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第一章【出会い編】
37.お姫様を護るのは騎士の役目だそうです
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「これで少しは時間稼ぎになるぞ走れ!」
アランの声にマクレーンは走る。
しかし少し走った辺りで背後から怒り狂った盗賊たちの罵声が聞こえてきた。
「まてこの野郎ども!」
「八つ裂きにしてやる!!」
振り返ると怒りで目をぎらぎらさせながら手に斧や剣を持って追いかけてくる姿が見えた。
「くっそ~タフな奴らだなぁ。」
アランが振り返りながら舌打ちする。
森を抜ければ街がある、そこには警備兵がいるのでそこまで辿り着ければいい。
しかし――。
「んな!?」
辿り着いたそこは――行き止まりだった。
どうやら盗賊を撒く為に獣道を使ったのが災いしたらしい。
暗闇のせいで方向を間違えてしまったようだ。
辿り着いたその場所は、大きな滝壷のある崖の手前だった。
目の前には轟々と勢い良く流れ落ちる滝。
飲まれたらひとたまりもないだろう。
担いでいたニコルを下ろし振り返ると盗賊たちが追いついてきてしまっていた。
「もう逃がさねえぞ!」
「覚悟しろ!!」
悪役特有の決まり文句を言いながら盗賊たちがにやりと笑う。
アランがマクレーン達を庇うように前へ一歩出る。
「ほお、二枚目気取りかよ。」
「生意気なヤツだ。」
タイミング良く雲が晴れ月明かりに照らし出されたアランを見て盗賊達が忌々しそうに舌打ちしてきた。
「お姫様を守るのは騎士の役目ってね。」
「アランさんここにはお姫様はいません、王子様ならいますけど。」
「気分だ気分!堅い事言うなよ。」
マクレーンがジト目で背後の金髪碧眼をチラ見しながらツッコミを入れると、アランはがくっと肩を落として「雰囲気が~」と嘆いた。
「真面目にやってください。」
おちゃらける元傭兵にマクレーンが叱咤する。
本当にふざけている場合ではないのだ。
一触即発のこの空気の中、軽口が言えるアランはある意味大物なのだろうけど。
時と場所を選んで欲しいとマクレーンは内心溜息を吐く。
「二人で漫才やってんじゃねーー!!」
先に動いたのは盗賊の方だった。
二人の遣り取りに痺れを切らせた盗賊は怒りも露わに切りかかってきた。
アランは腰の剣を引き抜くと相手の剣を正面から受け止める。
ぎりぎりと剣と剣が擦れ合い火花を散らす。
マクレーンも護身用に持っていた短剣で応戦した。
盗賊が振り下ろした斧を短剣で受け止めたが、その重みで潰されそうになる。
なんとか凌いで振り払うが先程の衝撃で痺れたのか手の感覚が無かった。
短剣では不利だ、それにこのままではいずれ盗賊の仲間達が追いついて来てしまうだろう。
マクレーンが打開策はないかと考えていると後ろの方から悲鳴が聞こえてきた。
振り返るとニコルが盗賊たちに襲われていた。
「ニコルさん。」
マクレーンは走り出し、ニコルの腕を掴んでいる盗賊に体当たりした。
「この野郎!!」
盗賊はよろめいただけで大したダメージは無かったのか物凄い形相でマクレーンを睨みつけてきた。
そして持っていた棍棒をマクレーンに振りかざしてきた。
フルスイングで繰り出された棍棒の威力は凄まじく小さなマクレーンの体は軽々と吹き飛び運悪く滝壷へと落ちていった。
アランの声にマクレーンは走る。
しかし少し走った辺りで背後から怒り狂った盗賊たちの罵声が聞こえてきた。
「まてこの野郎ども!」
「八つ裂きにしてやる!!」
振り返ると怒りで目をぎらぎらさせながら手に斧や剣を持って追いかけてくる姿が見えた。
「くっそ~タフな奴らだなぁ。」
アランが振り返りながら舌打ちする。
森を抜ければ街がある、そこには警備兵がいるのでそこまで辿り着ければいい。
しかし――。
「んな!?」
辿り着いたそこは――行き止まりだった。
どうやら盗賊を撒く為に獣道を使ったのが災いしたらしい。
暗闇のせいで方向を間違えてしまったようだ。
辿り着いたその場所は、大きな滝壷のある崖の手前だった。
目の前には轟々と勢い良く流れ落ちる滝。
飲まれたらひとたまりもないだろう。
担いでいたニコルを下ろし振り返ると盗賊たちが追いついてきてしまっていた。
「もう逃がさねえぞ!」
「覚悟しろ!!」
悪役特有の決まり文句を言いながら盗賊たちがにやりと笑う。
アランがマクレーン達を庇うように前へ一歩出る。
「ほお、二枚目気取りかよ。」
「生意気なヤツだ。」
タイミング良く雲が晴れ月明かりに照らし出されたアランを見て盗賊達が忌々しそうに舌打ちしてきた。
「お姫様を守るのは騎士の役目ってね。」
「アランさんここにはお姫様はいません、王子様ならいますけど。」
「気分だ気分!堅い事言うなよ。」
マクレーンがジト目で背後の金髪碧眼をチラ見しながらツッコミを入れると、アランはがくっと肩を落として「雰囲気が~」と嘆いた。
「真面目にやってください。」
おちゃらける元傭兵にマクレーンが叱咤する。
本当にふざけている場合ではないのだ。
一触即発のこの空気の中、軽口が言えるアランはある意味大物なのだろうけど。
時と場所を選んで欲しいとマクレーンは内心溜息を吐く。
「二人で漫才やってんじゃねーー!!」
先に動いたのは盗賊の方だった。
二人の遣り取りに痺れを切らせた盗賊は怒りも露わに切りかかってきた。
アランは腰の剣を引き抜くと相手の剣を正面から受け止める。
ぎりぎりと剣と剣が擦れ合い火花を散らす。
マクレーンも護身用に持っていた短剣で応戦した。
盗賊が振り下ろした斧を短剣で受け止めたが、その重みで潰されそうになる。
なんとか凌いで振り払うが先程の衝撃で痺れたのか手の感覚が無かった。
短剣では不利だ、それにこのままではいずれ盗賊の仲間達が追いついて来てしまうだろう。
マクレーンが打開策はないかと考えていると後ろの方から悲鳴が聞こえてきた。
振り返るとニコルが盗賊たちに襲われていた。
「ニコルさん。」
マクレーンは走り出し、ニコルの腕を掴んでいる盗賊に体当たりした。
「この野郎!!」
盗賊はよろめいただけで大したダメージは無かったのか物凄い形相でマクレーンを睨みつけてきた。
そして持っていた棍棒をマクレーンに振りかざしてきた。
フルスイングで繰り出された棍棒の威力は凄まじく小さなマクレーンの体は軽々と吹き飛び運悪く滝壷へと落ちていった。
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