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何処かの世界ならば、これを男尊女卑と訴える者が出てくるかもしれない。でも、残念ながらこれが現実なのだ。
「君は……私の婚約者でありながら、私のことを陥れようとしている。これは王家に対する叛逆と解釈して問題ないんだな???」
ローレンスはギラギラと目を輝かせていた。
「そんなつもりは……」
「ないと言うのか。でもね、実際君がやっているのはそういうことなんだよ???」
ローレンスに言われてしまったら、もはやどうしようもなかった。どんどんキャロルの立場が悪くなる一方だった。
「さて……叛逆ということになれば……場合によっては極刑も免れないところだが……これ以上事態を大きくすると面倒になるのは確か……どうだろう、婚約破棄というので手を打つことにしようじゃないか」
婚約破棄……その落胤を押されるだけでも、令嬢にとっては大きな痛手となるのは事実だった。命だけは助かる、だが、貴族として生き続けることはできず、事実上の死刑宣告に等しいわけだ。というのも、爵位を失った貴族に居場所なんてなくて、修道院送りになるか、あるいは、庶民社会に放出されるか……このどちらかなのだ。
「婚約破棄……そうなのか……」
周りに居合わせた人々もまた、この不思議な二人の組み合わせとその言動を逐一確認していた。
「まあ……そこまで言われたら仕方ありませんね……」
キャロルは簡単にあきらめた……というのも、実際のところ、どこかのタイミングで捨てられるような気がしていたから。容易に想像がついた。
「分かってくれたか。話の分かる女で都合がよかった……」
これで一件落着……キャロルの未来は全て終わった……誰もがそう思っていたに違いない。
しかしながら、ここから再び奇妙な物語が始まっていく……。
「君は……私の婚約者でありながら、私のことを陥れようとしている。これは王家に対する叛逆と解釈して問題ないんだな???」
ローレンスはギラギラと目を輝かせていた。
「そんなつもりは……」
「ないと言うのか。でもね、実際君がやっているのはそういうことなんだよ???」
ローレンスに言われてしまったら、もはやどうしようもなかった。どんどんキャロルの立場が悪くなる一方だった。
「さて……叛逆ということになれば……場合によっては極刑も免れないところだが……これ以上事態を大きくすると面倒になるのは確か……どうだろう、婚約破棄というので手を打つことにしようじゃないか」
婚約破棄……その落胤を押されるだけでも、令嬢にとっては大きな痛手となるのは事実だった。命だけは助かる、だが、貴族として生き続けることはできず、事実上の死刑宣告に等しいわけだ。というのも、爵位を失った貴族に居場所なんてなくて、修道院送りになるか、あるいは、庶民社会に放出されるか……このどちらかなのだ。
「婚約破棄……そうなのか……」
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「まあ……そこまで言われたら仕方ありませんね……」
キャロルは簡単にあきらめた……というのも、実際のところ、どこかのタイミングで捨てられるような気がしていたから。容易に想像がついた。
「分かってくれたか。話の分かる女で都合がよかった……」
これで一件落着……キャロルの未来は全て終わった……誰もがそう思っていたに違いない。
しかしながら、ここから再び奇妙な物語が始まっていく……。
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