雨のち晴れ

朔羅那弥

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出来損ないには……。

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この世界には、男女以外の性別がある。
α、β、Ωと言う3つの性別だ。
αはとにかく優勢種と言われており、頭脳明晰、運動神経抜群といわれ、何をやらせてもトップレベルのが出来ると言われている。政治家、研究者、五輪選手も大概αという。人口の15%しかいないとされている。

次にβ。基本的に人口の半数以上は、この種であり、平均並であり、普通の人間と言われている。

そして劣等種と言われるΩ。
この種は男女関係なく、妊娠が出来る。
3ヶ月に1回に発情期ヒートがあり、α、βを強烈なフェロモンで誘うとされ、自分の意思関係なく誘うため、見境なく誘うから、嫌われることが多い。

αとΩには運命の番というものがあるらしい。自分だけの魂の番というものが……。



-大学構内-

『また、椎名先輩が表彰されたらしいね』
『そりゃ、新薬に繋がる研究だろ?しかも、Ωのやつ。』
『それな。今はだいぶ良い薬出来ているって聞いたけどな。Ωの友達に。』
『副作用が一切無いやつらしいぞ。』
『あぁ、それなら貴重だよな。』
『椎名先輩って、αだろ?ホントすごいことをやるよな』

大学の中庭で休もうと歩いていたが、
どこかかしらで、俺の噂話が話のネタにされている。

-ほっといてくれ。ホントに。

俺がやっている研究は、Ωの抑制剤に繋がる研究だ。
医学は日々進化しており、ヒートを抑えることが出来ており、発情期でも通常の生活が送れるようになってきている。
だか、人によっては、副作用が強く出てしまい、ますます辛い思いをする場合もある。それをいかに無くすかが目下の課題でもある。

-あとは治験だな……。俺以外の人に試して欲しいけど、医大に連絡するか……。


色んな噂が出回っているが、事実は一つだけ。Ωの新薬を作っていることだけだ。

何か一つでも、秀でていると人々は必ずと言っていいほど、αと決めつける。

俺はαと噂されているが、実際は劣等種であるΩだ。Ωにも、優秀な人はいるのにな。

新薬に関しては自分の身体を使って、試している部分もある。
ホントは別の理由もあるが…。

-劣等種なんてなければ、誰も辛くならないのに…。

夢のまた夢みたいなことを思ってしまう。

両親ともにΩで、ずっと辛い思いをしていたのを知っている俺は、何とか辛くならないように、Ωが一人でも生きていける世界にしたくて、頑張っていた。

数ヶ月に1回必ず来る発情期を楽にしたかったのだ。

発情期になると、Ωはフェロモンを発し、α、βを惑わしてしまう。
自分の欲情を抑える為だけに……。
勿論相性もあるが、基本αは逆らえなくなることが多い。
発情期に項を噛まれると番となる。
Ωにとっては一生に一度しかなれない番に。
だから、慎重になりたくてもフェロモンのせいで番ってしまうことがある。
そんな事故、事件も未だにあるのだ。

Ωにとっての一生を、フェロモンで変わってしまう。

慎重に相手を選べるように、抑えられる方法を作れるなら、作りたくて、この研究をずっとしている。
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