12 / 93
第二章【旅路編】
12.金髪碧眼さん再来
しおりを挟む
「お待ちしていました!」
マクレーン達はカーラ山を下山して、すぐに首都ベルジャラに向かった。
そして、転柱門のある教会の建物の前に辿り着いたマクレーン達を、ここに居る筈のない二コルが出迎えたのであった。
「ニ、ニコルさん、確か北の魔女の城に帰ったんじゃ?」
「はい、ちゃんと帰りましたよ!でも、あの後また、北の魔女様からお遣いを頼まれたんです!」
驚愕するマクレーンの質問に、二コルはにこにこと笑顔を向けて答えてきた。
「お、二コルもお遣い頼まれたのか?奇遇だな、俺たちもマクレーンの姉ちゃん達に、おつかいを頼まれてるんだ。」
二コルの言葉に、反応したアランが嬉しそうに話しかけてきた。
「ええ、そうですね……て、違った。そうなんですか~、いやぁ~奇遇ですね~、アランさん達のおつかいは、どちらまで行かれるんですか?」
二コルは何故か、もごもごと口の中で言った後、そう取り繕ってきた。
そんな二コルとアランの遣り取りを、遠巻きに見ていたマクレーンは、何故か苦い顔をしている。
それには気づかず、アランは二コルの質問に軽快に答えてきた。
「ああ、今から北の大地に行くところだ。あんたは何処に行くんだ?」
「え、もう!?あ、いえ……ぼ、僕もこれから北の大地の方へ戻って、お遣いを遂行しようかと……。」
あはははは~と何故か冷や汗を流しながら、そう言ってくる二コルに、アランは笑顔になった。
「おっ、それなら俺たちと一緒に行くか?」
「え、いいんですか!?」
アランの言葉に、二コルは瞳を輝かせて見上げてきた。
「ちょっ、アランさん!!」
またしても勝手に話を進めていくアランに、マクレーンが慌てて声をかける。
「いいじゃないか、二コルも一人で旅をするんじゃ物騒だしなぁ?」
そう言って二コルに同意を求めると、案の定彼から「是非に!」と懇願されてしまった。
「マクレーンさん、お願いします!僕、一人じゃ心細かったんです!!」
そう言って、瞳をうるうるさせながら、祈るようにお願いしてくる二コルに、マクレーンはジト目になった。
わかってて、やってるくせに!!
マクレーンは、胸中で毒吐く。
あざとい二コルに、マクレーンは溜息を吐きながらも承諾するのであった。
また、北の大地へと転移してきたマクレーン達は、相変わらず清々しい笑顔で出迎えてくれる教会の対応を受けながら、とりあえず首都キャセロで情報収集を始めた。
「なあ、銀針鼠のねぐらに行けば良いだけじゃないのか?」
目的地へ向かっている途中、ふとアランが聞いてきた。
「それはそうなんですけど、銀針鼠は住処を移動する習性があるので、一ヵ所にいないんですよ。しかも、今は繁殖期で、ペアになる相手を探すために、各地に移動しているそうなので。」
「ふ~ん、なるほどね。それで、ここで情報収集するわけか。」
「その通りです。」
そう言って、アランとマクレーンが見上げた場所は、ギルドの看板が掲げられた建物だった。
「ではこちらが、最新のクエスト表です。」
「ありがとうございます。」
ギルドの若い受付嬢からクエスト一覧表を受け取ると、マクレーンは愛想良くお礼を言ってカウンターを後にした。
そして、ギルド内の休憩所で待っていたアランの元へ行くと、テーブルの上に先程受け取ったクエスト表を開いて見せてきた。
「とりあえず、これが最近あったクエストだそうです。」
「ふ~ん。」
アランは物珍しそうに、クエスト表を手に取って眺める。
「結構、いっぱいあるんだな。」
「ええ、ここ数ヶ月で銀針鼠の捕獲依頼は増えてるみたいですね。」
「なあ、本当にやるのか?」
マクレーンの話を聞きながら、アランが聞いてきた。
「まあ、冒険者の方に依頼してしまった方が楽ですけど、それだと意外に時間がかかるみたいなので。だったら自分たちでやってしまった方が早いですからね。」
「なるほど……。でも俺、こういうのやった事ないんだけど。」
「え、そうなんですか?」
アランの言葉に、マクレーンは驚いた顔をした。
てっきり、アランはこういった冒険者紛いのような事もしていると思っていたのだが、彼はどうやらギルドには来たことが無いそうだ。
過去にやっていた傭兵の仕事は、直接その村の村長や町の領主に掛け合って仕事を取っていたらしい。
「ギルドに来れば、いちいち依頼主と契約しなくても楽だったのに珍しいですね。」
「ま、まあな。ほ、ほら、いちいちギルドに登録するの面倒くさかったし、できれば短期で稼げるやつが良かったからな。」
直接交渉の方がてっとり早いんだよ、と説明するアランに、そういう方法もあるかとマクレーンは深く考えずに素直に頷いた。
「まあ、今回もギルドには登録する気はありませんし、このクエスト表だって銀針鼠の場所の特定と、依頼場所とあまり被らないようにするために必要だっただけですから。」
マクレーンがそう説明すると、アランは何故かほっとしたような表情になった。
「そ、そうか、ならいいんだ。じゃあ、さっさとその鼠を探してこようぜ。」
「鼠じゃなくて銀針鼠ですからね。」
「はいはい。」
そう言い合いながら、マクレーンとアランはギルドを後にしたのだった。
「おい、あれって……。」
「ああ、間違いない。」
マクレーン達の出て行ったあと――
ギルドの片隅で、フードを被った数人の男たちが、こそこそと密談する姿があった。
マクレーン達はカーラ山を下山して、すぐに首都ベルジャラに向かった。
そして、転柱門のある教会の建物の前に辿り着いたマクレーン達を、ここに居る筈のない二コルが出迎えたのであった。
「ニ、ニコルさん、確か北の魔女の城に帰ったんじゃ?」
「はい、ちゃんと帰りましたよ!でも、あの後また、北の魔女様からお遣いを頼まれたんです!」
驚愕するマクレーンの質問に、二コルはにこにこと笑顔を向けて答えてきた。
「お、二コルもお遣い頼まれたのか?奇遇だな、俺たちもマクレーンの姉ちゃん達に、おつかいを頼まれてるんだ。」
二コルの言葉に、反応したアランが嬉しそうに話しかけてきた。
「ええ、そうですね……て、違った。そうなんですか~、いやぁ~奇遇ですね~、アランさん達のおつかいは、どちらまで行かれるんですか?」
二コルは何故か、もごもごと口の中で言った後、そう取り繕ってきた。
そんな二コルとアランの遣り取りを、遠巻きに見ていたマクレーンは、何故か苦い顔をしている。
それには気づかず、アランは二コルの質問に軽快に答えてきた。
「ああ、今から北の大地に行くところだ。あんたは何処に行くんだ?」
「え、もう!?あ、いえ……ぼ、僕もこれから北の大地の方へ戻って、お遣いを遂行しようかと……。」
あはははは~と何故か冷や汗を流しながら、そう言ってくる二コルに、アランは笑顔になった。
「おっ、それなら俺たちと一緒に行くか?」
「え、いいんですか!?」
アランの言葉に、二コルは瞳を輝かせて見上げてきた。
「ちょっ、アランさん!!」
またしても勝手に話を進めていくアランに、マクレーンが慌てて声をかける。
「いいじゃないか、二コルも一人で旅をするんじゃ物騒だしなぁ?」
そう言って二コルに同意を求めると、案の定彼から「是非に!」と懇願されてしまった。
「マクレーンさん、お願いします!僕、一人じゃ心細かったんです!!」
そう言って、瞳をうるうるさせながら、祈るようにお願いしてくる二コルに、マクレーンはジト目になった。
わかってて、やってるくせに!!
マクレーンは、胸中で毒吐く。
あざとい二コルに、マクレーンは溜息を吐きながらも承諾するのであった。
また、北の大地へと転移してきたマクレーン達は、相変わらず清々しい笑顔で出迎えてくれる教会の対応を受けながら、とりあえず首都キャセロで情報収集を始めた。
「なあ、銀針鼠のねぐらに行けば良いだけじゃないのか?」
目的地へ向かっている途中、ふとアランが聞いてきた。
「それはそうなんですけど、銀針鼠は住処を移動する習性があるので、一ヵ所にいないんですよ。しかも、今は繁殖期で、ペアになる相手を探すために、各地に移動しているそうなので。」
「ふ~ん、なるほどね。それで、ここで情報収集するわけか。」
「その通りです。」
そう言って、アランとマクレーンが見上げた場所は、ギルドの看板が掲げられた建物だった。
「ではこちらが、最新のクエスト表です。」
「ありがとうございます。」
ギルドの若い受付嬢からクエスト一覧表を受け取ると、マクレーンは愛想良くお礼を言ってカウンターを後にした。
そして、ギルド内の休憩所で待っていたアランの元へ行くと、テーブルの上に先程受け取ったクエスト表を開いて見せてきた。
「とりあえず、これが最近あったクエストだそうです。」
「ふ~ん。」
アランは物珍しそうに、クエスト表を手に取って眺める。
「結構、いっぱいあるんだな。」
「ええ、ここ数ヶ月で銀針鼠の捕獲依頼は増えてるみたいですね。」
「なあ、本当にやるのか?」
マクレーンの話を聞きながら、アランが聞いてきた。
「まあ、冒険者の方に依頼してしまった方が楽ですけど、それだと意外に時間がかかるみたいなので。だったら自分たちでやってしまった方が早いですからね。」
「なるほど……。でも俺、こういうのやった事ないんだけど。」
「え、そうなんですか?」
アランの言葉に、マクレーンは驚いた顔をした。
てっきり、アランはこういった冒険者紛いのような事もしていると思っていたのだが、彼はどうやらギルドには来たことが無いそうだ。
過去にやっていた傭兵の仕事は、直接その村の村長や町の領主に掛け合って仕事を取っていたらしい。
「ギルドに来れば、いちいち依頼主と契約しなくても楽だったのに珍しいですね。」
「ま、まあな。ほ、ほら、いちいちギルドに登録するの面倒くさかったし、できれば短期で稼げるやつが良かったからな。」
直接交渉の方がてっとり早いんだよ、と説明するアランに、そういう方法もあるかとマクレーンは深く考えずに素直に頷いた。
「まあ、今回もギルドには登録する気はありませんし、このクエスト表だって銀針鼠の場所の特定と、依頼場所とあまり被らないようにするために必要だっただけですから。」
マクレーンがそう説明すると、アランは何故かほっとしたような表情になった。
「そ、そうか、ならいいんだ。じゃあ、さっさとその鼠を探してこようぜ。」
「鼠じゃなくて銀針鼠ですからね。」
「はいはい。」
そう言い合いながら、マクレーンとアランはギルドを後にしたのだった。
「おい、あれって……。」
「ああ、間違いない。」
マクレーン達の出て行ったあと――
ギルドの片隅で、フードを被った数人の男たちが、こそこそと密談する姿があった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる