What's Love True?

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真実か。嘘か。

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  私は1歳の時に父を失った。勿論その時の記憶などないがお母さんからそう聞かされた。会社帰りで駅に向かう途中車に轢かれ、心肺停止が私の父、神崎伊織の死因だ。犯人は見つからなかった。
 
 それからもう16年が経ち、私は高校2年生になった。勉強もそこそこで運動が特別出来る訳でもない普通の女子高生だったが、父の事件を探り初めると同時に私の人生の歯車は狂いはじめた。
 
「おはよう、心咲!」
 
「おはよう、お母さん。」
 
 そんな会話からいつもの1日が始まった。朝ごはんはご飯に目玉焼き、それに味噌汁。普通の朝食メニューを山盛りだ。(私ダイエット中なんだけどな)
 
 完食してしまったという小さな絶望を感じながら学校へ向かった。境ヶ丘市立明北高校。それが私の学校で、まぁ普通だ。頭がいいわけでもなく運動が有名なわけでもない。平々凡々な学校だ。
 
「みーおはよー!」
 
「おはよ!今日も朝からテンション高いね。芽衣」
 
 彼女は柿崎芽衣。私の幼馴染であり、大親友だ。
 
 少しすると千が入ってきた。
 
「おはよう。心咲。」
 
「おはよう、新山寝不足?クマできてるよ?」
 
「んーマジ?2時には寝たんだけどなぁ。」
 
 いや充分遅せぇよとツッコミを入れたかったが不機嫌そうなので辞めた。恐らく寝不足の彼は新山千。中学三年生のときに転校してきたいわゆる天才。全国一律のテストで3位を取っていた。ゲームしかしてない癖に頭が良くて腹立つ。芽衣も学年200人の内の32位。可笑しい。私だけ100位前後をチラホラとしている。悔しい。
 
「てか期末やなんだけどぉ。みー勉強してる?」
 
「あ、明後日期末か!忘れてた。」
 
「覚えとけよ馬鹿なんだから」

「にいはいっつも一言多いわ。」
 
 芽衣が新山に言ってくれた。いつもの光景と化している。
 
 
 昼休みに家族構成の話になった。
 
「芽衣はお母さんとお父さんそれと弟が2人!にいは?」 

「んー僕はお父さん1人だよ。母さんはギャンブル依存症で借金して蒸
  発したんだ。」
 
「そうなんだね」
 
 それぐらいしかかける言葉が見つからなかった。頭のいいちょっと腹立つやつだけど辛い過去もあったんだな。
 
「あれみーもお父さんなんかあったよね?」
 
「あ、うん。16年前に車に轢かれて…死んじゃったんだ。」
 
「…」
 
 変な空気が流れる。
 
「犯人は?捕まったん?」
 
 千が口を開く。私は首を振った。誰か捕まえてくれないかなぁと改めて思う。
 
「誰か捕まえてくれないかなぁ…」
 
 あ、口に出てた。
 
「俺らで捕まえるかぁ」
 
「ちょっと千!何言ってるの?冗談キツいよ。」
 
 まただ。今日2回目だな。
 
「冗談じゃないよ。捕まえてやろうよ、犯人。」
 
「はぁ?出来るわけないじゃない。にいは頭良いんやしそれぐらい分
かるやろ?」
 
「警察に出来ないことやったらカッコイイじゃん」
 
 本気で言っているのか。そんなことが出来るのか。色々な感情が混じっていたが
 
「私は、、、出来るならやりたい。父さんの仇討ちってわけじゃないけど事件のことは知りたい。母さんも詳しく教えてくれないし。」
 
 そんなことを口走ってしまった。
 
「えぇ、みーまでやるん?」
 
「じゃあ決まりな。今日放課後俺んちでゆっくり話そっか。」
 
 学校が終わったあと家が近い私はそのまま千の家に行った。
 
「まず何処で起きたの?事故って」
 
 千は事情聴取風に始めた。
 
「そのとき勤めてたアッシュネクストっていう会社の出てすぐの信号。信号無視の車に。」

「そっか。いつ頃?」

「詳しくは聞いてないけど2004年の7月。そのときお父さんは27
歳。」
 
「若かったんだね。」
 
 ピンポーン
 
「あ、芽衣かな?」
 
 千が玄関へ向かい、扉を開けた。
 
「やほ、どこまで話した?」
 
 お菓子を持って芽衣がやってきた。
「場所と時間ぐらいだよ。」
 
「りょーかい。やるからには本気でやるからね?」
 
「当たり前でしょ」
 
 やっぱり、千と芽衣は凄いな。犯人を自分達で見つけるなんて考えつかないし、思いついても実行しないだろうしな。
 
「私も聞くね?その犯人のナンバーとか車種分かんない?」
 
「分かんない。ごめん。」
 
「いや大丈夫だよーあと何だろ。どっちの方向に向かっていった?」
 
「桜坂の方。」
 
 桜坂というのは境ヶ丘より東の隣町だ。境ヶ丘よりは田舎で(とはいっても大して変わらないが)自然が多い町だ。
 
「桜坂…か。会社の防カメは警察も見てるだろうしあまり期待出来ないから…あとめぼしい情報はない?」

「特にないと思う。」
 情報量が少なすぎるがこれで全部だ。仕方ないといえば仕方ない。1歳やそこらの年齢だったんだ。
「情報少ねぇな。」
 千が言った。
「まぁ仕方ないっしょ。1歳だよ?覚えてないのが普通だよ。」
 
 芽衣が私をフォローしてくれた。
 
「どうしようかなぁ。取りあえず現場行ってみるか。」
 
 私たちは事故現場へ向かった。勿論血痕などの証拠は残ってない。それでも話だけより現場で事故のイメージを伝えた方が楽ではあった。
 
「桜坂方面に向かっていて信号無視の車。情報はそれだけか。」
 
 千が今の状況をまとめていた。改めて聞くと情報量は凄く少ない
 
「会社帰りってことは17時~19時ぐらいか?」新山に聞かれる。
 
「18時には帰ってきてたらしいよ。命日は毎年18時に線香あげてる。」

「んーなるほどね。18時が定時の中央町の会社調べてみるか。」
 
 え?そんなことできるのか。そっか。新山ハッキング出来るからどうにかなるか。
 
「芽衣も調べてみるね!」
 
「ねぇ。私何すればいい?」
 
「んーすることないね馬鹿だから。」
 
「にい一言多い。」
 
 3回目。もういい加減馬鹿にされなれてきた。
 
「みーは事件のことお母さんに聞いてきて!」
 
「うん!分かった」

 事件に少し近づいた気がして(気がしただけかもしれない。)嬉しくなり早歩きで自分の家に帰った。
 
「おかーさん!聞きたいことあるんだけどー」
 
 玄関に入るやいなや直ぐに言った。
 
「どーしたの?心咲。」
 
「父さんのことなんだけど」
 
 お母さんは顔をひきつり、食いかかるように話を切った。
 
「その話は辞めて!もう話すことは話したわ。もう思い出したくないの。」
 
「でも犯人が分かりそうなの。」
 
 「は?警察はもう調査を辞めてるわ。何を言ってるの?よく分からないこと言ってないで早く宿題しなさいよ。」
 
 それ以上は取り扱ってもらえなかった。
 
 
「心咲、ミサキ!」
 
 誰かが私を呼ぶ。目を開けると病室に母が居た。
 
「良かった、生きてたのね。」
 
と母は言う。意味が分からない。そんな様子を見て母は
 
「貴方、車に撥ねられたのよ」
 
と一言。
 「え?私が?車に?そんなわけないじゃない。私は学校で授業を受けてたのよ?」
 
 「帰りよ。学校の前の信号を渡っているときに信号無視の車にね。」
 
 父さんが死んだ時の説明と同じだ。
 事故が起きたことは未だに理解出来ていないが体を動かそうとすると全身に痛みがあったことが何よりの証明だろう。1ヶ月後には、退院も出来て学校にも通えた。
 
 
 柿崎芽衣、新山千が事故で死んだと先生から告げられた。私はその日から学校へ行かなくなった。
 退院して二ヶ月が経った頃警察から連絡がきた。犯人が捕まったのだろうと思い、電話をとると思いもしないことが告げられた。
 
「三田警察の岸田です。神崎伊織さんの犯人の足取りが分かりはじめてきました。任意ではありますが、事情聴取をしたいとお母さんにお伝えください。」
 
 そう告げられ、私は電話を置いた。何故今頃16年前の事件が判明しようとされているのか。とっくに時効のはずだ。調査はもうしてないんじゃないのか。私の事件の犯人はどうなっているんだ?色々なことが疑問として浮かび上がったが、その旨を母に伝えた。
 
 母は驚きながらも警察署へ向かった。そして戻ってくることはなかった。逮捕されたのだ。罪状は殺人及び殺人未遂。
 父のことを、友達をも殺した、私のことを殺そうとしたのも母だったのだ。
 私は理解が出来なかった。いや理解しようとしなかった。あんなにも愛をくれた母が、ここまで女手1つで育ててくれた母に殺されかけた?意味が分からない。そんなわけがない。そう思い、私は母との面談に行った。
 
「お母さん、本当なの?私を撥ねたのもお父さんを殺したのも。」
 
「…本当よ」
 
 母は泣きながら告げた。信じられなかった。涙が零れた。
 
「なんで、どうして?じゃあなんで私を今まで育ててくれたの?ねぇ。」
 
「…」
 
「答えてよ」
 
「好きだった。心咲のことも伊織さんのことも。」
 
「じゃあどうして…」
 
「好きだったから。それは愛じゃなかった。いや愛だとしてもずっと見つめてたい“愛”だったんだよ。世間から見る“愛”とは違った。結婚すれば行為も増えた。その行為は私にとって要らないものだった。見ていたいそれだけだから。伊織さんの愛は世間一般の愛だった。私は違った。ずっと見つめていられるように 動かなくなってほしかった。貴方を育てた理由も同じ。美しくなってから殺したかった。それだけ。」
 
 「…。」
 
 冷静を装おうとしても涙は止まらなかった。どうして。疑問は解決しない。でもこれ以上聞く気になれなかった。泪が零れ、床が濡れた。

 
 
 
「……ーー?」 

気がつくと私は、自分の部屋のベットで涙を流していた。

『…あー…』

『…まるで現実みたいじゃんか…笑』

そう思って自分に笑いかけると、私は勢いよく足で退けて、布団から出た。
 
 
「おはよー!お母さん。」




※この物語はフィクションです。実在の組織また人物には一切関係はございません。
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