上 下
4 / 7

4

しおりを挟む
そうして、結果として、私はローズの手によって、屋敷から追い出されることになりました。お父様は結局、私のことを何度も糾弾して、私の意見なんて全く聞かないで、
「出ていけ!!!!」
と言うのでした。私は確かに、少し悲しくなりました。あれだけ私のことを愛して下さった両親が……私のことを信用してくださった人々が、いまや私の敵になってしまったのですから……。でもね、これ以上悲しんでも仕方がないのです。私は割り切っておりました。まあ、私ももう大人ですから、一人で生きていくことくらいできます。それに、今まで散々私に対してひどい仕打ちをしてきましたし、これでもまだ足りないと思っています。

「さようなら!!!!もう二度とお姉様の顔を見なくてすむと思うと、これほど嬉しいことはありませんわ!!!」
ローズは高笑いしながら去っていきます。本当に、どこまでも性格の悪い女だと思いました。どうしてこんなことに……いえいえ、考えるだけ無駄なのです。まあ、ある意味ではそんなこと、最初から分かっていたことですから、今さら驚くこともありませんでした。ただ、一つだけ気になることがありました。それは、ローズの言う「夢の件」についてです。私がいなくなった後、ローズはどうするつもりなのでしょう。まあ、きっと王子様にうまく取り入って自分の幸せをつかむのでしょうけれど……。でも、少し引っかかりました。何故なら、ローズの夢というのは、「私に復讐すること」だったからです。どうして、そこまで私のことを恨んでいるのか、正直理解に苦しみました。

まあ、とりあえずなんでもいいと思いました。とにかく、これで私の物語は終わりということになります。結局最後まで令嬢らしいことを何もできずじまいで終わってしまいましたが、まあ仕方ないと思いました。だって、結局はこれが私の運命だったのですもの。


まさか、しばらくして私はとんでもない事件に巻き込まれてしまうなんて、考えてもいませんでした。
「おい!!!!!起きろ!!!!!」
誰かが私を呼んでいるようです。うーん、もう少し寝かせてくださいまし……。ようやく一人になることができたのですから……。
「おい、早くしろ。いつまで眠ったふりをしているつもりだ?????」
「はい!?????」
その瞬間私は飛び上がりました。すると目の前にいたのは、黒いマントに身を包んだ男たちでした。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

魔王はマリオネットと踊る。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

soup

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

呪いを解く特別なラーメン

O.K
エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

意地悪な君【BL】

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:7

全ての者に復讐を

ホラー / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:3

復讐の告白

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

姉の物を奪いたい妹と、等価交換の法則に従って行動する姉

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:610

一行日記 四月

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:1

処理中です...