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5月
第七話「美化委員会の活動でゴミ拾い」
「美化委員会集合~!」
月曜日の放課後、体育館裏に集められたのは俺を含む十数名。
顧問の先生が「地域清掃を始めます!」と号令をかける。
美化委員に選ばれるのはほぼボランティア志望者やこういったことを苦に思わない人ばかりなのでみんな文句も言わずに箒とちりとりを持って集まってきた。
「それじゃあ担当区域を選んでゴミを集めてくれ」
先生の指示と共に委員たちは三々五々散っていく。
俺はわざと人の少ない校舎裏を選んだ。
正直言ってこういう時は一人の方が楽だ。
袋片手にゴミを拾いながら考える。
ここ数日で自分の環境が激変しすぎている。
平凡な日々に慣れすぎていてどう対応すべきか分からない。
「……」
一人になった途端、白石さんと千春のことが頭をよぎる。
二人とも妙に俺に構ってくる……どう接すればいいんだろう?
今まで恋人どころか友人もいなかったからなぁ。ありえないと思っていたことが何故か今になって迫ってきている。
まるで潮の満ち引きのように確実に接近してくる何か……もしかして本当に脈ありなのだろうか?
(いや、無いな。今は作業に集中だ……)
そう自分に言い聞かせてゴミを集め始めた。タバコの吸い殻がアスファルトの隙間に溜まっている。校舎内だけど、もしかして教師の中にポイ捨てしてるやつでもいるのか?
しゃがみ込むとズボンの裾を引っ掛けてしまい危うく転びそうになる。
「よいしょ……」
独り言を言いながら腰を伸ばす。
今日は平和に過ごせるといいけど……そう思っていると、教室の窓が一つ空いているのに目がいった。
あれは、美術室だ。
微かに筆を洗う水音が聞こえる。
もしかして誰か居るのか?
ゴミを集めながら考えてしまう。
たしかうちの美術部は部員が少なく、存続が危ぶまれていたはずだ。
廃部寸前だと噂を聞いたことがある。
美術室にいる生徒……もしかして最後の部員だろうか。
とりあえず美化活動に専念しよう。
地面に落ちた紙屑や菓子袋を次々と回収していく。
■
夕暮れ時。
ゴミ袋がパンパンになった頃、ようやく作業が終了した。
教室に戻ると他の委員たちも同じような量を集めている。
「お疲れ様でした~!」
解散となり、俺は鞄を取りに教室へ向かった。
すると丁度美術室の前を通りかかる。
あれだけ熱心に作業していた誰かはもう帰ったのだろうか。
何気なくドアに手をかけてみると鍵がかかっていない。
中に入ると西日が差し込んだアトリエのような空間が広がる。
壁には完成した作品がいくつか飾られている。
キャンバスには鮮やかな色彩が塗られていた。
誰もいない部屋に一人立ち尽くすと不思議な気分になる。
ここの主は一体どんな人物なのだろう?
(まあ、俺には関係ないことか……)
そう思って振り返ろうとしたその時だった。
「君は……誰?」
突然背後から声が聞こえた。
驚いて振り返るとそこには—
銀色の髪を持つ美しい少女が立っていた。
「あ……すみません勝手に入って!」
慌てて謝罪する。しかし少女はただじっとこちらを見つめている。
まるで何かを観察するように。
「良いかも……」
ぼそりと呟く。
「え?」
「君の目……とても興味深いわ」
少女はそう言うとニヤリと笑った。身を乗り出し俺の瞳を覗き込む。
(え……どういうこと?)
「私の名前は冬月凛。あなたは?」
「山田拓海です……あの、美術部?」
「ええ。残念ながら部員は私一人ね」
凛とした声で淡々と答える彼女に気圧される。
そして、ペタペタと身体を触って検分してくる。
「あ……あの!何を……」
「モデルになってくれない?」
そう言って突然抱きついてきた。
細い腕が腰に回され体温が伝わってくる。
「え……!?」
衝撃的な出来事に硬直していると凛はさらに顔を近づけてきた。
「いいわよね?」
甘い声で囁かれ息を呑む。
拒否権はないらしい。
月曜日の放課後、体育館裏に集められたのは俺を含む十数名。
顧問の先生が「地域清掃を始めます!」と号令をかける。
美化委員に選ばれるのはほぼボランティア志望者やこういったことを苦に思わない人ばかりなのでみんな文句も言わずに箒とちりとりを持って集まってきた。
「それじゃあ担当区域を選んでゴミを集めてくれ」
先生の指示と共に委員たちは三々五々散っていく。
俺はわざと人の少ない校舎裏を選んだ。
正直言ってこういう時は一人の方が楽だ。
袋片手にゴミを拾いながら考える。
ここ数日で自分の環境が激変しすぎている。
平凡な日々に慣れすぎていてどう対応すべきか分からない。
「……」
一人になった途端、白石さんと千春のことが頭をよぎる。
二人とも妙に俺に構ってくる……どう接すればいいんだろう?
今まで恋人どころか友人もいなかったからなぁ。ありえないと思っていたことが何故か今になって迫ってきている。
まるで潮の満ち引きのように確実に接近してくる何か……もしかして本当に脈ありなのだろうか?
(いや、無いな。今は作業に集中だ……)
そう自分に言い聞かせてゴミを集め始めた。タバコの吸い殻がアスファルトの隙間に溜まっている。校舎内だけど、もしかして教師の中にポイ捨てしてるやつでもいるのか?
しゃがみ込むとズボンの裾を引っ掛けてしまい危うく転びそうになる。
「よいしょ……」
独り言を言いながら腰を伸ばす。
今日は平和に過ごせるといいけど……そう思っていると、教室の窓が一つ空いているのに目がいった。
あれは、美術室だ。
微かに筆を洗う水音が聞こえる。
もしかして誰か居るのか?
ゴミを集めながら考えてしまう。
たしかうちの美術部は部員が少なく、存続が危ぶまれていたはずだ。
廃部寸前だと噂を聞いたことがある。
美術室にいる生徒……もしかして最後の部員だろうか。
とりあえず美化活動に専念しよう。
地面に落ちた紙屑や菓子袋を次々と回収していく。
■
夕暮れ時。
ゴミ袋がパンパンになった頃、ようやく作業が終了した。
教室に戻ると他の委員たちも同じような量を集めている。
「お疲れ様でした~!」
解散となり、俺は鞄を取りに教室へ向かった。
すると丁度美術室の前を通りかかる。
あれだけ熱心に作業していた誰かはもう帰ったのだろうか。
何気なくドアに手をかけてみると鍵がかかっていない。
中に入ると西日が差し込んだアトリエのような空間が広がる。
壁には完成した作品がいくつか飾られている。
キャンバスには鮮やかな色彩が塗られていた。
誰もいない部屋に一人立ち尽くすと不思議な気分になる。
ここの主は一体どんな人物なのだろう?
(まあ、俺には関係ないことか……)
そう思って振り返ろうとしたその時だった。
「君は……誰?」
突然背後から声が聞こえた。
驚いて振り返るとそこには—
銀色の髪を持つ美しい少女が立っていた。
「あ……すみません勝手に入って!」
慌てて謝罪する。しかし少女はただじっとこちらを見つめている。
まるで何かを観察するように。
「良いかも……」
ぼそりと呟く。
「え?」
「君の目……とても興味深いわ」
少女はそう言うとニヤリと笑った。身を乗り出し俺の瞳を覗き込む。
(え……どういうこと?)
「私の名前は冬月凛。あなたは?」
「山田拓海です……あの、美術部?」
「ええ。残念ながら部員は私一人ね」
凛とした声で淡々と答える彼女に気圧される。
そして、ペタペタと身体を触って検分してくる。
「あ……あの!何を……」
「モデルになってくれない?」
そう言って突然抱きついてきた。
細い腕が腰に回され体温が伝わってくる。
「え……!?」
衝撃的な出来事に硬直していると凛はさらに顔を近づけてきた。
「いいわよね?」
甘い声で囁かれ息を呑む。
拒否権はないらしい。
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