13 / 24
13
しおりを挟む
もちろん、話の内容としては全く持って下らないものがほとんどだったはず……でも、ザイツ様はザイツ様で興味を持ち、よく聞いていたそうだ。
「ザイツ様の妃って言うのは……マリア様って言うんだとよ!!!」
「マリア様だって???ああ、随分と良い名前じゃないか。大層お美しい方なんだろうなああっ。なんせ、次期皇帝陛下の妃様なんだからな!!!!」
当然、私のことを知らない彼らは、空想で私のことを思い描いている。普通に考えれば、この世界で最も美しい女性、となるのが当然だった。
「ところがよ、どうもそうでないみたいだぜ!!!!!」
この手のゴシップネタに詳しそうなある青年が話し始めた。
「何でも、ザイツ様は美しい女を好まないそうだ!!!!なんでかって???それはな、美しい女が妃になっちまったら、頭の中がその女のことでいっぱいになっちまうだろう???そうするとさ、自分で政治を行うことができなくなるから???とかなんとか言っちゃってさ!!!!」
「おいおい、どれだけくそ真面目なんだよ!!!!」
兵士たちはゲラゲラと笑いだした。もちろん、ザイツ様は彼らの話声を全て聞いていた。さすがにまずいと思ったのか、ザイツ様の側近たちが、
「おい、お前ら!!!!不敬だぞ!!!!少しは口を慎め!!!」
と怒った。それをすぐさまザイツ様が制止した。
「ああ、気にする必要はありません。これで少しでも場が和むんだったら……悪くはないでしょう……」
ザイツ様はこう言って、彼らに話を続けさせた。
「それはそうと……俺たちはこれからどうなるんだろうなあ……」
「どうなるって???」
「だからさ、このまま戦争が続いたら、どうなるってことだよ」
「それは……どうしようもないんじゃないか???」
戦争の話になると、途端に兵士たちは静まり返ってしまった。どれほど血気盛んであっても、この後自分が死ぬかもしれない恐怖……それは誰もが感じることだった。
「とにかくさ、まずは早いところザイツ様の元に娘を差し出そうぜ!!!」
一部の兵士たちは、なんとかザイツ様の元へ女を差し出すことができないか、考えることにしたようだ。
「ザイツ様の妃って言うのは……マリア様って言うんだとよ!!!」
「マリア様だって???ああ、随分と良い名前じゃないか。大層お美しい方なんだろうなああっ。なんせ、次期皇帝陛下の妃様なんだからな!!!!」
当然、私のことを知らない彼らは、空想で私のことを思い描いている。普通に考えれば、この世界で最も美しい女性、となるのが当然だった。
「ところがよ、どうもそうでないみたいだぜ!!!!!」
この手のゴシップネタに詳しそうなある青年が話し始めた。
「何でも、ザイツ様は美しい女を好まないそうだ!!!!なんでかって???それはな、美しい女が妃になっちまったら、頭の中がその女のことでいっぱいになっちまうだろう???そうするとさ、自分で政治を行うことができなくなるから???とかなんとか言っちゃってさ!!!!」
「おいおい、どれだけくそ真面目なんだよ!!!!」
兵士たちはゲラゲラと笑いだした。もちろん、ザイツ様は彼らの話声を全て聞いていた。さすがにまずいと思ったのか、ザイツ様の側近たちが、
「おい、お前ら!!!!不敬だぞ!!!!少しは口を慎め!!!」
と怒った。それをすぐさまザイツ様が制止した。
「ああ、気にする必要はありません。これで少しでも場が和むんだったら……悪くはないでしょう……」
ザイツ様はこう言って、彼らに話を続けさせた。
「それはそうと……俺たちはこれからどうなるんだろうなあ……」
「どうなるって???」
「だからさ、このまま戦争が続いたら、どうなるってことだよ」
「それは……どうしようもないんじゃないか???」
戦争の話になると、途端に兵士たちは静まり返ってしまった。どれほど血気盛んであっても、この後自分が死ぬかもしれない恐怖……それは誰もが感じることだった。
「とにかくさ、まずは早いところザイツ様の元に娘を差し出そうぜ!!!」
一部の兵士たちは、なんとかザイツ様の元へ女を差し出すことができないか、考えることにしたようだ。
0
あなたにおすすめの小説
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
《本編完結》あの人を綺麗さっぱり忘れる方法
本見りん
恋愛
メラニー アイスナー子爵令嬢はある日婚約者ディートマーから『婚約破棄』を言い渡される。
ショックで落ち込み、彼と婚約者として過ごした日々を思い出して涙していた───が。
……あれ? 私ってずっと虐げられてない? 彼からはずっと嫌な目にあった思い出しかないんだけど!?
やっと自分が虐げられていたと気付き目が覚めたメラニー。
しかも両親も昔からディートマーに騙されている為、両親の説得から始めなければならない。
そしてこの王国ではかつて王子がやらかした『婚約破棄騒動』の為に、世間では『婚約破棄、ダメ、絶対』な風潮がある。
自分の思うようにする為に手段を選ばないだろう元婚約者ディートマーから、メラニーは無事自由を勝ち取る事が出来るのだろうか……。
年下の婚約者から年上の婚約者に変わりました
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィクトリアには年下の婚約者がいる。すでにお互い成人しているのにも関わらず、結婚する気配もなくずるずると曖昧な関係が引き延ばされていた。
そんなある日、婚約者と出かける約束をしていたヴィクトリアは、待ち合わせの場所に向かう。しかし、相手は来ておらず、当日に約束を反故されてしまった。
そんなヴィクトリアを見ていたのは、ひとりの男性。
彼もまた、婚約者に約束を当日に反故されていたのだ。
ヴィクトリアはなんとなく親近感がわき、彼とともにカフェでお茶をすることになった。
それがまさかの事態になるとは思いもよらずに。
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
【完結】夫が愛人と一緒に夜逃げしたので、王子と協力して徹底的に逃げ道を塞ぎます
よどら文鳥
恋愛
夫のザグレームは、シャーラという女と愛人関係だと知ります。
離婚裁判の末、慰謝料を貰い解決のはずでした。
ですが、予想していたとおりザグレームとシャーラは、私(メアリーナ)のお金と金色の塊を奪って夜逃げしたのです。
私はすぐに友人として仲良くしていただいている第一王子のレオン殿下の元へ向かいました。
強力な助っ人が加わります。
さぁて、ザグレーム達が捕まったら、おそらく処刑になるであろう鬼ごっこの始まりです。
婚約者候補を見定めていたら予定外の大物が釣れてしまった…
矢野りと
恋愛
16歳になるエミリア・ダートン子爵令嬢にはまだ婚約者がいない。恋愛結婚に憧れ、政略での婚約を拒んできたからだ。
ある日、理不尽な理由から婚約者を早急に決めるようにと祖父から言われ「三人の婚約者候補から一人選ばなければ修道院行きだぞ」と脅される。
それならばと三人の婚約者候補を自分の目で見定めようと自ら婚約者候補達について調べ始める。
その様子を誰かに見られているとも知らずに…。
*設定はゆるいです。
*この作品は作者の他作品『私の孤独に気づいてくれたのは家族でも婚約者でもなく特待生で平民の彼でした』の登場人物第三王子と婚約者のお話です。そちらも読んで頂くとより楽しめると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる