人外図書館

ぼくと

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迷い人

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 ここは人外が運営する図書館。

 職員は皆、人外。訪れる者もまた、人外。

 あなたは人外図書館に訪れた人間。

 人外図書館では人だと疑われてはいけない。

 本来、人はこの場所に入れないのだから。



 あなたは人外図書館の一角で、友人の猫又を待っている間。気になる本を見つけた。

 どうしても気になったあなたは、その本を本棚から抜きとる。

 本のタイトルは「迷い人」。

 気づくと、あなたは夢中になって読んでいた。小説の主人公の境遇があまりにも、自分自身と一緒だったからだ。

 あなたはこの本を借りたいと思ったが、この図書館のカードをもっていない。

 猫又に頼んで借りるしかないようだ。

 あなたはため息をつきながら、本のタイトルをなぞった。
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