10 / 30
10
「お帰りなさいませ、サンダー様!!!!」
直系ではないものの、サンダー様はやはり皇帝の血筋を引く正当な王子様だった。だから、彼には大きな屋敷が与えられ、多くの侍従やメイドたちが与えられる。大勢の出迎えを受けたサンダー様は、
「ありがとう」
と軽く挨拶をして、いつものように食事をとった。
「今日は静かだね……アンネは眠ってしまったのかい???」
サンダー様は侍従に問いかけた。
「はい、サンダー様のお帰りをお待ちになっていらっしゃいましたが……夜も遅くなりますと、起きていることはできませんでしょう……」
「まあ、それもそうか……」
時計を見遣ると、間もなく日付が変わろうとしていた。
「やはり、あちらの世界だと、こっちと時間の流れるスピードが違うのか……」
「あちらの世界、とおっしゃいますと???」
「ああ、なんでもない。こっちの話だ……」
サンダー様はそう言って誤魔化した。
「とはいうものの、最近アンネと話をする機会がすっかり減ってしまったからな……。明日の朝にでも、話をしてみようか」
「それはよろしゅうございますな。アンネ様も、サンダー様とたくさんお話をしたいと……そうおっしゃっておりましたよ」
「そうかそうか。まあ、そうだろうなあ……」
食事を終えたサンダー様は自室に戻る前、とある女性の部屋に立ち寄った。人形のように小さく、でも確かに芽吹く命の営み……サンダー様にとっては唯一の家族……名前はアンネと言う妹だった。
「アンネ……もう少しだ」
サンダー様はアンネ様の元に歩み寄り、そう声をかけた。
「明日、お話をしよう」
眠りかけたアンネ様は……しかしながら、サンダー様の声をきちんと聴いていた。
「やっと……やっとですわ。これでやっと……お兄様とお話が出来ます……」
アンネ様は喜んだ。
直系ではないものの、サンダー様はやはり皇帝の血筋を引く正当な王子様だった。だから、彼には大きな屋敷が与えられ、多くの侍従やメイドたちが与えられる。大勢の出迎えを受けたサンダー様は、
「ありがとう」
と軽く挨拶をして、いつものように食事をとった。
「今日は静かだね……アンネは眠ってしまったのかい???」
サンダー様は侍従に問いかけた。
「はい、サンダー様のお帰りをお待ちになっていらっしゃいましたが……夜も遅くなりますと、起きていることはできませんでしょう……」
「まあ、それもそうか……」
時計を見遣ると、間もなく日付が変わろうとしていた。
「やはり、あちらの世界だと、こっちと時間の流れるスピードが違うのか……」
「あちらの世界、とおっしゃいますと???」
「ああ、なんでもない。こっちの話だ……」
サンダー様はそう言って誤魔化した。
「とはいうものの、最近アンネと話をする機会がすっかり減ってしまったからな……。明日の朝にでも、話をしてみようか」
「それはよろしゅうございますな。アンネ様も、サンダー様とたくさんお話をしたいと……そうおっしゃっておりましたよ」
「そうかそうか。まあ、そうだろうなあ……」
食事を終えたサンダー様は自室に戻る前、とある女性の部屋に立ち寄った。人形のように小さく、でも確かに芽吹く命の営み……サンダー様にとっては唯一の家族……名前はアンネと言う妹だった。
「アンネ……もう少しだ」
サンダー様はアンネ様の元に歩み寄り、そう声をかけた。
「明日、お話をしよう」
眠りかけたアンネ様は……しかしながら、サンダー様の声をきちんと聴いていた。
「やっと……やっとですわ。これでやっと……お兄様とお話が出来ます……」
アンネ様は喜んだ。
あなたにおすすめの小説
全てを奪われてしまいそうなので、ざまぁします!!
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
義母に全てを奪われたジュディ。何とかメイドの仕事を見つけるも義母がお金の無心にやって来ます。
私、もう我慢の限界なんですっ!!
マジメにやってよ!王子様
猫枕
恋愛
伯爵令嬢ローズ・ターナー(12)はエリック第一王子(12)主宰のお茶会に参加する。
エリックのイタズラで危うく命を落としそうになったローズ。
生死をさまよったローズが意識を取り戻すと、エリックが責任を取る形で両家の間に婚約が成立していた。
その後のエリックとの日々は馬鹿らしくも楽しい毎日ではあったが、お年頃になったローズは周りのご令嬢達のようにステキな恋がしたい。
ふざけてばかりのエリックに不満をもつローズだったが。
「私は王子のサンドバッグ」
のエリックとローズの別世界バージョン。
登場人物の立ち位置は少しずつ違っています。
あなたが残した世界で
天海月
恋愛
「ロザリア様、あなたは俺が生涯をかけてお守りすると誓いましょう」王女であるロザリアに、そう約束した初恋の騎士アーロンは、ある事件の後、彼女との誓いを破り突然その姿を消してしまう。
八年後、生贄に選ばれてしまったロザリアは、最期に彼に一目会いたいとアーロンを探し、彼と再会を果たすが・・・。
拾った指輪で公爵様の妻になりました
奏多
恋愛
結婚の宣誓を行う直前、落ちていた指輪を拾ったエミリア。
とっさに取り替えたのは、家族ごと自分をも売り飛ばそうと計画している高利貸しとの結婚を回避できるからだ。
この指輪の本当の持ち主との結婚相手は怒るのではと思ったが、最悪殺されてもいいと思ったのに、予想外に受け入れてくれたけれど……?
「この試験を通過できれば、君との結婚を継続する。そうでなければ、死んだものとして他国へ行ってもらおうか」
公爵閣下の19回目の結婚相手になったエミリアのお話です。
不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする
矢野りと
恋愛
不能と噂される隣国の皇帝の後宮に、牛100頭と交換で送り込まれた貧乏小国の姫。
『なんでですか!せめて牛150頭と交換してほしかったですー』と叫んでいる。
『フンガァッ』と鼻息荒く女達の戦いの場に勢い込んで来てみれば、そこはまったりパラダイスだった…。
『なんか悪いですわね~♪』と三食昼寝付き生活を満喫する姫は自分の特技を活かして皇帝に恩返しすることに。
不能?な皇帝と勘違い姫の恋の行方はどうなるのか。
※設定はゆるいです。
※たくさん笑ってください♪
※お気に入り登録、感想有り難うございます♪執筆の励みにしております!
愛してやまないこの想いを
さとう涼
恋愛
ある日、恋人でない男性から結婚を申し込まれてしまった。
「覚悟して。断られても何度でもプロポーズするよ」
その日から、わたしの毎日は甘くとろけていく。
ライティングデザイン会社勤務の平凡なOLと建設会社勤務のやり手の設計課長のあまあまなストーリーです。
異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない
木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。
生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。
ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。
その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)