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45 ハニトラの時間
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王子の激励をもらったアザリアは、自信満々に頷くと、王子を部屋から追い出すようにぐいぐいと彼の身体を押す。
「?」
「お茶会の時間まで時間がないので、さっさと出てってください」
「えぇー、見ても」
「ダメに決まっていますわ。レディーのお着替えは聖域ですもの」
彼を完璧に部屋から追い出したアザリアは、大仕事を終えたと言わんばかりに汗を拭う仕草をし、ドレスの箱を広げる。
赤、青、緑、黄色、水色、ピンク、白、黒、色とりどりのお花のようなドレスたちは自分の出番を今か今かと待ち侘びている。
ドレスたちを触って、撫でて、今日の気分に1番しっくりとくる緑のドレスを手に取ったアザリアは、自らの武器を身につける。
化粧を施し、いつものようにエメラルドのネックレスを身につけたアザリアは、金の縦に長い棒状でゆらゆらと大きく揺れるイヤリングと、繊細なチェーンが華奢な黄金のブレスレット、そして深緑のリボンを髪に結びつける。
ふっくらとした胸を押さえつけ、清楚感を醸し出すドレスを身につけたアザリアは鏡の前でくいっと口角を弄る。
すると、鏡の前には勝ち気な顔立ちなのにも関わらず、清楚で美しく、そして何より薄幸そうな少女が現れた。
(カンペキ)
ご機嫌そうに頷き、くるっとその場でターンしたアザリアは扉の方に向かう。
「さぁ、ハニトラのお時間よ」
男は惚れた女に対して格好をつけようとするために、少々お口が軽くなる。
だからこそ、アザリアの持つ美しさは男にこそ本領を発揮することができる。
国王と王子を手玉に取り情報を聞き出すこと、それはアザリアが最も得意とする分野なのだ。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「?」
「お茶会の時間まで時間がないので、さっさと出てってください」
「えぇー、見ても」
「ダメに決まっていますわ。レディーのお着替えは聖域ですもの」
彼を完璧に部屋から追い出したアザリアは、大仕事を終えたと言わんばかりに汗を拭う仕草をし、ドレスの箱を広げる。
赤、青、緑、黄色、水色、ピンク、白、黒、色とりどりのお花のようなドレスたちは自分の出番を今か今かと待ち侘びている。
ドレスたちを触って、撫でて、今日の気分に1番しっくりとくる緑のドレスを手に取ったアザリアは、自らの武器を身につける。
化粧を施し、いつものようにエメラルドのネックレスを身につけたアザリアは、金の縦に長い棒状でゆらゆらと大きく揺れるイヤリングと、繊細なチェーンが華奢な黄金のブレスレット、そして深緑のリボンを髪に結びつける。
ふっくらとした胸を押さえつけ、清楚感を醸し出すドレスを身につけたアザリアは鏡の前でくいっと口角を弄る。
すると、鏡の前には勝ち気な顔立ちなのにも関わらず、清楚で美しく、そして何より薄幸そうな少女が現れた。
(カンペキ)
ご機嫌そうに頷き、くるっとその場でターンしたアザリアは扉の方に向かう。
「さぁ、ハニトラのお時間よ」
男は惚れた女に対して格好をつけようとするために、少々お口が軽くなる。
だからこそ、アザリアの持つ美しさは男にこそ本領を発揮することができる。
国王と王子を手玉に取り情報を聞き出すこと、それはアザリアが最も得意とする分野なのだ。
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