼業に勤しんでいた時に偶然にも盗賊団に遭遇してしまったらしく応戦することになったのだがその際にエレン様が負傷してしまい身動きが取れなくなってしまっている間に追い詰められてしまっていたところを間一髪のところで駆け付けたアズナによって助けられたのだという。その時に受けた傷の治療のために仕方なく一時的に装備を外している状態なのだということだったがそれにしても随分と変わった格好をしているのだと思いながらまじまじと見つめているとその視線に気づいた様子のエレン様が苦笑いを浮かべながら恥ずかしそうに身を捩らせたのを見てハッとした私は慌てて目を逸らそうとしたもののそれよりも早く伸びてきた手に捕まってしまったことで逃げることが出来なくなってしまうことになったのだった――その後、暫くの間、二人に挟まれる形で抱き締められるような体勢になっていたことで恥ずかしさのあまりどうにかなってしまいそうだったものの何とか堪えることに成功した私は安堵の溜息を漏らすことになったのだった。
「あ、あの、そろそろ離してもらえませんか・・・?」
おずおずと申し出てみたのだが返ってきた答えは意外なものであった。
「ダメです」
即答されてしまった上に更に強く抱きしめられたことによって息苦しさを感じる羽目になってしまった私は必死に抵抗を試みるも全く歯が立たず仕舞いだったこともありとうとう力尽きてぐったりしているところに更なる追い打ちをかけるようにして耳元で囁かれたことでゾクッとするような感覚に襲われた直後のことだった――不意に耳に息を吹きかけられたことで思わず悲鳴を上げてしまった私は飛び上がるように身体を起こすとそのまま距離を取ろうとするのだがそれを許さないとばかりに腕を掴まれてしまい引き寄せられるようにして抱き寄せられてしまったことで逃げられなくなってしまった挙げ句に今度は反対側の耳にも同じようにされてしまうことになってしまったのだ、その瞬間、頭の中が真っ白になる感覚に襲われてしまったことで何も考えられなくなっただけでなく思考能力すらも奪われてしまっており最早どうすることも出来ない状態に陥ってしまっている私にトドメを刺すかのようにして再び耳元に顔を近づけられたかと思うと甘く蕩けるような声色で囁きかけてきた彼女に抗う術もなく言われるままに素直に従うことしか出来なくなった私が大人しく頷くと満足そうな笑みを浮かべる彼女だったがその表情はとても妖艶なもののように感じられたためドキッとした私は頬が熱くなるのを感じながら俯いているとそれを見た彼女がクスリと笑ったような気がした後でゆっくりと立ち上がった後で手を差し伸べてくるのでその手を取った後に立ち上がるとほぼ同時に背後から声を掛けられたので振り返るとそこには心配そうな顔をしたエレンが立っていたのでホッとした気持ちになったところでお礼を言おうと口を開きかけたところで遮られてしまうことになった理由は他でもない、彼女の方を見た途端にギョッとした表情を浮かべていたからだということを不思議に思っているとその理由はすぐに判明した。何故なら、そこには私と瓜二つの人物がいたからだ!しかも、下着姿で!その姿を見た途端、絶句してしまい言葉を失ってしまった私とは対照的に冷静な態度で話しかけるエレンの言葉に反応を示したもう一人の私(以後、アズナAと呼称)は返事をする代わりに頷いて見せた後で私の方を見るなり微笑みかけてきたと思ったらいきなり抱きついてきたかと思えば頬ずりしてきたりしてくるものだからどうしたらいいのか分からず困惑することしか出来ない私だったのだがそんな彼女の行動を止めるべく声を掛けようとしたところで先に口を開いたのはエレンの方だった。
「ちょっとあなた、何をしているのですか?今すぐ離れなさい!」
そう言って私から引き離そうとするも頑なに離れようとしないどころかより一層強い力でしがみついてくる始末だったので業を煮やしたのか実力行使に出ることにしたらしいエレンは私の背後に回り込むや否や羽交い締めにするような形で拘束し始めたことで身動ぎすらままならなくなってしまったことでますます焦りを募らせているとそんな私の様子に気付いたらしいもう一人の私はニヤリと笑った後で勝ち誇ったような表情を見せると勝ち誇ったように言うのだった――「残念でしたわね♪これでもう手出し出来ませんわよ?」その言葉を聞いた瞬間、悔しそうな表情を見せたエレンだったがすぐに気を取り直したのか負けじと言い返すように言った――「くっ・・・卑怯ですよ!正々堂々と勝負しなさい!!」しかし、その言葉を聞いた相手は鼻で笑って見せると言った――「ふんっ!何とでも言いなさいな♪」それを聞いたエレンはますます苛立ちを募らせていったようだがこれ以上何を言っても無駄だと判断したらしく黙り込んでしまったことでようやく静かになったことに安堵していると不意に視線を感じたような気がしてそちらに目を向けるといつの間にか近づいて来ていたもう一人の私が至近距離まで迫ってきていることに気付いた私が驚いている間もなくキスされたことで動揺していると舌を入れられそうになったところで我に返った私は慌てて顔を背けることで回避に成功したことでホッと胸を撫で下ろすことになると同時に安堵したことで油断していた隙を狙って再度唇を奪われそうになることになった私は咄嗟に手で押さえることで防ぐことに成功するとその手を振り払った上で後退りながら睨みつけるも当の本人はどこ吹く風といった様子で平然としておりそれどころか不敵な笑みを浮かべながら私を見ていることから嫌な予感を覚えた私は一刻も早くこの場から離れなければまずいと思った矢先のことだった――突如、後ろから誰かに抱きつかれたと思った次の瞬間には身動きが取れなくなっていたばかりか首に回されている腕のせいで呼吸が苦しくなってきたことでパニックに陥っている間に徐々に意識が遠のいていくのを感じた私は必死になって逃れようと試みるものの無駄に終わったことで絶望感に打ちひしがれているところへ追い討ちを掛けるかの如く耳元へ吐息を吹き掛けられたことでビクンッと身体を震わせてしまったことで力が抜けてしまったところを見計らったかのように押し倒されてしまうこととなった結果、仰向けの状態になって天井を見上げることになった私の身体に馬乗りになった状態で跨がってきたもう一人の私は舌なめずりしながら見下ろしてくるとこう言った
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