小さな海と小さな島

きな粉餅

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ピッカピッカの1年生(高校生)

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 暖かい日、桜の花びらが私たちを祝福してくれているようだ、洗面所で朝の身支度をすませ希望と不安を胸に躍らせ髪を整え制服に乱れがないか確認する、高校生になったから心機一転コンタクトにしようと思ったけどやっぱ怖いな、いつもの眼鏡をかけていざ玄関の扉を開ける。

「まて空、大丈夫だよこっちこい」

 私の高校生活は私の家のご近所さん隼人はやと君が木に登っているところから始まった。

「何してるの隼人君」

「あ、おはよう千代ちよ、制服に合っているぞ」

 もう、隼人君たら。

「実は家の猫が木に登ちゃって助けてくれって妹が泣くもんだから仕方なく」

 まったく隼人君はクオーターだから生まれた時から髪が金髪だし顔もちょっと怖いけどこう言う所があるからな。
 その時、猫が木から飛んだ。

「あぶねぇ」

 隼人君が猫を助けるため猫に向かって飛び込んだ。

「大丈夫、隼人君」

「痛ぇ、大丈夫だよ千代」

 隼人君の腕の中には助けた猫がいた。

「こいつも大丈夫そうだな」

「まったく学校行こ入学式遅れちゃうよ」

 私が隼人君に手を差し伸べた、けど隼人君はぼ~としていた。

「どうしたの隼人君?」

「いや、やっぱりお前奇麗だなと思って」

 え、本当になに言ってんの隼人君。

「もう、冗談ばっか言ってないで早くいかないと遅刻しちゃうよ」

「そうかちょっと猫の名前家に入れてくるから待ってて」

 隼人君が猫を家の中に入れて急いで出てきた。

「ごめん、さ、行こうか」

「うん、行こう」

 私たちは入学式に向かった。

「もう、隼人君はいつも私をからかうだから」

「からかう?」

 もう、隼人君たら。

「朝のことだよ、奇麗とかそんな昔から私をからかって」

「ああ、わりいな」

(からかわれていると思われたのか)

 そういえば今何時なんだろ、私は腕時計を見てびっくりした。

「大変、隼人君もうこんな時間」

 私は時計を隼人君に見せた。

「えっ、もうこんな時間なの急ぐぞ千代」

「う、うん」

 入学式の日からこんなことになるなんて。
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