やんちゃな公爵令嬢の駆け引き~不倫現場を目撃して~

岡暁舟

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 フロイドは私の約束通りに、女を運び出した。私の邸宅の地下室まで秘密裏に運び込んだ。目を覚ましたのは邸宅に到着して概ね1時間経過した頃合いだった。

「ここはどこ……あれっ、何をしているんだろうっ……」

 女は状況を理解出来ていなかった。まあ、当然のことだろう。

「お目覚めですか?お嬢さん……」

 私はまるでトスカーナ様と同じようなトーンで声をかけた。

「あなたは……」

「ええ、トスカーナ様の正式な婚約者である、公爵令嬢:エリザベート・キンダリーでございますっ!!!」

「トスカーナ様の……婚約者っ!!!」

 女は私に対して脅えた。まあ、当然だよね。不倫相手の婚約者がこうして目の前にいて……私のジメジメとした顔を拝むことになれば、皆そうなるに決まっているのだ……。

「違うっ……私のせいじゃっ……」

「おやおや……何があなたのせいなんですか???」

 私は嫌らしく女を追い詰める。

「何って……それを私から言わせるつもりっ……」

「当たり前でしょう……婚約者がいるのに……勝手に不倫して。許されると思っているのかしら?」


「不倫ですって!」

 女は驚いたようだった。

「どうして……そう言うことになるのかしら?だって……トスカーナ殿は悩む私の治療をして下さっているのに」

「治療ですって?そういうことにして、イヤらしいことをしているのでしょうっ!」

 思わず殴りかかるところだった。女があまりにも脅えるので、私は手を止めた。


「あなた……さっきから何を言っているの?トスカーナ殿に失礼でしょう!」

「失礼なのはどっちなのよ!」

 そもそも、様ではなくて殿と言っている時点で、無礼なのだ。私はもう我慢できずに飛びかかろうとした。


「エリザベート!大変だっ!!!」

「大変なのは分かっているわ!!!」

「そういう意味じゃなくて……こちらにいらっしゃるお方は……王女様なのだ!!!」

 王女様?自分の耳を疑った。

「いかにも……第二王女のメアリーよ」

 第二王女メアリー……噂では病気療養中で公に姿を見せないと聞いていた。この女が……本当に王女様?

「さあ、分かったならさっさと私を解放しなさい…今回だけは見逃してあげるから……」

 そう言えば……ただの令嬢とは違うオーラを感じた。王女と言われれば、そんな感じがしたのだった。


「待って…いや、待ってくださいっ!!!」

 私は王女様(?)に頭を下げた。

「今回の無礼はお詫びいたします。その代わり、教えていただけますでしょうか。どうして、トスカーナ様があなた様と密会していたのか……」

「あなた……彼から何も聞いていないの?」

 王女様は驚いていた。

「そうなんだ……まあ、それならば話してあげていいかしらね」


 私は王女様の呪縛を丁寧に解いた。
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