83 / 93
第一章【出会い編】
59.バラックでは一攫千金が狙えるらしいです
しおりを挟む
採掘場の中は以外にも明るかった。
光の魔石が通路の壁の所々に設置されている為、思ったよりも歩くのに支障はなかった。
しかも空気も以外と澄んでいる事に驚いた。
風の魔石もどこかで使っているのだろう、時折涼しい風が通路の中を通っていった。
中の様子に感心していると、近くで壁を掘っていた鉱夫が声をかけてきた。
「よう新入りか?」
「いえ、僕たちはちょっと見学に来ただけです。」
「ああそうだったのか、ここの採掘場所を見た感想は?」
マクレーンの返事に鉱夫は悪戯な笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「想像していたのよりだいぶ居心地いいですね。」
今度はニコルが答える。
「そりゃあそうさ!」
その言葉に鉱夫は嬉しそうににかりと笑いながら頷いた。
「ここはなんてったって”大地の魔女様”が目を光らせてるからなぁ、上の人間達の暮らしには口を出さないが、こと地面に関しちゃおっかねえんだ!下手なことしたら怒られちまわぁ!」
鉱夫は笑顔こそ崩しはしなかったがそう言いながらぶるりと震えてみせた。
「なるほど、大地の魔女が監視してたら変な事はできないよなぁ。」
「おうよ!兄ちゃんわかってくれるか!」
アランがうんうんと納得したように頷くと鉱夫は眉根を下げて同意を求めてきた。
そりゃ当たり前だ。
なんてったって『大地の魔女』が相手では、いかに荒くれ者で凶悪な人間だろうと、大人しくなってしまうだろう。
大地の魔女とは、世界を統べる四人の魔女たちの母親だ。
その力は強大で、娘達を遥かに凌駕すると云われている。
四人の魔女達が生まれる前までは、彼女が四つの大地を統治していたのだ。
子供達が生まれると、大地の魔女はウイッチブレイクに引っ込み、亀裂と浮島を見守るようになったという。
そんな魔女が目を光らせているこの場所で、粗相などできよう筈もない。
採掘場所の拡張も治安も維持にも気を抜けないというものだ。
そんな事情をマクレーン達は理解すると「ご愁傷様」と胸中で手を合わせるのだった。
「他には……おっ、闘技場もあるぞ!」
採掘場所から地上に帰って来たマクレーン達に、アランはガイドブックを目で追いながら嬉しそうに言ってきた。
気のせいか先程よりも、瞳が期待でキラキラしているように見える。
マクレーンは若干げんなりしつつ、アランに視線を合わせた。
「なっ、なっ、行ってみようぜ!!」
物凄く行ってみたいらしい……。
お一人でどうぞ、と言いかけたマクレーンにアランは捨てられた子犬のような眼差しを向けてきた。
――その視線は反則じゃないかなぁ……。
マクレーンは頬を引き攣らせながら内心で抗議する。
垂れた耳と尻尾が見えてきそうな勢いでアランのおねだり攻撃が続いていた。
「闘技場か~、はぁ……面白そうだなぁ。」
ちらっちらっと年上の筈の自称傭兵がこちらの様子を窺ってくる。
近くを通った女性が頬を染めながらこちらを振り返っていた。
なまじ顔の良い男がやると絵になるから腹立たしい。
マクレーンは眉間に皺を寄せていると、隣にいたニコルが「行ってあげましょうよ」と降参してきた。
2対1。
完全に分が悪い。
マクレーンが渋々承諾すると、アランはパアアと輝くばかりの笑顔を披露したのであった。
光の魔石が通路の壁の所々に設置されている為、思ったよりも歩くのに支障はなかった。
しかも空気も以外と澄んでいる事に驚いた。
風の魔石もどこかで使っているのだろう、時折涼しい風が通路の中を通っていった。
中の様子に感心していると、近くで壁を掘っていた鉱夫が声をかけてきた。
「よう新入りか?」
「いえ、僕たちはちょっと見学に来ただけです。」
「ああそうだったのか、ここの採掘場所を見た感想は?」
マクレーンの返事に鉱夫は悪戯な笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「想像していたのよりだいぶ居心地いいですね。」
今度はニコルが答える。
「そりゃあそうさ!」
その言葉に鉱夫は嬉しそうににかりと笑いながら頷いた。
「ここはなんてったって”大地の魔女様”が目を光らせてるからなぁ、上の人間達の暮らしには口を出さないが、こと地面に関しちゃおっかねえんだ!下手なことしたら怒られちまわぁ!」
鉱夫は笑顔こそ崩しはしなかったがそう言いながらぶるりと震えてみせた。
「なるほど、大地の魔女が監視してたら変な事はできないよなぁ。」
「おうよ!兄ちゃんわかってくれるか!」
アランがうんうんと納得したように頷くと鉱夫は眉根を下げて同意を求めてきた。
そりゃ当たり前だ。
なんてったって『大地の魔女』が相手では、いかに荒くれ者で凶悪な人間だろうと、大人しくなってしまうだろう。
大地の魔女とは、世界を統べる四人の魔女たちの母親だ。
その力は強大で、娘達を遥かに凌駕すると云われている。
四人の魔女達が生まれる前までは、彼女が四つの大地を統治していたのだ。
子供達が生まれると、大地の魔女はウイッチブレイクに引っ込み、亀裂と浮島を見守るようになったという。
そんな魔女が目を光らせているこの場所で、粗相などできよう筈もない。
採掘場所の拡張も治安も維持にも気を抜けないというものだ。
そんな事情をマクレーン達は理解すると「ご愁傷様」と胸中で手を合わせるのだった。
「他には……おっ、闘技場もあるぞ!」
採掘場所から地上に帰って来たマクレーン達に、アランはガイドブックを目で追いながら嬉しそうに言ってきた。
気のせいか先程よりも、瞳が期待でキラキラしているように見える。
マクレーンは若干げんなりしつつ、アランに視線を合わせた。
「なっ、なっ、行ってみようぜ!!」
物凄く行ってみたいらしい……。
お一人でどうぞ、と言いかけたマクレーンにアランは捨てられた子犬のような眼差しを向けてきた。
――その視線は反則じゃないかなぁ……。
マクレーンは頬を引き攣らせながら内心で抗議する。
垂れた耳と尻尾が見えてきそうな勢いでアランのおねだり攻撃が続いていた。
「闘技場か~、はぁ……面白そうだなぁ。」
ちらっちらっと年上の筈の自称傭兵がこちらの様子を窺ってくる。
近くを通った女性が頬を染めながらこちらを振り返っていた。
なまじ顔の良い男がやると絵になるから腹立たしい。
マクレーンは眉間に皺を寄せていると、隣にいたニコルが「行ってあげましょうよ」と降参してきた。
2対1。
完全に分が悪い。
マクレーンが渋々承諾すると、アランはパアアと輝くばかりの笑顔を披露したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる