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祝宴会は盛大に行われたと、後になってメイドから聞いた。正妻である私がその場に居なかったことは、最初のうち、少し問題になったようだが、テレサが一気に注目を浴びたことで、私のことは誰も気にしなくなっていたようだ。良かったんだか、悪かったんだか……。
祝宴会を通して、事実上テレサが第一王子ロベルトの正妻と見なされるようになった。もちろん、公式には私がロベルトの正妻であり続けるのだが。皇帝陛下を始めとした王家のメンバーたちはテレサを寵愛するようになった。何事にもテレサが優先……私の存在は薄れていった。
「お姉様……あれっ、いらっしゃいましたの???」
食事の際、当初、私はロベルトの左隣に座り、テレサは右隣に座った。側室制度があったころ、正妻が夫の左に座り、それ以外の令嬢は右隣に順番に座るルールとなっていた。テレサは私がロベルトの左隣に座り続けることを快く思わなかったようだ。
「ねえ、そろそろ座る場所を交換しませんか???お姉様は事実上、正妻ではないでしょう???」
テレサの言うことは最もだった。だけど……。少し度が過ぎるというか。わざと、私の上に座ろうとして、ここは自分の場所であると言わんばかりであった。
「まあまあ、そんなケンカ腰にならなくても……」
ロベルトは基本的に中立だった。私とテレサが姉妹仲良く王家の一員であり続けることを願っていた。私もそうしたかった。でもね……根本的に負けず嫌いのテレサには無理な話だった。
「ああっ、そうね……あなたの方が正妻みたいだもんね……」
「みたい、じゃなくて、事実上私が正妻ですっ!!!」
テレサの主張は緩まなかった。これ以上ケンカを続けても仕方がない。私はテレサに居場所を譲った。
「それでいいのですよ。お姉様は……側室にも値しないんじゃないですかっ?」
テレサの主張はエスカレートしていき、最終的には末席で食事をとることになった。その場に皇帝陛下や義母も居合わせたわけだが、私のことを哀れむ者はいなかった。むしろ、ロベルトのすぐ隣にテレサがやって来たことで場が華やぐというか、とにかく彼らにとっても最高の絵柄となったわけだ。
最後の方は、みんなが集まる大広間ではなくて、自分の部屋でひっそりと食事しようか、なんて考えた。まあ、そんな考えに至る前に大事件が起きることとなったわけだが……。
祝宴会を通して、事実上テレサが第一王子ロベルトの正妻と見なされるようになった。もちろん、公式には私がロベルトの正妻であり続けるのだが。皇帝陛下を始めとした王家のメンバーたちはテレサを寵愛するようになった。何事にもテレサが優先……私の存在は薄れていった。
「お姉様……あれっ、いらっしゃいましたの???」
食事の際、当初、私はロベルトの左隣に座り、テレサは右隣に座った。側室制度があったころ、正妻が夫の左に座り、それ以外の令嬢は右隣に順番に座るルールとなっていた。テレサは私がロベルトの左隣に座り続けることを快く思わなかったようだ。
「ねえ、そろそろ座る場所を交換しませんか???お姉様は事実上、正妻ではないでしょう???」
テレサの言うことは最もだった。だけど……。少し度が過ぎるというか。わざと、私の上に座ろうとして、ここは自分の場所であると言わんばかりであった。
「まあまあ、そんなケンカ腰にならなくても……」
ロベルトは基本的に中立だった。私とテレサが姉妹仲良く王家の一員であり続けることを願っていた。私もそうしたかった。でもね……根本的に負けず嫌いのテレサには無理な話だった。
「ああっ、そうね……あなたの方が正妻みたいだもんね……」
「みたい、じゃなくて、事実上私が正妻ですっ!!!」
テレサの主張は緩まなかった。これ以上ケンカを続けても仕方がない。私はテレサに居場所を譲った。
「それでいいのですよ。お姉様は……側室にも値しないんじゃないですかっ?」
テレサの主張はエスカレートしていき、最終的には末席で食事をとることになった。その場に皇帝陛下や義母も居合わせたわけだが、私のことを哀れむ者はいなかった。むしろ、ロベルトのすぐ隣にテレサがやって来たことで場が華やぐというか、とにかく彼らにとっても最高の絵柄となったわけだ。
最後の方は、みんなが集まる大広間ではなくて、自分の部屋でひっそりと食事しようか、なんて考えた。まあ、そんな考えに至る前に大事件が起きることとなったわけだが……。
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