27 / 35
幕間9
しおりを挟む
「居たか?」
「いや。」
「くそっ、俺としたことが……。」
ジュリアスは、廊下の角でストラウスを見つけると安否を尋ねてきた。
しかし、目的の人物が見つかっていないとわかると、苛立たし気に舌打ちしてきたのだった。
彼等は、いつの間にか居なくなってしまったヴィヴィアーナを探していた。
今回の夜会で、エバンスが何か企んでいるという情報を聞きつけ、ストラウスとジュリアスは裏で彼を見張っていたのだが。
エバンスを見張る事に気を向け過ぎていた彼等は、ヴィヴィアーナが会場から居なくなっていた事に気付くのが遅れてしまったのであった。
そして、彼女を探すジュリアス達を嘲笑うかのように、エバンスまでもが姿をくらませてしまったのであった。
その事実に慌てる二人。
「きっと、あいつが何処かへ連れて行ったんだ。くそっ、どいつもこいつも碌でもない事ばっかり考えやがって!ヴィ―に、もしもの事があったら……。」
己の不甲斐無さを嘆く婚約者を、ストラウスが苛立たし気に遮ってきた。
「反省するのは後にしてくれ。今はヴィヴィを探すのが先だよ。」
「わかっているさ!」
珍しく苛立つ二人。
「あと先日、お灸を据えた筈の令息達の姿を見かけたという情報も先程入ってきた。」
「なんだと!?」
ストラウスの報告に、ジュリアスが血相を変える。
「時間が無い、僕は向こうを探してくる。」
「わかった。」
そう言い合い、この場を離れようとした時、ジュリアスの部下が慌てた様子で近付いてきたのであった。
「……本当か!?」
ジュリアスは部下の報告に、いつもよりも険しい顔で聞き返す。
「はい…休憩室へ行く姿を見たと言う情報がありました。」
部下はそんな上司に、若干逃げ腰になりながらも真剣な顔で頷いてきたのであった。
「そうか。ストラウス、ヴィ―は一番奥の部屋だ!」
「わかった、急ごう!!」
ジュリアスは、ストラウスにヴィヴィアーナの居場所を伝えると、急いで向かったのであった。
「いや。」
「くそっ、俺としたことが……。」
ジュリアスは、廊下の角でストラウスを見つけると安否を尋ねてきた。
しかし、目的の人物が見つかっていないとわかると、苛立たし気に舌打ちしてきたのだった。
彼等は、いつの間にか居なくなってしまったヴィヴィアーナを探していた。
今回の夜会で、エバンスが何か企んでいるという情報を聞きつけ、ストラウスとジュリアスは裏で彼を見張っていたのだが。
エバンスを見張る事に気を向け過ぎていた彼等は、ヴィヴィアーナが会場から居なくなっていた事に気付くのが遅れてしまったのであった。
そして、彼女を探すジュリアス達を嘲笑うかのように、エバンスまでもが姿をくらませてしまったのであった。
その事実に慌てる二人。
「きっと、あいつが何処かへ連れて行ったんだ。くそっ、どいつもこいつも碌でもない事ばっかり考えやがって!ヴィ―に、もしもの事があったら……。」
己の不甲斐無さを嘆く婚約者を、ストラウスが苛立たし気に遮ってきた。
「反省するのは後にしてくれ。今はヴィヴィを探すのが先だよ。」
「わかっているさ!」
珍しく苛立つ二人。
「あと先日、お灸を据えた筈の令息達の姿を見かけたという情報も先程入ってきた。」
「なんだと!?」
ストラウスの報告に、ジュリアスが血相を変える。
「時間が無い、僕は向こうを探してくる。」
「わかった。」
そう言い合い、この場を離れようとした時、ジュリアスの部下が慌てた様子で近付いてきたのであった。
「……本当か!?」
ジュリアスは部下の報告に、いつもよりも険しい顔で聞き返す。
「はい…休憩室へ行く姿を見たと言う情報がありました。」
部下はそんな上司に、若干逃げ腰になりながらも真剣な顔で頷いてきたのであった。
「そうか。ストラウス、ヴィ―は一番奥の部屋だ!」
「わかった、急ごう!!」
ジュリアスは、ストラウスにヴィヴィアーナの居場所を伝えると、急いで向かったのであった。
10
あなたにおすすめの小説
冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。
14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。
やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。
女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー
★短編ですが長編に変更可能です。
婚約破棄、ありがとうございます
奈井
恋愛
小さい頃に婚約して10年がたち私たちはお互い16歳。来年、結婚する為の準備が着々と進む中、婚約破棄を言い渡されました。でも、私は安堵しております。嘘を突き通すのは辛いから。傷物になってしまったので、誰も寄って来ない事をこれ幸いに一生1人で、幼い恋心と一緒に過ごしてまいります。
断罪中に前世の記憶を取り戻したヒロインは逆ハー回避に奔走する
浅海 景
恋愛
平民のジェシカは断罪の最中、不意に前世を思い出した。
(こ、これは断罪シーンじゃない!!)
しかもジェシカはいつの間にか令息を攻略している逆ハーレムのヒロイン的ポジションだったのだ。だが容姿端麗な男たちを侍らす趣味も、優雅な貴族令嬢になりたいという願望もない。
前世の記憶を取り戻したことで、客観的に物事を考えられるようになったジェシカは、自分のしたことの責任を取ろうとするのだが――。
勇者様がお望みなのはどうやら王女様ではないようです
ララ
恋愛
大好きな幼馴染で恋人のアレン。
彼は5年ほど前に神託によって勇者に選ばれた。
先日、ようやく魔王討伐を終えて帰ってきた。
帰還を祝うパーティーで見た彼は以前よりもさらにかっこよく、魅力的になっていた。
ずっと待ってた。
帰ってくるって言った言葉を信じて。
あの日のプロポーズを信じて。
でも帰ってきた彼からはなんの連絡もない。
それどころか街中勇者と王女の密やかな恋の話で大盛り上がり。
なんで‥‥どうして?
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件
よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます
「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」
旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。
彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。
しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。
フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。
だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。
私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。
さて……誰に相談したら良いだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる