雨のち晴れ

朔羅那弥

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出勤

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翌日

琉生伯父さんと共に、伯父の家から、
大学に向かう。
行先が一緒だから、伯父の車に乗せてもらう。

「透と一緒に出勤なんて、いつぶりかな?」

朝からちょっとテンションが高い伯父。

「別に、大学で会ってるんだから、テンションを上げないでくれる?」
「つれないなー。透は。同じ家から出勤っていうのがいいのに。僕の息子はツンデレだな。」
「…ただの甥だろ。昔から息子扱いだよね。」
「大事な家族だもの。こんな可愛い子をほっておくなんて僕には無理だね。ホント、弟は自分の事ばかりで困るよね。」
「琉生伯父さんって、父さんには厳しいよね。昔から。なんで?」

基本、人には優しい伯父であり、番相手にはもっと優しい人だ。
でも、俺の父さんに関しては厳しい。

「…昔は仲良かったし、可愛い弟だったさ。でも、君の母さんに出会ったことで、弟は変わってしまったのさ。愛する人を見つけたことは悪いことではないよ。ただ、限度ってものが人にあるんだよ。弟は周りが見えなくなってしまった。彼を愛することだけが、生きる糧になった…。あながち間違ったとは言えないけど、君という宝物まで見失っていた。それが僕の中で許せるものじゃなかっただけだよ。」
「…そんなに酷い扱いはされてないよ。父さんなりに愛してくれてたよ。」
「…透。当時の君はね、ネグレクトに近かったこと、分かってる?もっと早くに気づけば良かったと未だに後悔しているんだよ。」
「…父さんの中に、俺という存在が母さんが居なくなったことで消えただけだよ。母さんと一緒にじゃなきゃ、存在意味は無かったんだよ。」

愛されていたと思う…。ただ、父さんは俺を通して母さんを愛してるだけ、母さんという存在が無いと、父さんの中には残らなかっただけだ。
父さんは母さんしか要らなかったんだよ。

「…透が生まれた時は、とても嬉しかったのと、愛しいという感情が芽生えたんだよ。僕は、蓮と出会うまでは、結婚願望も、番を持つ願望も無かった人間だ。研究さえ出来れば、そんな存在を作る意味も無かったしね。弟に子どもが出来たと知った時は、どうする気なんだろうって思ってたさ。弟はずっと実家に頼りっぱなしだったしね。でも、たまたま君を見たら、この愛しい存在を守らなければならないと感じたのを今でも覚えてるよ」
「ホント、ロマンチストだね。琉生伯父さん。」
「弟に君の世話をさせて欲しいと言ったけどね。発情期の時期しか預からせてもらえなかったね。まぁ、君の母さんには若干嫌われてたしね。」
「嫌われてたの?琉生伯父さん。」
「そりゃ、自分の子をαに取られると思ってたんだろうからね。Ωだから尚更警戒してた可能性もある。僕はαだけど、君の母さんのフェロモンは苦手なものだったし、弟のはもっと合わなかったのを覚えているよ。」
「へぇー、やっぱり相性があるんだね。」
「血縁関係にα、Ωが両方いる時は、絶対相性が合わないようになっているとも言われてるしね。近親婚にならないように言われているからね。」
「近親婚になると、どちらか一方の性しか生まれなくなるってやつか。」
「そうだね。一昔前は当たり前だったらしいけどね、そのせいでαもΩも極端に減ったらしいからね。」
「βだけの世界でも良さそうだけどな。」
「うーん、一概には言えないな。こればかりは難しい問題になるからね。」

そんなやり取りをしつつ、互いの仕事場に向かった。
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