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帰り道 ②
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晴人が見つけたのは、オープン早々に行列ができた人気店。
電話で問い合わせると、運よく座敷の個室が空いており予約を入れ、二人はそこに行くことにした。
日は沈み、街頭も店のネオンも煌々と輝いている。
道を歩けば、数人のスーツ姿の男性が店に入るところだったり、大学生ぐらいの男女が集まり、まだ集まっていない仲間を待っている姿も見られる。
空気は蒸し蒸ししており湿度は少し高め。今日の深夜から明日にかけて雨かもしれない。
繋いだ手に汗をかき始め、瑞稀が離そうとすると、晴人はぎゅっと力を入れてそれを阻止した。
「俺は繋いでいたいけどな。瑞稀は?」
そんな風に言われると、手汗をかいていて恥ずかしいから離したいとは言えない。
返事をする代わりに、瑞稀も晴人の手を握り返した。
こんな時間に二人で出かけるのはいつぶりだろう?
最近は人混みを歩くと、すぐに疲れてしまう瑞稀だったが、今日は特別。久々のデートに少しワクワクもしていた。
店の前に着くと、開店して間もないのに、外にはもう何組かのグループが並んでいる。
入店し、部屋に着くまでの間、テーブル席では楽しそうな食事を始めている客がいる。
出汁のいい香りがしていたり、サイドメニューを運ぶ店員の姿。
壁に貼られたオススメドリンクや、メニュー。
瑞稀はキョロキョロしてしまい、その姿を晴人は微笑ましそうに見ていた。
予約した個室に通され、晴人と瑞稀、向かい合うように座ると、
「では、ご注文はタブレットでお願いします」
元気な店員は出て行った。
「予約取れて、よかったですね」
メニューの入ったタブレットを手に取り、画面をスクロールする。
「ああ、瑞稀と二人っきりで嬉しい」
楽しそうにメニューを見ている瑞稀の姿を、片肘を付きながら晴人は眺めた。
「好きなのも頼んだらいいよ」
何を頼もうか決められない瑞稀の様子に、晴人は目を細める。
「晴人さんは何がいいですか?」
瑞稀がタブレットを晴人に渡そうとすると、
「瑞稀が食べたいのがいい」
とタブレットを瑞稀に返した。
何気ないが、幸せな時間。
晴人と一緒にいれば、こんな時間がずっと続く気がして、二人の幸せな未来を心待ちにしてしまう反面、今日、晴人の母親から言われたことが、頭の中にこびりついて離れない。
ふっと瑞稀の瞳の奥に悲しみが映る。
「瑞稀?」
急に黙りこくった瑞稀の事を心配した晴人が呼びかけると、瑞稀は慌てて笑顔を作る。
「瑞稀どれにするか、決まった?」
「えっと……」
メニューを眺めてはいたが、きちんと見ていなかった瑞稀は少し焦った。
「えっと、これと、これと、これ…なんてどうですか?」
瑞稀は急いでメニューに目を通し指差したのは『モッツァレラチーズと冷製トマトのカプレーゼ』『たたききゅうりと香味野菜のポン酢和え』『まぐろと長芋の和風だし和え』
全て晴人が好きそうなメニューばかり。
「うん、それにしよう。なべの種類は『豚しゃぶ』でいい?あと飲み物は烏龍茶?」
鍋メニューから晴人は豚しゃぶを指差す。
「はい、お願いします」
晴人はそれらを注文し、タブレットを定位置にいおいた。
電話で問い合わせると、運よく座敷の個室が空いており予約を入れ、二人はそこに行くことにした。
日は沈み、街頭も店のネオンも煌々と輝いている。
道を歩けば、数人のスーツ姿の男性が店に入るところだったり、大学生ぐらいの男女が集まり、まだ集まっていない仲間を待っている姿も見られる。
空気は蒸し蒸ししており湿度は少し高め。今日の深夜から明日にかけて雨かもしれない。
繋いだ手に汗をかき始め、瑞稀が離そうとすると、晴人はぎゅっと力を入れてそれを阻止した。
「俺は繋いでいたいけどな。瑞稀は?」
そんな風に言われると、手汗をかいていて恥ずかしいから離したいとは言えない。
返事をする代わりに、瑞稀も晴人の手を握り返した。
こんな時間に二人で出かけるのはいつぶりだろう?
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店の前に着くと、開店して間もないのに、外にはもう何組かのグループが並んでいる。
入店し、部屋に着くまでの間、テーブル席では楽しそうな食事を始めている客がいる。
出汁のいい香りがしていたり、サイドメニューを運ぶ店員の姿。
壁に貼られたオススメドリンクや、メニュー。
瑞稀はキョロキョロしてしまい、その姿を晴人は微笑ましそうに見ていた。
予約した個室に通され、晴人と瑞稀、向かい合うように座ると、
「では、ご注文はタブレットでお願いします」
元気な店員は出て行った。
「予約取れて、よかったですね」
メニューの入ったタブレットを手に取り、画面をスクロールする。
「ああ、瑞稀と二人っきりで嬉しい」
楽しそうにメニューを見ている瑞稀の姿を、片肘を付きながら晴人は眺めた。
「好きなのも頼んだらいいよ」
何を頼もうか決められない瑞稀の様子に、晴人は目を細める。
「晴人さんは何がいいですか?」
瑞稀がタブレットを晴人に渡そうとすると、
「瑞稀が食べたいのがいい」
とタブレットを瑞稀に返した。
何気ないが、幸せな時間。
晴人と一緒にいれば、こんな時間がずっと続く気がして、二人の幸せな未来を心待ちにしてしまう反面、今日、晴人の母親から言われたことが、頭の中にこびりついて離れない。
ふっと瑞稀の瞳の奥に悲しみが映る。
「瑞稀?」
急に黙りこくった瑞稀の事を心配した晴人が呼びかけると、瑞稀は慌てて笑顔を作る。
「瑞稀どれにするか、決まった?」
「えっと……」
メニューを眺めてはいたが、きちんと見ていなかった瑞稀は少し焦った。
「えっと、これと、これと、これ…なんてどうですか?」
瑞稀は急いでメニューに目を通し指差したのは『モッツァレラチーズと冷製トマトのカプレーゼ』『たたききゅうりと香味野菜のポン酢和え』『まぐろと長芋の和風だし和え』
全て晴人が好きそうなメニューばかり。
「うん、それにしよう。なべの種類は『豚しゃぶ』でいい?あと飲み物は烏龍茶?」
鍋メニューから晴人は豚しゃぶを指差す。
「はい、お願いします」
晴人はそれらを注文し、タブレットを定位置にいおいた。
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