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Q.神様はいますか?
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Q.この世に神様はいますか?
A.かみさまなんていません。
だって、ぼくがずっとかみさまにお願いしても助けてくれなかった……それなら、この世にかみさまなんていない。
あの日までは、そう思っていた……。
ぼくはこの屋敷の人からナナシって呼ばれている。この家のご主人様の子どもらしいけど、めかけの子どもだって。けがれた血が混ざってるからこの家にふさわしくないっていつも、殴られたり蹴られたりしてる。
朝早く起きて家の掃除や庭の草抜きとかしてる。お客さんが来た時には納屋にずっといる。汚い子どもは見せられないって。今日はお客さんは来ないらしいから庭の草抜きをしてた。
「あら、やだわぁ……こんな所にゴミがいる!私の目に入らないところにやってちょうだい!」
この家のおくさまがぼくにそう言ってきた。
そばに居た執事やメイドが僕を連れていく。そのまま、ぼくを殴って納屋にもどした。
庭の草抜き終わってない……ごはんもらえない……
「い……たい……おな……か……すいた……なぁ……」
体が痛いから寝転んだまま体を丸める。お腹が空くのもこれでちょっとはがまんできる。
家の人はみんな、ぼくを見て、『汚い』『いなくなればいい』『邪魔』『役立たず』とか色々言ってくる。なるべく、目に入らないようにコソコソしてみてるけどやっぱり見つかっちゃう。1回逃げようともしてみたけど見つかって今以上におしおきされちゃった……いなくなればいいって言ってたのにね……
お父さんのはずのご主人様もぼくのことを見て見ぬふりをする。どうも、おくさまには逆らえないみたい。ぼくのお母さんがゆうわく?したから悪いんだって言ってるのを聞いたことがある。ゆうわくってなんだろう……でも、いい言葉じゃないんだろうなぁ……
だんだん、外が暗くなってきた……。納屋の小さな窓から外を見る……
少し前までは『かみさまたすけて』って思ってたけど最近はそんなこともおもわなくなった……だって……死ぬまでぼくはここにいるしかないんだから……
寝て起きて、殴られて蹴られて、また寝て起きて……のくりかえし。
あぁ……からだがいたい……くるしい……おなかすいた……からだを丸めていたその時なぜだか周りが明るくなった。
目を瞑っててもわかる明るさに目を開けると……急に熱を感じた。
周りが真っ赤だった……納屋が燃えてる……びっくりして体が動かない……あっしんじゃうって……おもって、ぼくはあわてて扉に向かった。
「たすけて……!!!たすけて!!!!!」
扉を押しても引いても開かない……手のひらが燃えるように熱い……
見てみると皮が剥がれている……でも不思議と痛みは感じない……
どうしよう……どうしよう……
そう思っていると、ガラガラっと壁が壊れた……壁の周りにも火があったけどそこから飛び出る。服に火がつく。何とか消そうと思って庭に転がる。
さらに体が痛い……
「なんだ……生きているのか……」
残念そうにこちらを見る男性と女性……たしか、ぼくのお兄さんとお姉さん。2人ともニヤニヤしている。
「何事なの!?」
屋敷から飛び出てきたおくさまとご主人様。
「ゴミを始末しようとしたんですが……生き残ってしまったようです……」
お兄さんは残念そうに。
「こんなゴミ、早く捨てるべきですわ!」
お姉さんは2人にそう伝える。
服もボロボロ、いろんなところを怪我をしているぼくを見て何時にもまして汚いものを見るかのような目で見る。
あぁ……ここはじごくなんだ……って……
納屋の火事は消化されたけど僕の住むところはなくなった。広い庭の隅っこ……そこがぼくの次の住む場所。
固まるぼくを執事やメイドが連れていった場所がそこだった。手当なんてされないまま、ポイって……
こんどこそ、死ぬんだなぁって……朝が来て、夜が来て……どのくらいだったかわからない。
体も痛いし、手も痛い……
このまま、死んじゃうんだろうなぁ……そんな考えも思い出せなくなってきた頃……
遠くの方で声が聞こえる……
なんだろうか……
でも、ぼくの耳にはもうほぼ何も聞こえない……
「おや……??こんな所に人……??」
すぐ近くに人の気配と、人の声……でも何だか落ち着く声……
こんな声が最後に聞けるなんて……
よかった……
A.かみさまなんていません。
だって、ぼくがずっとかみさまにお願いしても助けてくれなかった……それなら、この世にかみさまなんていない。
あの日までは、そう思っていた……。
ぼくはこの屋敷の人からナナシって呼ばれている。この家のご主人様の子どもらしいけど、めかけの子どもだって。けがれた血が混ざってるからこの家にふさわしくないっていつも、殴られたり蹴られたりしてる。
朝早く起きて家の掃除や庭の草抜きとかしてる。お客さんが来た時には納屋にずっといる。汚い子どもは見せられないって。今日はお客さんは来ないらしいから庭の草抜きをしてた。
「あら、やだわぁ……こんな所にゴミがいる!私の目に入らないところにやってちょうだい!」
この家のおくさまがぼくにそう言ってきた。
そばに居た執事やメイドが僕を連れていく。そのまま、ぼくを殴って納屋にもどした。
庭の草抜き終わってない……ごはんもらえない……
「い……たい……おな……か……すいた……なぁ……」
体が痛いから寝転んだまま体を丸める。お腹が空くのもこれでちょっとはがまんできる。
家の人はみんな、ぼくを見て、『汚い』『いなくなればいい』『邪魔』『役立たず』とか色々言ってくる。なるべく、目に入らないようにコソコソしてみてるけどやっぱり見つかっちゃう。1回逃げようともしてみたけど見つかって今以上におしおきされちゃった……いなくなればいいって言ってたのにね……
お父さんのはずのご主人様もぼくのことを見て見ぬふりをする。どうも、おくさまには逆らえないみたい。ぼくのお母さんがゆうわく?したから悪いんだって言ってるのを聞いたことがある。ゆうわくってなんだろう……でも、いい言葉じゃないんだろうなぁ……
だんだん、外が暗くなってきた……。納屋の小さな窓から外を見る……
少し前までは『かみさまたすけて』って思ってたけど最近はそんなこともおもわなくなった……だって……死ぬまでぼくはここにいるしかないんだから……
寝て起きて、殴られて蹴られて、また寝て起きて……のくりかえし。
あぁ……からだがいたい……くるしい……おなかすいた……からだを丸めていたその時なぜだか周りが明るくなった。
目を瞑っててもわかる明るさに目を開けると……急に熱を感じた。
周りが真っ赤だった……納屋が燃えてる……びっくりして体が動かない……あっしんじゃうって……おもって、ぼくはあわてて扉に向かった。
「たすけて……!!!たすけて!!!!!」
扉を押しても引いても開かない……手のひらが燃えるように熱い……
見てみると皮が剥がれている……でも不思議と痛みは感じない……
どうしよう……どうしよう……
そう思っていると、ガラガラっと壁が壊れた……壁の周りにも火があったけどそこから飛び出る。服に火がつく。何とか消そうと思って庭に転がる。
さらに体が痛い……
「なんだ……生きているのか……」
残念そうにこちらを見る男性と女性……たしか、ぼくのお兄さんとお姉さん。2人ともニヤニヤしている。
「何事なの!?」
屋敷から飛び出てきたおくさまとご主人様。
「ゴミを始末しようとしたんですが……生き残ってしまったようです……」
お兄さんは残念そうに。
「こんなゴミ、早く捨てるべきですわ!」
お姉さんは2人にそう伝える。
服もボロボロ、いろんなところを怪我をしているぼくを見て何時にもまして汚いものを見るかのような目で見る。
あぁ……ここはじごくなんだ……って……
納屋の火事は消化されたけど僕の住むところはなくなった。広い庭の隅っこ……そこがぼくの次の住む場所。
固まるぼくを執事やメイドが連れていった場所がそこだった。手当なんてされないまま、ポイって……
こんどこそ、死ぬんだなぁって……朝が来て、夜が来て……どのくらいだったかわからない。
体も痛いし、手も痛い……
このまま、死んじゃうんだろうなぁ……そんな考えも思い出せなくなってきた頃……
遠くの方で声が聞こえる……
なんだろうか……
でも、ぼくの耳にはもうほぼ何も聞こえない……
「おや……??こんな所に人……??」
すぐ近くに人の気配と、人の声……でも何だか落ち着く声……
こんな声が最後に聞けるなんて……
よかった……
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