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すれ違い ⑤ 〜健side〜
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メンバー全員でする会議は、予定より早く終わった。だが健はもう少し詰めたいところがあり、会議室に残っていた。
会議室の机の隅に置かれているケーキの箱の中身を覗くと、保冷剤は溶けてしまっていたが、ケーキ自体は店頭のショーケースに並んでいたままで、
これなら優斗と食べられそうだ。
とホットした。
「お疲れ様」
「お疲れ様でした」
「お疲れ」
他のメンバーたちは次々、健に挨拶をし会議室を後にする。
健は朝から働きずめ。体力には自信がある方だが、そろそろ疲れが見え始める。
集中力がなくなってきたな。
ちょっとコーヒーでも買いに行くか。
ビルの自動販売機にコーヒーを買いに行こうと、ジャケットを羽織った時
「お疲れ。はい、差し入れ」
近いうのコーヒーショップの紙袋を持った優美が、会議室のドアを開けた。
「帰ったんじゃなかったのか?」
『ありがとう』とコーヒーを受け取りつつ、健が聞いた。
「帰ろうと思ったんだけどね、今日も1人頑張ってる人を見かけて。放って帰れないよ」
優美は健の隣に座った。
「でも、今日は帰った方がいいんじゃないか?有馬、このところずっと顔色悪いだろ。体調悪いんじゃないのか?」
健が優美の顔を覗き込む。
「大したことないよ」
優美は笑って見せたが、明らかに疲れが滲み出ている。
「目が死んでる」
健が言うと、
「出張続きで休みなかったから…。偏頭痛の薬飲んでても効かなくて、困っちゃうよ。でもこの企画が終わったら、ゆっくりできるし、今が踏ん張りどころ」
優美は苦笑いした。
「それでもあんまり無理するなよ」
「大丈夫。なんとかなるって」
そう言ってはいるが、大丈夫そうな顔色ではない。
「そんなこと言ってると心配性のアイツが、前みたいに看病しに家に乗り込んでくるぞ」
健がそう言うと、
「乗り込んで…来ないよ…」
優美は悲しそうに笑った。
「乗り込んでくるって。有馬が体調崩したら、なぜか同じ百貨店《職場》だからってだけで、『優美を働かせすぎるな!』って俺が怒られてたんだからな」
その時のことを思い出し、健がやれやれとため息を吐く。
「それは昔の話でしょ?今はそんな心配ないって」
優美は言い切る。
「え?なんで?」
「だって私達…連絡っとってないから…」
「有馬、アイツが帰って来たことも、店出したことも知ってるだろ?」
「うん。この前、お店の場所、田中先輩から教えてもらった…」
コーヒーにスティックの砂糖を1本入れ、使い捨てのマドラーで掻き回し続ける。
「大輔くんに『イタリアに行く』って聞かされた時『遠距離なんて自信ない』って言ったら、『待たなくていいから』って言われたんだよ!ハッキリとキッパリと『待たなくていい』って言われたんだよ!」
パッと顔を上げた優美は、とても苦しそうだった。
会議室の机の隅に置かれているケーキの箱の中身を覗くと、保冷剤は溶けてしまっていたが、ケーキ自体は店頭のショーケースに並んでいたままで、
これなら優斗と食べられそうだ。
とホットした。
「お疲れ様」
「お疲れ様でした」
「お疲れ」
他のメンバーたちは次々、健に挨拶をし会議室を後にする。
健は朝から働きずめ。体力には自信がある方だが、そろそろ疲れが見え始める。
集中力がなくなってきたな。
ちょっとコーヒーでも買いに行くか。
ビルの自動販売機にコーヒーを買いに行こうと、ジャケットを羽織った時
「お疲れ。はい、差し入れ」
近いうのコーヒーショップの紙袋を持った優美が、会議室のドアを開けた。
「帰ったんじゃなかったのか?」
『ありがとう』とコーヒーを受け取りつつ、健が聞いた。
「帰ろうと思ったんだけどね、今日も1人頑張ってる人を見かけて。放って帰れないよ」
優美は健の隣に座った。
「でも、今日は帰った方がいいんじゃないか?有馬、このところずっと顔色悪いだろ。体調悪いんじゃないのか?」
健が優美の顔を覗き込む。
「大したことないよ」
優美は笑って見せたが、明らかに疲れが滲み出ている。
「目が死んでる」
健が言うと、
「出張続きで休みなかったから…。偏頭痛の薬飲んでても効かなくて、困っちゃうよ。でもこの企画が終わったら、ゆっくりできるし、今が踏ん張りどころ」
優美は苦笑いした。
「それでもあんまり無理するなよ」
「大丈夫。なんとかなるって」
そう言ってはいるが、大丈夫そうな顔色ではない。
「そんなこと言ってると心配性のアイツが、前みたいに看病しに家に乗り込んでくるぞ」
健がそう言うと、
「乗り込んで…来ないよ…」
優美は悲しそうに笑った。
「乗り込んでくるって。有馬が体調崩したら、なぜか同じ百貨店《職場》だからってだけで、『優美を働かせすぎるな!』って俺が怒られてたんだからな」
その時のことを思い出し、健がやれやれとため息を吐く。
「それは昔の話でしょ?今はそんな心配ないって」
優美は言い切る。
「え?なんで?」
「だって私達…連絡っとってないから…」
「有馬、アイツが帰って来たことも、店出したことも知ってるだろ?」
「うん。この前、お店の場所、田中先輩から教えてもらった…」
コーヒーにスティックの砂糖を1本入れ、使い捨てのマドラーで掻き回し続ける。
「大輔くんに『イタリアに行く』って聞かされた時『遠距離なんて自信ない』って言ったら、『待たなくていいから』って言われたんだよ!ハッキリとキッパリと『待たなくていい』って言われたんだよ!」
パッと顔を上げた優美は、とても苦しそうだった。
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