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渋々頷いた俺は、ため息を吐きたいのを必死に我慢しながら、囚人服を着せられて麻の縄で縛った両腕を引っ張られて連れて行かれる宰相に小さな声で「ざまあみろ」と言った。暴れるたびに身体を殴られているようで、全身傷だらけな宰相は、正気を無くしたように泣き叫び、身体中をジタバタとさせている。
息子については昨日のうちに、俺がそれはそれは可愛がってやったのでもう原型も残っていない。甘いマスクのモテ男なんていう肩書はもともとなかったようなものにしてやった。夫人については去年病死したということだったが、宰相に執務室を漁った時に流行病に似た症状で人を殺せる毒が出てきたことから、多分夫人は殺されていたのだろう。
可哀想に。
………思ってもいないことを思ってやるのは疲れるな。
「………次に移るぞ、構わんか?エド」
「あぁ、構わない。兄上」
先程同様に紐に括られてやってくるのは簡素な服を纏ったウーデラハイト家の人間たち。ご子息のみ友好国に5年間留学中であるということもあって外された。まあ、連絡を取ることが不可能に近い距離の人間の暴挙を止められるわけがないし、元々この一族に問われる罪は分家筋に反逆者が出たのにも関わらず気づけなかったことだから、ご子息は必要ない。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
息子については昨日のうちに、俺がそれはそれは可愛がってやったのでもう原型も残っていない。甘いマスクのモテ男なんていう肩書はもともとなかったようなものにしてやった。夫人については去年病死したということだったが、宰相に執務室を漁った時に流行病に似た症状で人を殺せる毒が出てきたことから、多分夫人は殺されていたのだろう。
可哀想に。
………思ってもいないことを思ってやるのは疲れるな。
「………次に移るぞ、構わんか?エド」
「あぁ、構わない。兄上」
先程同様に紐に括られてやってくるのは簡素な服を纏ったウーデラハイト家の人間たち。ご子息のみ友好国に5年間留学中であるということもあって外された。まあ、連絡を取ることが不可能に近い距離の人間の暴挙を止められるわけがないし、元々この一族に問われる罪は分家筋に反逆者が出たのにも関わらず気づけなかったことだから、ご子息は必要ない。
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