虹色パレス

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始まりの

一話

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虹色パレス~始まりの~1









                                                                                                           約束するよ


                                                                                                   もう一度出会ったなら



                                                                                                             今度こそ




*******************






桜が咲いては散って行く季節。

私の通う王華(おうか)高等学園も例にもれず、入れ替わりの忙しい時期。

お世話になった三年の先輩方を涙の卒業式で見送って、春休み開けはピカピカの一年生の入学式も無事終わり、二年生になった実感もないまま、真新しい教室に通いはじめて二週間。

それは突然に幼馴染から聞かされたビックニュースから始まったのです。

「えー、白石モモさん。」

「ん~?なぁに、アオイ。てか、なんでフルネーム?」

「ご報告が。9月からアメリカの学校に行くの、決まったから」

いつものように同じ教室でお昼ご飯食べていた時に彼女は見晴らしの良い窓に顔を向けて話し出した。

窓から吹くそよ風が気持ちいいなー。

「へ~、アメリカに・・・えっ!!?なにそれ!!!」

お昼食べ終わって、満腹感の中、眠気さえ感じはめてたから反応遅れたし!

今日の昼ごはんはお母さんの愛情たっぷりの唐揚げ弁当に焼きそばパン1つデザートに私の大好きなプリン2個。

「聞いてない!!!」

「今、言った」

そうじゃないでしょ!  

「それ、いつ決まったの?!」

「いつって…出発は去年の暮れだけど、行くのは一年も前に決まってた」

「高校入る前ってこと?!なんでそんな寂しいこと早く言ってくんなかったの!」

私たちは今高校2年生に上がったばっかりだ。

このまま一緒に卒業していくと思ってたのに…。

「お母さんが仕事でアメリカに転勤になるから私も行くことにしたの」

アオイのお母さんは有名なファッションデザイナーでいろんな国にお店を出店して
いて、結構頻繁に家を空ける事が多い。

「アメリカに王華学園の姉妹校があってそこに転校って感じね」

私たちの通う学校は全寮制の私立学園、王華高等学園。
敷地は別けられているが、小、中、高が共存しているマンモス学園である。
私達は家が近いから寮には入ってないけどね。

そして、海外にもいくつか姉妹校がある。
どこかなんて覚えてないけど。


そしてアオイこと、西園寺 葵(さいおんじ あおい)

私たちは小学1年生の時に出会った。
海外から日本へ戻ってきたアオイの両親と私の両親は元から古い友人だそうで、
その縁もあって、それからは姉妹のように育ってきた。

「…はぁーーーー。」

なんか、今更言われたのを落ち込んでいいのか、怒ればいいのか。

「…ごめん、モモ。でも、言ってたら絶対止めるでしょう?」

アオイが困った風な半笑で言ってくる

「もち。あたぼーよ。」

「モモに言われると弱いからねー。」

「じゃあ、行かないでよ!」

「それは無理。」

笑顔で即答かよ!言ってることチグハグじゃんよ
アオイは頑固だからこうと決めたら、なかなか折れない

「も~。…でも、決めたんでしょ?」

「うん、もっと広い世界に羽ばたきたいの」

どこの芸人ですか。しかもとても素敵な笑顔浮かべてさ。寂しいじゃん。でも、一生会えない訳じゃないし…。

「毎日メールは送ってよね」

「束縛彼氏かあんたは」

そう言って、君はとても素敵な笑顔を向けてくる…あれ、詩ができちゃったじゃん。

「あれ…なんか、胸が苦しいかも…これって失恋かな」

「安心して、ただの食べ過ぎよ。」

そう言って、君はとても優雅にお弁当箱をしまって…あれ、詩ができちゃったじゃん。

「モモ、心の声が全部口に出ててるよ」

「エスパーアオイ…」

「あーー、ハイハイ」

ちょっとめんどくさそうにしてる君もとても素敵な…「机に書かない。」「…はい。」

アオイはツンデレです。

「誰がツンデレよ、デレてないし」

「アレ、聞こえてた?」

「ふふ、モモは思ったこと全部口に出ててるよ。ほら、次は移動教室だよ。」

「え~、人より素直なだけー」

そろそろお昼の終了予鈴が鳴りそう

「次、科学だっけー?…あ。」

「何?」

「教科書、セリちゃんに貸してたんだった。アオイ先行ってー」

「え、今から行くの?」

「大丈夫~先生来るの遅いから間に合うよ」

セリちゃん絶対忘れてるなー!昼休みに返すって言ってたのに。




「待ってようか?…って…行っちゃったよ」









*******************








セリちゃんは一年の時に一緒のクラスになって仲良くなった。

アオイと3人で良く遊ぶマブダチね!

でも2年のクラス替えで教室が別々になった。寂しいよ~。

と言っても、2クラス離れてるだけだけどね

私とアオイが一組でセリちゃんが四組。2年生は全部で四組ある
   
「セリちゃーん!教科書~」

クラスに着くと入り口扉から入って一番左側先頭がセリちゃんの机である。

「あぁ~!モモ、ごめーん忘れてた!」

「だろうと思ったよ」

「あはは、ごめんごめん」

謝ってるけど、悪いと思ってないなー、これ

「飴ちゃんあげるから許して~!」

そう言って、私の手に3つの飴を渡した

「子供扱い…」

「まぁまぁ。頂いちゃいなさいって」

「ありがとう、うれしいなー。」

「モモは本当に素直ね。気持ちこもってない」

「よく言われるよ。あ!そうだ!アオイの留学の話聞いた?!」

もしかしたら、セリちゃんも聞かされていないかもしれない!

「あー、アメリカにってやつでしょ」

「…ちょっと、なんでセリちゃん知ってるのよ」

私は今日初めて聞かされたのに。アオイさんどーゆこと!

「睨むな睨むな。たまたま、先生とアオイが話してる所に遭遇しただけだって。そん時にアオイが話してくれたんだよ」

「え、いつよ!それ。」

「んー?かれこれ三ヶ月前??よく覚えてない。モモにはアオイが自分で言うから内緒にしててって言うから」

事も投げに淡々とセリちゃんが暴露してくるよ

「なに?今日聞いたの?」

「…今さっき」

「ふふふ。それはご愁傷様。やけ食いには付き合うわよ。見てるだけだけど」

「もーーー!お別れ会したら、絶対パイ投げで顔にこすりつけてやる!」

2人して私を仲間ハズレにしてー!

「どっちを?」

「どっちも!」

「うわー、私は不参加で。」

キーンコーンカーンコーン…

「やば、開始予鈴だ」

化学室はここら少し遠いから、急がないと先生より先に着いてないと
うるさいんだよね。化学の先生

「モモ、教科書ありがとねー!」

「うん!又放課後ね~!お別れ会の話するからね!!」

「ええーーーー。」

セリちゃんは嫌そうに手を振っていた

ふん、アオイにはサプライズしてやろー!そう思うとなんだか楽しくなって来た!








*******************












さあ!先生より先に教室に着かなきゃ!

予鈴鳴ってるからみんな教室に入って、廊下には人の気配はない

セリちゃんのクラスは移動教科じゃなかったから、みんないたけど、
その前の二、三組は合同で体育だっけ?誰もいないみたい

一組の教室を過ぎると階段がある、ちなみに1階は一年生、二年生は2階
、三年生は3階で学年が分かれてる。

4階に化学室や家庭科室などが集中してる。職員室も実は4階にある。

とにかく、4階に行ったら先生に出会わないように気をつけて化学室を目指さなくては!


『_________っ』

ちょうど、一組である、自分の教室を通り過ぎようとした時だった

教室から、誰かの叫んでるような、苦しそうな声が聞こえた

まだ、誰か教室に残ってるのかな

「…なに?誰かいるの?」

教室の扉は閉められていたので、中を確認する為に扉に手をかけて開いた

「っ!え!!?わっ!!」

扉が開いた瞬間にものすごい突風が吹いて私を突き抜け、とっさの事で一瞬目を閉じたけど、次に開けた視界は何もない真っ暗な空間だった

「…なんなの…」

夢でも観ているのだろうか、周りを見渡せど何も無い。開けた筈の扉さえ消えている。

というか、 何も観えない

「ここ、どこよ…」

視界は相変わらず真っ暗だ 自分の姿さえ確認できない

「……こんな非現実的なことないって…」

しかし、足は地面についてる感覚はある

「…これは夢だよ、私だめだなー、又授業中に寝たんだな」

でも、なにも見えないから動けない
 
「早く覚めてよ~」

リ__ン…リ___ン

早く目覚めたくて目をぎゅって閉じていたら、真っ暗な世界で小さく音が聞こえた

「…え、何?鈴の音?」

何処からともなく鈴の音らしきものが聞こえてきたんだけど

ちょっと、やめてよ!怖いじゃん!
でそうじゃんよ!!あの世の方々がっ!!

それか私も実は仲間入りしてるとか…。

「イヤイヤイヤ!!ちょっとダメだよ、それ!」

そして、だんだん音が近い付いて来てる…気がするんだけど

「私、まだやりたい事たくさんあるのに!燃えるような恋もしたいのに!神様、仏様、閻魔大王様お願いだから、生き返らせて!」

リ____ン   リ____ンッ

音が一段とでかく鳴った

「やだやだ!ごめんなさい!ごめんなさい!」

モモは恐怖でその場にしゃがみこみ、めいっぱい目を閉じ頭を抱えた

「…何をしている」

すると、すぐ背後から声が聞こえた

「…へ…うぁ…」




恐る恐る、背後を振り返ってみたら、もの凄い美人が無表情に立っていた

髪は淡いライトグリーンで瞳も金に近い淡い色をしていた

服装は金と白を基調に和服と洋服を混ぜ合わせたような不思議な出で立ちだ

歳の頃はだいたい20代前半か、顔立ちはとても綺麗なバランスであるが中性的に観える


「…こちらだ」

私が、呆然と座り込んでいると、返答が無いと諦めたのか私の横を通り過ぎ歩き出した

そして、いつの間にか真っ暗だと思ってた空間に景色が観えた

周りは一面に緑と白の草原が広がっていた
しかし、その先の空間はやはり真っ暗でまるで宇宙空間にいるかのようだ

リーン リーン

あ。音の正体は美人さんの髪飾りだ、揺れると鳴るようだ

あの、頭に鈴ついてますよ

「………。」

尚も動かない私をまたも、無表情と無言の眼差しと圧力で見返り見ていてる

そういえばアオイちゃんに心の声がそのまま出ていることを指摘されたな

「…すみません」

とりあえず、謝っておこう
 
そして、またもや先に進んでいく美人さん…女の人なの?先ほどの声がやや低かったが男の人か?

「あ!待って下さい!」

置いて行かれそうだったので、慌てて美人さんの後を追った

「あ、あの!ここってどこですか?天国ですか?私死んじゃったんですか?私生き返りませんか!?」

取り敢えず、1人じゃない安心感と、この状況をどうにか出来ないのかという期待感で美人さんに縋る思いで問いかけた

アオイがこの場にいたなら、きっとアホな子並みの会話してるよモモ。とでも言ってそうだ

あぁ、友よ君が恋しいよ

美人さんはまたも足を止めてこちらを今度は全身で振り返ってくれた

そして、ゆったりと私の問いに答えてくれた

「…ここは時空の狭間だ。そして、貴女は薨御(こうぎょ)されていません」

「じくうのはざま?…こ、こうぎょ…?」

ヤバイ、日本語ガワカラナイ。だれかド○えもん連れて来て

「貴女は召されたのです。__テラに」

「………」

やっぱり、理解できない。どうしよう言葉が通じないのか。
なんだ、メサレルってやっぱり死んでんじゃん。
テラって誰よ。神様か。

「えっと…いろいろ突っ込みたいけど、取り敢えず元の場所に…学校には戻れないっすかね…?」

「………」

この必死の問いかけはスルーされたのか、美人さんはフッと眼を閉じ沈黙した

「…あのぉ~?」

「…刻限だ。行きなさい」

閉じていた眼を開き、まっすぐこちらに向かって杖の様なものを差して来た

え、いつの間に持ってたのソレ

その瞬間、足元に魔法陣だと思わしき大きな陣が光現れた。

身体がふわっと浮く そして、自分自身が白い光に包まれていく

「えええ!?ちょっと、メサレルってやっぱり天国ですかーーー!!?」

生まれてから17年間良い子でやってきたから、地獄はないはず。

ちょっと、おちゃめなイタズラはたくさんしたが。例えば、小学生の頃セミの抜け殻を弟の靴の中に入れて、それを知らず足を入れた弟が大泣きしてお母さんにバレてものすごい怒られた。ごめんなさい。

生きたカエルを手に同級生を追いかけ回したりもしたな。みんな泣いてた。これもものすごい怒られた。ごめんなさい。

薄れゆく意識の中、走馬灯の様に生まれてから今日までの出来事が頭の隅で駆け巡ったのである。

あれ、私ロクな事してない。どうしよう。地獄行きだわこれ。


お母様、お父様、生意気な弟様。先立つ不幸をお許し下さい。

白石モモは17歳の若さで天か地獄に召されました。































〈続〉












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