164 / 202
愛おしいということは、愛しているということは 〜内藤昴 スピンオフ〜
N社との契約解約 ②
しおりを挟む
「ところで契約解除の件ですが……」
話を切り出すそうとすると、
「ああ、その件。今社内世代交代があって、今までの契約を検討したほうがいいのではないかという声があがっててね、すぐ解除のということではないんだよ。
「?」
解約はほぼほぼ決定事項だと連絡してきていたじゃないか。
長野さんが言っている意味がわからない。
「そんなことより今日は昴くんが副社長就任1年祝いをしないかい?」
ーそんなことより?ー
契約解除より俺の就任1年祝い?
就任した時は何もなかったのに?
やはりおかしい。
もう少し話して探りを入れよう。
「お気遣い有難う御います。ですが……」
「まぁまぁ、今日はゆっくり楽しもうじゃないか」
また話をはぐらかされる。
長野さんの魂胆はなんだ?
考えていると、ブーンと胸ポケットのスマホが振動した。
秘書である鈴木にではなく俺に電話をかけてくる人は限られていている。
電話には出たほうがいい。
だが電話に出るということは、席を外すということ。この個室に鈴木と長野さん2人きりにしてしまうということ。
個室で男性と2人きりになるのが怖い鈴木に、そんなことはさせたくない。
電話はあとで折り返せばいい。
「電話、出ないの?」
長野さんが俺の胸ポケットを指差す。
「はい、大丈夫です」
「でも君に直接電話をかけてくる人だよ?大物なんじゃない?すぐに出ないと」
強く言われる。
それはそうだと思う。
でも鈴木を1人にするのは……。
「副社長、私は大丈夫です」
俺が思っていることがわかっているかのように、鈴木は言う。
鈴木はそう言っても事情を知っているから、余計に心配だ。
俺の気持ちが表情人出ていたのだろう。鈴木はもう一度、
「大切な電話だと大変です。私は大丈夫です」
と言い、俺は立ち上がる時に「すぐに戻る」と鈴木の耳元で小声で言い個室を出た。
電話をかけてきていたのは、最近急成長をしてきた企業の会長。
この前のゴルフで俺に負けたのがよほど悔しかったのだろう。次回のゴルフのお誘いだった。
そんなどうでもいい電話を、今してくるな!
心の中でげんなりしつつ、あまり無碍にはできないので早く話を終わらせようと「会長は何にでも精通されていますよで、全てお任せします」と言い、早々に電話を切った。
急いで部屋に戻ると、長野さんはご機嫌で酒を飲み、鈴木は顔を真っ青にし体をこわばらせている。
やはり席を離れるんじゃなかった。
「長野さんすみません。急用ができてしまって……。大変申し訳ありませんが今日はこのまま帰らせていただきます」
それだけ言って、真っ青な顔の鈴木と一緒に料亭を後にした。
帰りのタクシーの中、鈴木は黙ったままずっと下を向いている。
「悪かった」
こうなるとわかっていたのに……。
「少し飲み過ぎてしまい、ご迷惑をおかけしました」
鈴木はそう言ったが、料亭で鈴木は酒を一滴も飲んでいない。
俺がそんなこと気づかなと思ったのだろうか?
話を切り出すそうとすると、
「ああ、その件。今社内世代交代があって、今までの契約を検討したほうがいいのではないかという声があがっててね、すぐ解除のということではないんだよ。
「?」
解約はほぼほぼ決定事項だと連絡してきていたじゃないか。
長野さんが言っている意味がわからない。
「そんなことより今日は昴くんが副社長就任1年祝いをしないかい?」
ーそんなことより?ー
契約解除より俺の就任1年祝い?
就任した時は何もなかったのに?
やはりおかしい。
もう少し話して探りを入れよう。
「お気遣い有難う御います。ですが……」
「まぁまぁ、今日はゆっくり楽しもうじゃないか」
また話をはぐらかされる。
長野さんの魂胆はなんだ?
考えていると、ブーンと胸ポケットのスマホが振動した。
秘書である鈴木にではなく俺に電話をかけてくる人は限られていている。
電話には出たほうがいい。
だが電話に出るということは、席を外すということ。この個室に鈴木と長野さん2人きりにしてしまうということ。
個室で男性と2人きりになるのが怖い鈴木に、そんなことはさせたくない。
電話はあとで折り返せばいい。
「電話、出ないの?」
長野さんが俺の胸ポケットを指差す。
「はい、大丈夫です」
「でも君に直接電話をかけてくる人だよ?大物なんじゃない?すぐに出ないと」
強く言われる。
それはそうだと思う。
でも鈴木を1人にするのは……。
「副社長、私は大丈夫です」
俺が思っていることがわかっているかのように、鈴木は言う。
鈴木はそう言っても事情を知っているから、余計に心配だ。
俺の気持ちが表情人出ていたのだろう。鈴木はもう一度、
「大切な電話だと大変です。私は大丈夫です」
と言い、俺は立ち上がる時に「すぐに戻る」と鈴木の耳元で小声で言い個室を出た。
電話をかけてきていたのは、最近急成長をしてきた企業の会長。
この前のゴルフで俺に負けたのがよほど悔しかったのだろう。次回のゴルフのお誘いだった。
そんなどうでもいい電話を、今してくるな!
心の中でげんなりしつつ、あまり無碍にはできないので早く話を終わらせようと「会長は何にでも精通されていますよで、全てお任せします」と言い、早々に電話を切った。
急いで部屋に戻ると、長野さんはご機嫌で酒を飲み、鈴木は顔を真っ青にし体をこわばらせている。
やはり席を離れるんじゃなかった。
「長野さんすみません。急用ができてしまって……。大変申し訳ありませんが今日はこのまま帰らせていただきます」
それだけ言って、真っ青な顔の鈴木と一緒に料亭を後にした。
帰りのタクシーの中、鈴木は黙ったままずっと下を向いている。
「悪かった」
こうなるとわかっていたのに……。
「少し飲み過ぎてしまい、ご迷惑をおかけしました」
鈴木はそう言ったが、料亭で鈴木は酒を一滴も飲んでいない。
俺がそんなこと気づかなと思ったのだろうか?
24
あなたにおすすめの小説
『聖クロノア学院恋愛譚 』記憶を失ったベータと王族アルファ、封印された過去が愛を試すまで
るみ乃。
BL
聖クロノア学院で、記憶と感情が静かに交差する。
「君の中の、まだ知らない“俺”に、触れたかった」
記憶を失ったベータの少年・ユリス。
彼の前に現れたのは、王族の血を引くアルファ・レオンだった。
封じられた記憶。
拭いきれない心の傷。
噛み合わない言葉と、すれ違う想い。
謎に包まれた聖クロノア学院のなかで、
ふたりの距離は、近づいては揺れ、また離れていく。
触れたいのに、触れられない。
心を開けば、過去が崩れてしまう。
それでも彼らは、確かめずにはいられなかった。
――やがて、学院の奥底に眠る真実が、静かに目を覚ます。
過去と向き合い、誰かと繋がることでしか見えない未来がある。
許し、選びなおし、そしてささやかな祈り。
孤独だった少年たちは、いつしか「願い」を知っていく。
これは、ふたりの愛の物語であると同時に、
誰かの傷が、誰かの救いへと変わっていく物語。
運命に抗うのは、誰か。
未来を選ぶのは、誰なのか。
優しさと痛みが交差する場所で、物語は紡がれる。
トップアイドルα様は平凡βを運命にする【完】
新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。 ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。 翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。 運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。
オメガの僕が、最後に恋をした騎士は冷酷すぎる
虹湖🌈
BL
死にたかった僕を、生かしたのは――あなたの声だった。
滅びかけた未来。
最後のオメガとして、僕=アキは研究施設に閉じ込められていた。
「資源」「道具」――そんな呼び方しかされず、生きる意味なんてないと思っていた。
けれど。
血にまみれたアルファ騎士・レオンが、僕の名前を呼んだ瞬間――世界が変わった。
冷酷すぎる彼に守られて、逃げて、傷ついて。
それでも、彼と一緒なら「生きたい」と思える。
終末世界で芽生える、究極のバディ愛×オメガバース。
命を懸けた恋が、絶望の世界に希望を灯す。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
白銀オメガに草原で愛を
phyr
BL
草原の国ヨラガンのユクガは、攻め落とした城の隠し部屋で美しいオメガの子どもを見つけた。
己の年も、名前も、昼と夜の区別も知らずに生きてきたらしい彼を置いていけず、連れ帰ってともに暮らすことになる。
「私は、ユクガ様のお嫁さんになりたいです」
「ヒートが来るようになったとき、まだお前にその気があったらな」
キアラと名づけた少年と暮らすうちにユクガにも情が芽生えるが、キアラには自分も知らない大きな秘密があって……。
無意識溺愛系アルファ×一途で健気なオメガ
※このお話はムーンライトノベルズ様にも掲載しています
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる