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優斗の部屋 ⑤

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「ん?優斗、どうした?」
「おやすみのキスはしてくれないんですか?」
「‼︎はい~⁉︎」
さすがの長野も面食らった。
「だから、ほっぺにおやすみのキスです。こういう時って、するもんじゃないんですか?」
優斗は不思議そうに長野を見つめる。
「優斗、どんなドラマか漫画見てたんだよ…。それに俺の名前呼ぶ時、あんなに恥ずかしがってたのに、これはいいのか?」
「自分からは…恥ずかしいですけど、長野さんからはしてほしいです」
「はぁ~。わがまま優斗め…。いいよ、してあげるから、こっちおいで」
もう、長野はいろんな面で諦めたようだ。
「やった!おやすみなさい、長野さん」
優斗はより長野の方へ頬を突き出すと、
「おやすみ、優斗」
柔らかな頬に、長野は軽くキスをした。
「じゃあ、本当に帰るからな」
「はい‼︎寂しいの我慢します!」
優斗は胸を張る。
そして、長野が玄関のノブに手をかけた時、
「あ、そうだ」
再び優斗の方に振り返った。


忘れ物かな?

「優斗、仕事場では今まで通りだ。公私混同はしない。いいね」
「もちろんです!俺も社会人ですから‼︎」
優斗は胸を張り、ドヤ顔だ。
「ならよかった。今度こそ、おやすみ」
「おやすみなさい」

あ~あ、帰っちゃった…

優斗が時計を見ると1時を回っていた。

‼︎
もう終電ないよ‼︎

急いで長野にメールをしたら、すぐさま
『わかってるって。大丈夫、帰れるから。また明日な』
と、返信があった。

長野に悪いことをしたなと思いつつ、長野との時間が楽しくて優斗は嬉しかった。
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