愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

葉月

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仲直り ③

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遠目から店頭の様子を伺うと、笑顔で接客している健の姿があった。

いつも通り、いつも通り…。

 ふぅ~と大きく深呼吸し、健の接客を邪魔しないように健と客に笑顔で軽く会釈をしながら、店の中に入っていく。今日のカウンセリングの予約を確認し、基礎化粧品の前で商品を手に取り迷っている人を見ると、「こちらの商品は敏感肌の方には、特におすすめさせていただいています」と声を掛ける。
 視界に健が入り込むと気にはなったが、卓の言う通り、いつも通りにしていると、仕事に集中できるようになっていく。
 
 少し客足が遠のく時間帯。 
 優斗が商品を綺麗に並べていると、
「南田くん、ちょっと裏まで来てもらっていい?」
 健が後ろから声をかけてきた。
「は、はい」
 少し緊張しながら優斗は答え、健の後を着いていく。
 健がバックヤードに誰もいないことを確認すると、優斗の方を振り返った。
「昨日のことなんだけど…」
 
ほら、やっぱり何かしてしまったんだ…。
原因聞いて、ちゃんと謝ろう。

「その、俺…」
 優斗が言いかけた時、
「きつく当たって、あんな電話の切り方して、本当にごめん」
「え…?」
 まさか健から謝られるとは考えていなかった優斗は驚いた。
「その…、河野くんが優斗を家まで送ったって聞いて…。俺だって優斗を送りたかったし、一緒にいたくて…。それで少し会いたいって言ったら、優斗は『もう遅いから無理』って言うし…、それで……、その…少し…………」
「拗ねた?」
 口籠る健に優斗が冗談ぽく言うと、健は気まずそうに苦笑いし頭を掻く。
「え?本当に拗ねたの?」
「恥ずかしいけどな」
 
え?あの健が拗ねた?
いつも冷静で大人な健が?拗ねる?

「ぷっ、ぷははは」
 堪えようとしていたが、優斗は吹き出してしまった。
「なんだ、そうだったの?もう、心配して損した」
 原因が些細なことすぎて、今まで落ち込んでいた気持ちが晴れていく。
「俺、健を怒らせてしまったけど、原因がわからなくて、このまま健とよそよそしくなったらどうしようって心配してたんだからね」
「ごめん…」
 申し訳なさそうに、健がぺこりと頭を下げた。
「もう、それならそうって言ってくれたらよかったのに。俺だって健と一緒にいたかったよ。でもこれからずっと一緒なんだから、わざわざ無理して会うことないって思っただけなのに」
「ごめん」
 そう謝る健は、少し子供っぽくて優斗は可愛く感じてしまう。
「も~仕方ないな~。許してあげる。でもその代わり家に帰ったら、昨日の分も含めていっぱい甘えさせてね」
 本当は健に抱きつきたかったが、ここは職場。
 
今日帰ったら、ずっとくっついてやる!

 満面の笑みで店頭に戻った。
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