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3章:水無月神社
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石段を登りきり最後の鳥居をくぐると、いたって普通の神社が建っていた。玉垣がぐるりと囲み、しっかりと手入れされいる。建物は全体的に朱色だ。夕暮れに染まり存在感が際立っている。
入ってすぐに灯篭がある。右側にはお稲荷様の祠、左側には御輿庫がある。御輿庫の隣に手水舎、その少し横に神楽殿も見える。そして神楽殿の前に狛犬、向かい側には社務所がある。一際目をひくのは拝殿。雨女が言うにはその後ろに本殿があるそうだ。
参道を通り、まずは手水舎で手と口を清め、その後社務所に向かう。
「まずはここの神主に事情を説明してくるわね。あなた達は待っていて。鯉達はついて来てちょうだい」
雨女はそう言うと、鯉達を連れ社務所に入って行った。
何もすることがなく手持ち無沙汰になってしまう。少し他愛ない話をしていると、階段から誰かの話声が聞こえてきた。二人が様子をうかがうと、そこに現れたのは白と黒の兎耳の少年二人だった。少年達は仲良く話していたが、こちらの視線に気付くとそのまま駆け足でよってくる。
「うわー、久しぶりの向こうの人間だー」
「最近は境界が緩むことなかった、から、ね」
黒い兎耳の少年が間延びしたのんびり口調で言う。隣にいる白い兎耳の少年はこちらを観察するように螢と信乃を交互に見ていた。
興味津々といった様子を隠しきれていない兎耳の少年二人。螢と信乃は顔を見合わせると彼らに自己紹介と、軽く事情を説明した。
「なるほどー……、影と結びついちゃったんだね、おきのどくー」
「ご愁傷様、です。えと僕たちお盆の付喪神、です。僕は白兎」
「僕が黒兎だよー」
白兎、黒兎はそろってよろしくねと言いながらぺこりと同じタイミングで、可愛らしく頭をさげる。
彼等は左右対称で顔立ちや髪型がそっくりだった。白兎は白髪で左側の一房だけが長いショートカット、黒兎は黒髪で右側の一房だけが長いおそろいのショートカット。瞳はそろいの赤。身に着けているポンチョは色が白と黒との違いはあるものの柄は同じだ。
彼等は対の物だからお揃いであり、対でもあるとのこと。
「でもー、あの鯉達が戦えるなんて、白兎知ってたー?」
「ううん。まぁ彼等は戦闘好きって訳じゃない、から。そもそも此処の妖怪は戦闘なんてほとんどない、し」
「んーでもー、案外好戦的だよねー」
「そう、だね」
螢達に向き直り喧嘩は買っちゃいけないよ、と心配するように告げる。妖怪より好戦的な人間がいるらしい。しかし喧嘩を売ってくることはないそうだ。
「そこまで深い意味はないけどねー、ただ思ったことー……かも?」
どこか軽いが不安になる言葉だった。
入ってすぐに灯篭がある。右側にはお稲荷様の祠、左側には御輿庫がある。御輿庫の隣に手水舎、その少し横に神楽殿も見える。そして神楽殿の前に狛犬、向かい側には社務所がある。一際目をひくのは拝殿。雨女が言うにはその後ろに本殿があるそうだ。
参道を通り、まずは手水舎で手と口を清め、その後社務所に向かう。
「まずはここの神主に事情を説明してくるわね。あなた達は待っていて。鯉達はついて来てちょうだい」
雨女はそう言うと、鯉達を連れ社務所に入って行った。
何もすることがなく手持ち無沙汰になってしまう。少し他愛ない話をしていると、階段から誰かの話声が聞こえてきた。二人が様子をうかがうと、そこに現れたのは白と黒の兎耳の少年二人だった。少年達は仲良く話していたが、こちらの視線に気付くとそのまま駆け足でよってくる。
「うわー、久しぶりの向こうの人間だー」
「最近は境界が緩むことなかった、から、ね」
黒い兎耳の少年が間延びしたのんびり口調で言う。隣にいる白い兎耳の少年はこちらを観察するように螢と信乃を交互に見ていた。
興味津々といった様子を隠しきれていない兎耳の少年二人。螢と信乃は顔を見合わせると彼らに自己紹介と、軽く事情を説明した。
「なるほどー……、影と結びついちゃったんだね、おきのどくー」
「ご愁傷様、です。えと僕たちお盆の付喪神、です。僕は白兎」
「僕が黒兎だよー」
白兎、黒兎はそろってよろしくねと言いながらぺこりと同じタイミングで、可愛らしく頭をさげる。
彼等は左右対称で顔立ちや髪型がそっくりだった。白兎は白髪で左側の一房だけが長いショートカット、黒兎は黒髪で右側の一房だけが長いおそろいのショートカット。瞳はそろいの赤。身に着けているポンチョは色が白と黒との違いはあるものの柄は同じだ。
彼等は対の物だからお揃いであり、対でもあるとのこと。
「でもー、あの鯉達が戦えるなんて、白兎知ってたー?」
「ううん。まぁ彼等は戦闘好きって訳じゃない、から。そもそも此処の妖怪は戦闘なんてほとんどない、し」
「んーでもー、案外好戦的だよねー」
「そう、だね」
螢達に向き直り喧嘩は買っちゃいけないよ、と心配するように告げる。妖怪より好戦的な人間がいるらしい。しかし喧嘩を売ってくることはないそうだ。
「そこまで深い意味はないけどねー、ただ思ったことー……かも?」
どこか軽いが不安になる言葉だった。
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