『悪役令嬢は平民になってもモテすぎて困ってます!~地味ライフのはずがイケメンだらけの薬草店になりました~』

みなこん。@イラストレーター

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第3話:魔法少年、居候を宣言する

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「ロゼお姉、ボクしばらくここに泊まるから」

「却下ですわ」

「えーっ! そんな冷たいこと言わないでよ~」

 朝の薬草店。
 テーブルには湯気を立てるハーブティーと、ふてぶてしくソファに寝転ぶ少年の姿。

「第一、ここは薬草店です。下宿屋ではありませんの」

「じゃあ“薬草屋に住んでる天才魔法使い”ってことで宣伝するよ?」

「やめてくださいまし!? 急に胡散臭い看板つけられたら信用問題ですわ!」

「大丈夫、ボクのネームバリュー、そこそこあるから!」

「余計にダメですわぁぁ!」

 

 カイ=ノクス――
 王都でも名の知れた天才魔法使い(自称)。
 わたくしが家庭教師をしていた頃から何かと手のかかる子でございました。

「ちなみに寝床は?」

「うーん、ロゼお姉のベッド?」

「ほら出ていけええええぇぇ!!」

 とはいえ、追い返すのもなんだか後味が悪く。
 最終的に、カイには店の倉庫を片付けて“勝手に自作したロフト”で寝泊まりさせることになりました。

「……騎士団長に魔法少年。わたくしはいつから、男子寮を始めたつもりなのでしょう」

 頭を抱えていたところに、またしても扉がガラリ。

「おーい、ロゼリアいるかー!」

「……はい?」

 今度は――

 見慣れた銀髪の青年。
 まさかまさかの、エドワード殿下ご登場でございます。

「来ちゃった」

「帰ってくださいまし」

「いやいや、さすがに話くらいは聞いてくれよ!? 誤解なんだって!」

「“誤解で婚約破棄”なんて、最高にロクでもない言葉ですわよ!?」

 店内の空気が一気にざわつき始めます。

「誰だよそのチャラいやつ……ロゼお姉の元婚約者か?」

「ほう。貴様が……」

 アレクシスが無言で立ち上がる。
 手にしていた包丁が、やけに鋭く見えるのは気のせいかしら?

「こ、こわっ! ちょ、落ち着け!? 別に敵意はないんだってば!?」

「貴様、ロゼリアに何をした?」

「ま、待て待て! とりあえずお茶でも飲もう!?」

「毒でも入ってるんじゃないでしょうね?」

「入れてないよ!? 入れてたら来てないって!」

 ――もう、なにこの空間。

 元・婚約者。元・騎士団長。元・教え子。
 どこをどう見ても、モテ期というより“厄介案件フルセット”ではございませんこと……?

「ねえロゼお姉、なんかこう……一夫多妻制の匂いがしてきたけど?」

「やめてくださいまし!!」

 そんなこんなで、ロゼリア薬草店は本日も大混雑。
 わたくしの“平穏な辺境ライフ”は、早くも幻と化しつつありました。
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