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「ふぅー、」

 やっとのことで息を吐くことができたのは王太子殿下が帰宅してから2時間後のことだった。

 わたしは双殿下の帰宅後マーサさんによってお風呂にざぶんと突っ込まれ、今はふわふわとお風呂後特有ののぼせ具合を楽しんでいた。
 着せてもらったお洋服は水色の小花が愛らしい総柄ワンピース。

 うん、肌触りもわたし好み。

 このお屋敷に来てから、わたしはほとんど全ての服を買い直した。
 成人してから4年間、仕事着のドレスを季節ごとに1着ずつ買い直す以外に服を購入していなかったわたしのお洋服が、全て洗い晒しになっていて公爵夫人としての品位を損ねかねないものであったからだ。

 今着ているのは、このお屋敷に来てから購入した10着の緩め室内着のうちの1着。人前に出られるドレスは5着しか購入していないから、殿下方がまたお越しになるというのであれば、ドレスは買い足さなければならないだろう。

「夜会用のドレスも1着は購入しておくべきかと」
「………そうですね」

 わたしの思考を読んだようにアドバイスをくれたマーサさんに頷きながら、わたしは髪の水分を頭皮マッサージをしてもらいながら拭ってもらう。無駄に吸水性抜群なわたしの髪は、1度水に濡らすとなかなか乾かないから、今回も多分乾くまでにそこそこに時間を要するだろう。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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