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49 王家の秘密
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アザリアが心の中で勘弁してくれ~と叫んでいると、王子が1冊の本を抱きしめて戻ってきた。
視界の端に南京錠が見えたのは見なかったべきにするべきだろうか。それとも突っ込むべきだろうか。
うん、突っ込まない方向にしておこう。
「これは王家の家系図だ」
1ページ目を開くと、そこには初代国王と王妃さま、側妃さまのお名前とお顔の絵があった。
そして、それぞれのお子さまとその結婚相手、2人の間にできた子供。
全てがきっちりと示されている本は、多分、否、絶対に禁忌の本だ。
「まず初代王妃の実家が赤の一族であるのは当たり前として、そこからの家系図を見てくれ。
2代目の王が王妃の子供で、3代目の王は赤の一族の王妃をもらっている。
4代目は他家の王妃をもらっているが、側妃である赤の一族の娘が産んだ子供が5代目の王となっている。
そこからも代々赤の一族の娘、もしくは息子を1人は必ず迎え入れ、その子供が王となっているんだ」
「つまり、王家という名を持っているだけのクライシス家が、表から赤の一族である本物の王家を守ることにより、今の家系図が完成しているということですか?」
「そーいうことだ」
アザリアはあまりにも知ってはいけなかった事実を知り、頭痛と吐き気を覚えた。
「では、今代はどうなるのですか?赤の一族はもう………、」
「順当に行けば、あのクソ愚弟が王位を引き継いで終了だった」
「え、」
「あいつの母親はメイドだが、赤の一族の庶子の娘が産んだ子供だからな。俺と違い、裏の継承権を持っている」
背中につぅっと冷たいものが走った気がして、アザリアはゴクリと青くなった顔で唾を飲み込んだ。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
視界の端に南京錠が見えたのは見なかったべきにするべきだろうか。それとも突っ込むべきだろうか。
うん、突っ込まない方向にしておこう。
「これは王家の家系図だ」
1ページ目を開くと、そこには初代国王と王妃さま、側妃さまのお名前とお顔の絵があった。
そして、それぞれのお子さまとその結婚相手、2人の間にできた子供。
全てがきっちりと示されている本は、多分、否、絶対に禁忌の本だ。
「まず初代王妃の実家が赤の一族であるのは当たり前として、そこからの家系図を見てくれ。
2代目の王が王妃の子供で、3代目の王は赤の一族の王妃をもらっている。
4代目は他家の王妃をもらっているが、側妃である赤の一族の娘が産んだ子供が5代目の王となっている。
そこからも代々赤の一族の娘、もしくは息子を1人は必ず迎え入れ、その子供が王となっているんだ」
「つまり、王家という名を持っているだけのクライシス家が、表から赤の一族である本物の王家を守ることにより、今の家系図が完成しているということですか?」
「そーいうことだ」
アザリアはあまりにも知ってはいけなかった事実を知り、頭痛と吐き気を覚えた。
「では、今代はどうなるのですか?赤の一族はもう………、」
「順当に行けば、あのクソ愚弟が王位を引き継いで終了だった」
「え、」
「あいつの母親はメイドだが、赤の一族の庶子の娘が産んだ子供だからな。俺と違い、裏の継承権を持っている」
背中につぅっと冷たいものが走った気がして、アザリアはゴクリと青くなった顔で唾を飲み込んだ。
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