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第1章 彼女の力が世界に知れ渡る
第17話 草原の悪魔②
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はじめに異変に気づいたのは見張りの兵士達ではなく、遠方で隊列を成す兵士達の指揮をとっていたアリアの兄オリヴァーだった。
「......なんだいまのは?」
見張りの騎士達の足元で不自然に円を描いて砂埃が舞ったことに気がつきオリヴァーが首を傾げた。
次の瞬間。見張りの兵士の足元から渦を巻いた暴風が突然現れ、大地から上空へと土埃を撒き散らしながら周囲の草花や砂利もろとも見張りの兵士達を巻き込んでいった。
「ひゅああああああああ──ッ!?」
「ぎゅぴゃああああああ──ッ!?」
見張りの兵士達の悲鳴は轟音にかき消され、遥か上空へとその姿を消した。
一方、少し離れたところでその様子を眺めていた兵士達の間には戦慄が走る。
「......おい。あの竜巻......。こ、こっちに向かってくるぞおおおおお──ッ!!」
オリヴァーは慌てて部下達に指示をだす。
「退避──ッ!! 各自全速力で退避だああああああ──ッ!!」
迫りくる竜巻に恐怖と混乱を極めていた兵士達は完全にパニック状態に陥っていた。
人同士がぶつかり合い、最前列にいた者達は竜巻から逃げようと前にいる兵士達を押し倒し、踏み潰す。
「ぎゃあああああっ!! 助けっ......」
必死の形相で逃げ惑う兵士達。その様子をまるで嘲笑うかのように荒れ狂う暴風は、すでに巻き込まれている兵士達の断末魔の叫びを纏いながら、容赦なく他の兵士達を巻き込んでいく。
最終的にミサキが放った竜巻は兵士達の半数を巻き込んだところでやっと回転を緩め、やがて消滅した。
運良く難を逃れたものの意識を失い地面に横たわるオリヴァーの元へ、ひとりの兵士が慌てて駆け寄っていく。
こんな状況で指揮官まで失うわけにはいかないので兵士も必死だ。
「オリヴァー副団長っ!! ご無事ですか!?」
「うっ......。あ、あぁ。......状況は?」
「分かりません......」
「だろうな......」
オリヴァーは駆けつけてきた兵士の言葉に同意せざるを得なかった。
大量の土埃が視界を遮り、呻き声と悲痛な叫び声が至るところから聞こえてきたからだ。状況を把握しろなんて酷な話である。
「......まるで地獄のようだな」
オリヴァーは呆然と周囲を眺めながらポツリと呟いた後、一昨日の夜に父と妹のアリアが大騒ぎしてたことを思い出した。
◆◇◆◇
一昨日ミサキの消息が分からなくなったアリアは戦場での出来事を家族に全て話していた。ミサキと話した内容まで事細かに。
アリアがそこまでした理由はミサキの重要性と危険性を家族に理解して欲しかったからだった。
アリアもミサキと実際に話をして分かったことだが、ミサキはこの国のこともロクサンヌ帝国のことも何一つ知らなかった。どちらの味方というわけでもなく、たまたまロクサンヌ帝国の兵士と言い争いになったから力を行使しただけのことだったのだ。
これにはアリアも困惑を隠せなかったのだが、同時にひとつの疑念が頭に浮かんだ。
もし同じことをアイン王国側がすればミサキはどうするのか? 躊躇することなくあの強大な力をアイン王国にも行使するのではないだろうか? と。
アリアの導きだした答えは『YES』だった。その答えに確信めいたものすら感じていた。
だからこそアリアはミサキの情報を事細かに説明し、捜索の必要性を必死になって家族に訴えていたのだが......。オリヴァーはアリアの言ってることを信じてはいなかった。
『空を飛ぶ人間が突然現れて、一瞬で数万人の敵軍勢を焼き払った』
そんな馬鹿げた話を信じられるわけがなかった。現に騎士団では「前線にいる騎士団の奮闘により帝国の兵に多大な損害を与え退けることに成功した」と王宮に招かれた団長達へ陛下直々に激励の言葉が送られたという話で持ちきりだった。
アリアは戦場で精神を病んでひとり逃げ帰ってきたのだろう。オリヴァーはそう考え妹のアリアの言ってることを信じないどころか、戦場から逃げ帰ってきた臆病者として軽蔑すらしていた。
だがここにきてオリヴァーはアリアの言葉を信じざるを得なくなった。あの竜巻が自然発生したものとはどうしても思えなかったのだ。
アイン王国でも竜巻の被害に遭うことは稀にあるが、必ずといっていいほど真っ黒とした分厚い雲が空を覆っていた。
しかし今日は雲ひとつない快晴。それも風が全く吹いていなかったのだ。竜巻なんて起こるわけがない。
オリヴァーは今更ながら戦場に現れたという女性の特徴と名前をアリアに詳しく聞かなかったことを後悔し始めていた。
◆◇◆◇
「オリヴァー副団長!! ご指示を!!」
兵士の声でオリヴァーはハッと我に返る。
「すぐに生き残った兵士を集め体制を整える!! お前は他の者達にそのことを伝えて回れ!!」
「はっ!!」
オリヴァーの指示に対して、兵士が敬礼で返した次の瞬間。オリヴァーの目の前から敬礼をしていた兵士の姿が一瞬で消え去った。
「なっ!?」
すぐにその理由を理解したオリヴァーは周囲の兵士達に向かって大声で叫んだ。
「上だあああああ──ッ!! 上から竜巻に巻き込まれた兵士達が落ちてくるぞおおおお──ッ!!」
地獄はまだ終わってなどいなかったのだ。
オリヴァーは盾を頭上に構えてしゃがみ込むと、アリアの話を信じなかったことを心の底から悔やんだ。
「くっ!! なんとかしてあの赤い髪の女性とコンタクトを取らなければ! こんな馬鹿げた力......。アリアの言う通り敵に回したら国が滅びかねない......!」
ドサッ! ドサッ! という気味の悪い衝突音と呻き声、兵士達の悲鳴と嗚咽、抉られた大地と周囲に漂うむせ返るような血の臭い。
緑豊かな草原は地獄絵図と化していた。
「......なんだいまのは?」
見張りの騎士達の足元で不自然に円を描いて砂埃が舞ったことに気がつきオリヴァーが首を傾げた。
次の瞬間。見張りの兵士の足元から渦を巻いた暴風が突然現れ、大地から上空へと土埃を撒き散らしながら周囲の草花や砂利もろとも見張りの兵士達を巻き込んでいった。
「ひゅああああああああ──ッ!?」
「ぎゅぴゃああああああ──ッ!?」
見張りの兵士達の悲鳴は轟音にかき消され、遥か上空へとその姿を消した。
一方、少し離れたところでその様子を眺めていた兵士達の間には戦慄が走る。
「......おい。あの竜巻......。こ、こっちに向かってくるぞおおおおお──ッ!!」
オリヴァーは慌てて部下達に指示をだす。
「退避──ッ!! 各自全速力で退避だああああああ──ッ!!」
迫りくる竜巻に恐怖と混乱を極めていた兵士達は完全にパニック状態に陥っていた。
人同士がぶつかり合い、最前列にいた者達は竜巻から逃げようと前にいる兵士達を押し倒し、踏み潰す。
「ぎゃあああああっ!! 助けっ......」
必死の形相で逃げ惑う兵士達。その様子をまるで嘲笑うかのように荒れ狂う暴風は、すでに巻き込まれている兵士達の断末魔の叫びを纏いながら、容赦なく他の兵士達を巻き込んでいく。
最終的にミサキが放った竜巻は兵士達の半数を巻き込んだところでやっと回転を緩め、やがて消滅した。
運良く難を逃れたものの意識を失い地面に横たわるオリヴァーの元へ、ひとりの兵士が慌てて駆け寄っていく。
こんな状況で指揮官まで失うわけにはいかないので兵士も必死だ。
「オリヴァー副団長っ!! ご無事ですか!?」
「うっ......。あ、あぁ。......状況は?」
「分かりません......」
「だろうな......」
オリヴァーは駆けつけてきた兵士の言葉に同意せざるを得なかった。
大量の土埃が視界を遮り、呻き声と悲痛な叫び声が至るところから聞こえてきたからだ。状況を把握しろなんて酷な話である。
「......まるで地獄のようだな」
オリヴァーは呆然と周囲を眺めながらポツリと呟いた後、一昨日の夜に父と妹のアリアが大騒ぎしてたことを思い出した。
◆◇◆◇
一昨日ミサキの消息が分からなくなったアリアは戦場での出来事を家族に全て話していた。ミサキと話した内容まで事細かに。
アリアがそこまでした理由はミサキの重要性と危険性を家族に理解して欲しかったからだった。
アリアもミサキと実際に話をして分かったことだが、ミサキはこの国のこともロクサンヌ帝国のことも何一つ知らなかった。どちらの味方というわけでもなく、たまたまロクサンヌ帝国の兵士と言い争いになったから力を行使しただけのことだったのだ。
これにはアリアも困惑を隠せなかったのだが、同時にひとつの疑念が頭に浮かんだ。
もし同じことをアイン王国側がすればミサキはどうするのか? 躊躇することなくあの強大な力をアイン王国にも行使するのではないだろうか? と。
アリアの導きだした答えは『YES』だった。その答えに確信めいたものすら感じていた。
だからこそアリアはミサキの情報を事細かに説明し、捜索の必要性を必死になって家族に訴えていたのだが......。オリヴァーはアリアの言ってることを信じてはいなかった。
『空を飛ぶ人間が突然現れて、一瞬で数万人の敵軍勢を焼き払った』
そんな馬鹿げた話を信じられるわけがなかった。現に騎士団では「前線にいる騎士団の奮闘により帝国の兵に多大な損害を与え退けることに成功した」と王宮に招かれた団長達へ陛下直々に激励の言葉が送られたという話で持ちきりだった。
アリアは戦場で精神を病んでひとり逃げ帰ってきたのだろう。オリヴァーはそう考え妹のアリアの言ってることを信じないどころか、戦場から逃げ帰ってきた臆病者として軽蔑すらしていた。
だがここにきてオリヴァーはアリアの言葉を信じざるを得なくなった。あの竜巻が自然発生したものとはどうしても思えなかったのだ。
アイン王国でも竜巻の被害に遭うことは稀にあるが、必ずといっていいほど真っ黒とした分厚い雲が空を覆っていた。
しかし今日は雲ひとつない快晴。それも風が全く吹いていなかったのだ。竜巻なんて起こるわけがない。
オリヴァーは今更ながら戦場に現れたという女性の特徴と名前をアリアに詳しく聞かなかったことを後悔し始めていた。
◆◇◆◇
「オリヴァー副団長!! ご指示を!!」
兵士の声でオリヴァーはハッと我に返る。
「すぐに生き残った兵士を集め体制を整える!! お前は他の者達にそのことを伝えて回れ!!」
「はっ!!」
オリヴァーの指示に対して、兵士が敬礼で返した次の瞬間。オリヴァーの目の前から敬礼をしていた兵士の姿が一瞬で消え去った。
「なっ!?」
すぐにその理由を理解したオリヴァーは周囲の兵士達に向かって大声で叫んだ。
「上だあああああ──ッ!! 上から竜巻に巻き込まれた兵士達が落ちてくるぞおおおお──ッ!!」
地獄はまだ終わってなどいなかったのだ。
オリヴァーは盾を頭上に構えてしゃがみ込むと、アリアの話を信じなかったことを心の底から悔やんだ。
「くっ!! なんとかしてあの赤い髪の女性とコンタクトを取らなければ! こんな馬鹿げた力......。アリアの言う通り敵に回したら国が滅びかねない......!」
ドサッ! ドサッ! という気味の悪い衝突音と呻き声、兵士達の悲鳴と嗚咽、抉られた大地と周囲に漂うむせ返るような血の臭い。
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