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番外編② (9)
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きらりと光るものを見つけた結菜は、長年すれ違ってきた父に、声を上げる。
「あ、………赤ちゃんが生まれたら、お名前の候補を一緒に考えてください」
「———、妊娠してたのか?」
「え………、」
てっきり知っているものだと思っていた結菜は、唐突に立ち止まり心配そうに結菜の周りをぐるぐると回った父に、目を白黒させた。
「ふむ、特に隊長の異常はなさそうだな。初産は比較的流産が多いから、気をつけて行動するように」
「は、はい………、」
今度こそ本当に去っていった父の毒気のなさに牙を抜かれてしまった結菜は、先にリムジンに乗り込んでいた陽翔の隣に座り、高くない天井を見上げる。
「わたし、今、とっても幸せです」
「そうか。これからはもっと幸せになれる」
「はい」
窓の外には紺碧に輝く美しい海が広がり、光を乱反射している。
まるで地面に宝石をばら撒いたかのような輝きを見つめながら、結菜は幸せいっぱいに微笑み、ふっと瞳を閉じる。
「愛してる」
陽翔の優しい声音と共に、結菜の柔らかいくちびるに彼の僅かにカサついたそれが重ねられる。
愛おしい暖かさに、心地よさに、結菜は頬を薔薇色に染め上げ、とろけるような微笑みを浮かべた。
「わたしも愛しています」
窓の外を見つめながら『何も聞こえないし、何も見えていません!!』と必死に存在を消している唯斗と小鳥遊は、けれど、幸せな2人に満足そうに笑みを浮かべるのだった。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
これにて番外編②『2人がどうやって結婚できたのか』も終了です!!
そして、ご依頼分の番外編も一旦終了いたしました(2023年11月1日現在)。
番外編のご依頼が再びこない限り、この作品はまた簡潔表示に戻させていただきます。
最後までお楽しみいただけましたでしょう?
少しでもこの作品が読者の皆さまの輝かしい日々に彩を添えることができていたら幸いです。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました😭
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「愛してる」
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愛おしい暖かさに、心地よさに、結菜は頬を薔薇色に染め上げ、とろけるような微笑みを浮かべた。
「わたしも愛しています」
窓の外を見つめながら『何も聞こえないし、何も見えていません!!』と必死に存在を消している唯斗と小鳥遊は、けれど、幸せな2人に満足そうに笑みを浮かべるのだった。
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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
これにて番外編②『2人がどうやって結婚できたのか』も終了です!!
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番外編のご依頼が再びこない限り、この作品はまた簡潔表示に戻させていただきます。
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