雨のち晴れ

朔羅那弥

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恋は……。

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『恋』

この性別バースがある以上、避けられないものだろう。

根本は子孫繁栄だろうけど、きっとΩの存在意味はαを作り出す為の器しかない。
αとΩの掛け合わせだと高確率でαが産まれる。確率はほぼ100%らしいが。

だから、αに効きやすいフェロモンがΩにはある。

それが出ない欠陥品の俺には…

「…神宮寺さん、俺は貴方と恋はしません。」

悩んだがハッキリ伝える。じゃないとこの人に失礼だ。

「…理由を聞いても?」

フラれた、寂しげな顔をする神宮寺さん。

「…貴方に相応しくないからです。それに俺は欠陥品だからです。だから、今の研究が出来るんです。」

「…欠陥品だから、俺とは付き合えないと?」

「…多分秘書の小鳥遊さんから聞いているとは思いますが、俺はΩです。」

「…それは聞いてました。Ωだからダメなー」

「Ωだからダメでなく、Ωとして欠陥品だからです。」

「…Ωの欠陥品…とは?」

「…俺はフェロモンが出ない体質なんです。それに発情期ヒートも軽いから、ほぼβと変わらないです。もしかしたら、子どもも産めない可能性が大いにあるんです。貴方は神宮寺グループの副社長、いずれは跡継ぎをと期待される立場でしょう?そんな方との恋愛はハードルが高すぎます。自分には背負いきれないものです。」

自分の体質を知り合って間もない人に言うのは初めてだ。
でも、今後も仕事で会うことが増えるであろうこの人には、きちんと伝えないと何故か思った…..。

俺の説明を聞いた神宮寺さんは、
不思議そうな顔をしていた。

「…それって、ホントなんですか?」

「それとは?」

「フェロモンが出ない体質」

「病院で、何度検査しています。毎回同じ結果で、フェロモンが出ていないと言われてます。」

「…こんなことを言うのは、変に思われるかも知れませんが、初めてお会いした時からずっといい匂いだなと感じてました。」

「はっい??」

「安心できるホッとするいい匂いを椎名さんから出ているのを感じてます。」


安心できる匂い…
それは相性がいいとされているもの。
でも、それは……。

「…ホントに俺からですか?周りに人はいましたし。」

「初めてお会いした時、教授と貴方、俺と小鳥遊の4人だけです。あの部屋には花など無かった。」

そう言われるとぐぅのねも出ない。

「…俺は貴方のフェロモンを感じた時に貴方しかいないと思った。だから、今日会いに来ました。貴方を知りたかったからです。貴方です。」

真剣な目に言葉につまる。

ホントだろうか……。
欠陥品の俺が、恋をしていいのか….。
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