オネエな幼馴染と男嫌いな私

麻竹

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幕間9

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「居たか?」

「いや。」

「くそっ、俺としたことが……。」

ジュリアスは、廊下の角でストラウスを見つけると安否を尋ねてきた。
しかし、目的の人物が見つかっていないとわかると、苛立たし気に舌打ちしてきたのだった。
彼等は、いつの間にか居なくなってしまったヴィヴィアーナを探していた。

今回の夜会で、エバンスが何か企んでいるという情報を聞きつけ、ストラウスとジュリアスは裏で彼を見張っていたのだが。
エバンスを見張る事に気を向け過ぎていた彼等は、ヴィヴィアーナが会場から居なくなっていた事に気付くのが遅れてしまったのであった。
そして、彼女を探すジュリアス達を嘲笑うかのように、エバンスまでもが姿をくらませてしまったのであった。
その事実に慌てる二人。

「きっと、あいつが何処かへ連れて行ったんだ。くそっ、どいつもこいつも碌でもない事ばっかり考えやがって!ヴィ―に、もしもの事があったら……。」

己の不甲斐無さを嘆く婚約者を、ストラウスが苛立たし気に遮ってきた。

「反省するのは後にしてくれ。今はヴィヴィを探すのが先だよ。」

「わかっているさ!」

珍しく苛立つ二人。

「あと先日、お灸を据えた筈の令息達の姿を見かけたという情報も先程入ってきた。」

「なんだと!?」

ストラウスの報告に、ジュリアスが血相を変える。

「時間が無い、僕は向こうを探してくる。」

「わかった。」

そう言い合い、この場を離れようとした時、ジュリアスの部下が慌てた様子で近付いてきたのであった。





「……本当か!?」

ジュリアスは部下の報告に、いつもよりも険しい顔で聞き返す。

「はい…休憩室ゲストルームへ行く姿を見たと言う情報がありました。」

部下はそんな上司に、若干逃げ腰になりながらも真剣な顔で頷いてきたのであった。

「そうか。ストラウス、ヴィ―は一番奥の部屋だ!」

「わかった、急ごう!!」

ジュリアスは、ストラウスにヴィヴィアーナの居場所を伝えると、急いで向かったのであった。
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