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6月
第十一話「嵐のような梅雨」
六月に入り、雨模様の日が増えた。朝から降ったりやんだりで気温も安定せず、生徒たちのテンションも低めだ。
そんな憂鬱な一日の終わりを迎えようとしていた放課後、千春に呼び止められた。
「拓海、今日一緒に帰らない?」
「え?ああ……いいけど」
特に用事もないしなと思い返事をする。ただ今日は最悪なことに傘を忘れてしまった。朝は晴れていたので完全に油断していたのだ。
昇降口に着くと千春は自分の折りたたみ傘を取り出す。ピンク色で花柄の可愛い傘だ。
「ほら、入って。濡れちゃうよ」
「でも……サイズ小さくない?」
「二人なら十分でしょ?」
確かに二人で入れないわけではない。肩が触れそうなほどだが千春は気にしていないようだ。
「山田君」
呼ばれて振り返ると、傘を持った白石さんが立っていた。
「こんなところで立ち止まって、傘でも忘れましたか?」
「あ、はい……」
核心を突かれて苦笑いするしかない。
「だったら一緒に……」
「大丈夫ですよ白石さん、拓海は私の傘に一緒に入れますから」
千春が割り込んでくる。なんだか妙な緊張感だ。
「佐藤さんの傘はどうやらは折り畳み傘のようですが」
「それでも二人くらい入れますよね」
白石さんはふぅと息を吐く。
「私の傘なら十分なスペースがありますよ」
「でも拓海は私の幼馴染ですし」
なんとも奇妙な展開だ。二人の間に火花が散っているように見える。錯覚だよね?
「入れてもギリギリ濡れてしまいます。山田君を濡らすつもりですか?」
「うっ!」
「と、いうわけです」
白石さんは傘を傾けて俺の方へ寄せる。サイズは大きいけどやはり男子高校生が入ると多少窮屈だ。千春は不満げな視線を向けてくる。
「濡れないようにもっとこっち来てください」
「う、うん……」
言われるままに身体を寄せると肩が触れ合う。
「大丈夫ですか?肩濡れてないません?」
「……ちょっと濡れてるけど大丈夫」
「駄目です。濡れると風邪を引きます」
「そこまで気を使わなくても……」
「私が気にしていますから」
白石さんは更に密着してきた。腕と腕が触れ合う。
こうして雨の通学路をゆっくり歩くのは初めての経験だった。
周りの景色がぼやけて見えるのは雨粒が反射しているからか。それとも自分の気持ちが乱れているからなのか。
しばらく歩くと千春が追いついてきた。自分の折り畳み傘をさしていてムスッとしている。
二人の視線が交錯し空気が重くなる。俺はどうすればいいんだ?
その時、俺の肩を叩く手があった。
振り返ると冬月凛がいた。彼女は巨大な透明ビニール傘をさしていた。
「面白そうなことしてるね。私も仲間に入れて」
突然の参入に全員が驚く。
凛は無頓着に傘を持ち上げてみせる。
「四人で歩こ?」
三人揃ってため息をつく。
■
「ここが山田君の家?」
「うん、わざわざありがとう」
凛は駅で別れたけど白石さんは結局俺の家まで来てしまった。千春は最後まで不機嫌顔で隣の佐藤家に入っていった。
「くしゅんっ!」
白石さんがくしゃみをした。
「やっぱり濡れたんだよね。ごめん」
「いえ……これは山田君のせいではありません」
そうは言うけど、彼女は結構濡れていた。それは俺も同じだ。結局一つの傘で2人はきついんだ。
今後は忘れずに傘を必ず持ってこよう。
「白石さん……良かったら、うちでシャワー浴びていく?風邪ひいたら大変だし」
「!!」
言ってから後悔した。女子に言うセリフじゃないなコレ。下心丸出しだ。
「あ~、ごめん。デリカシーなかったよね」
慌てて訂正しようとすると白石さんは俯いてしまった。怒ってる?嫌われた?
「……分かりました」
意外な返事が返ってくる。
「え?」
「ではお言葉に甘えて」
俺の方が焦ってしまった。本当に大丈夫なのか。
「お邪魔します……」
玄関に入るなり白石さんは靴を綺麗に揃える。育ちの良さが垣間見える。
「あ、親は留守だからリラックスして」
「あ、ありがとうございます……」
リビングに通してタオルを渡す。白石さんは遠慮がちに受け取った。
「シャワーはこっち」
風呂場へ案内する途中、彼女の白い太腿が水気でテカテカしていて思わず目を逸らしてしまう。濡れた衣服が身体に張り付いてラインがくっきりと見て取れる。
駄目だ落ち着け。
「あ、着替えは……」
「シャツでもいただければ結構です」
「じゃあ……俺のでよければ。濡れた服は乾燥機に……」
と言ったところで、白石さんが制服のブレザーを脱ぎだした。
濡れているから当然脱ぐのだけど、突然の行動に頭が追いつかない。ブラウス越しに透けた下着が見えてしまい呼吸困難になりそうだ。
「山田君」
「な、何?!」
「見ます……?」
上目遣いで俺を見つめてくる。意地悪そうな笑みを浮かべている。その瞳には妖艶な光が宿っている。
鼓動が急速に高まる。喉がカラカラに乾いた気がする。
白石さんはシャツのボタンを一つずつ外していく。俺の視線を楽しむように。
徐々に露わになる雪のように白い肌。胸元の膨らみに沿った布地の歪み。
「どうしますか?」
挑発的な問いかけ。俺の理性は限界を超えそうになっていた。
そして俺は逃げるように脱衣所を後にした。危険だ……これ以上の視覚情報は精神崩壊を引き起こす!
廊下で壁に背中を預け荒い呼吸を整える。
今起きたことは夢なのか?白石さんがあんな風に大胆になるとは予想外だった。
何より自分の身体反応に戸惑う。下半身の血流が増加して服の内側で明らかに形状が変わっている。これを見て白石さんに気付かれたらどうするんだ……!
「あんな姿を見せられたら誰でも反応するよ……」
そんな独り言を漏らしながら心拍数を鎮める努力をする。
しかし女性の裸体……しかも美少女の姿を想像すれば自然な生理反応なのだが対処法がわからない。
スマホでエロサイトでも探せば収まるんだろうけど今はそういう状況じゃないしな……
十分ほどして落ち着きを取り戻した頃を見計らって脱衣所に戻ると、浴室からはシャワーの音が響いていた。
薄いドア一枚隔てた向こう側には全裸の白石さんがいる……と思うとまた血流が再活性化しそうになる。
慌ててドアから離れ台所へ向かう。
落ち着け。コーヒーでも淹れて飲もう。カフェインでリフレッシュするんだ。
俺はキッチンの戸棚を開けインスタントコーヒーを探す。茶色い粉末の瓶を見つけ熱湯を注ぎ淹れる。
香ばしい香りが鼻腔を刺激し少し気分が安らいだ気がする。
リビングのドアが開く。シャワーは終了したようだ。
彼女は俺のTシャツを着ている。サイズが大きめなのでワンピース状態だ。裾からは白くて細い足が伸びている。
「山田君……」
消え入りそうな声。シャワーを浴びて火照った肌。赤らんだ頬。上目使いの潤んだ瞳。
彼女は乾かしたがまだ少し濡れた前髪を片手で押さえつつこちらを見上げてきた。
そんな仕草だけで理性を粉砕しようとするのは止めていただきたい!!
「コーヒー……飲む?」
「……頂きます」
ソファに腰掛けた白石さんは両手でコーヒーカップを包み込むように持ち上げる。湯気の向こうに浮かぶ伏し目がちの横顔。
普段は知的で冷静な印象を与える彼女が今日は妙に女の子っぽく感じる。
いや実際に女の子なんだけどさ。
「山田君」
「ん?」
「山田くん……」
白石さんはコーヒーの入ったカップをテーブルに置いて、身体を寄せてくる。横で、寄りからは少し正面を向いてだ。
シャツの胸元から鎖骨が見えそうだし肩もかなり露出している。谷間も見えている。
男性陣なら思わずガン見してしまうであろう危険な魅力だ。
「な、何?」
顔を近づけてくる白石さん。長い睫毛が震えている。唇の赤みが鮮やかに映える。
なんだかいい匂いがしてきて鼻孔を刺激する。シャンプーと体臭が混ざった香水のような芳香だ。
俺は息を呑んだ。
白石さんの右手が俺の太腿に乗せられる。ひんやりとした指先の感触。
左手は俺の襟元を掴んでいる。
「こういう時は……どうするべきですか?」
困惑気味の微笑みがさらに俺の心拍数を上げる。
「ど、どうって……」
「濡れた身体をシャワーで温めて、下着も付けていない恰好で異性の前にいます。この後はどんな展開になるのでしょうか?」
挑発的な質問と共に身を寄せてくる。シャツ一枚越しに感じる体温と柔らかさ。
もう無理だ……我慢できないかもしれない……!
心臓の鼓動が耳元で鳴り響く。
その時、スマホが震えた。
画面には"佐藤千春"の文字。着信だ。
タイミング悪すぎる!いや良すぎる!
白石さんも俺のスマホ画面に気づいたようだ。
しばし無言の攻防が続いた後、白石さんは深く溜め息をつくと身体を離した。
「またの機会にしましょう」
安堵と後悔の入り混じる複雑な心境だった。
千春からの電話に出てみると不機嫌そうな声が聞こえる。
その後、服が乾燥したころには雨も上がっていた。
「また、学園で」
玄関先で振り返る白石さんは、さっきまでの大胆さを微塵も感じさせない冷涼な雰囲気を取り戻していた。
「う、うん……また……」
ガチャリと閉まるドアの音と共に嵐のような訪問が終わった。
雨上がりの夜空には雲間から星が顔を出していた。
そんな憂鬱な一日の終わりを迎えようとしていた放課後、千春に呼び止められた。
「拓海、今日一緒に帰らない?」
「え?ああ……いいけど」
特に用事もないしなと思い返事をする。ただ今日は最悪なことに傘を忘れてしまった。朝は晴れていたので完全に油断していたのだ。
昇降口に着くと千春は自分の折りたたみ傘を取り出す。ピンク色で花柄の可愛い傘だ。
「ほら、入って。濡れちゃうよ」
「でも……サイズ小さくない?」
「二人なら十分でしょ?」
確かに二人で入れないわけではない。肩が触れそうなほどだが千春は気にしていないようだ。
「山田君」
呼ばれて振り返ると、傘を持った白石さんが立っていた。
「こんなところで立ち止まって、傘でも忘れましたか?」
「あ、はい……」
核心を突かれて苦笑いするしかない。
「だったら一緒に……」
「大丈夫ですよ白石さん、拓海は私の傘に一緒に入れますから」
千春が割り込んでくる。なんだか妙な緊張感だ。
「佐藤さんの傘はどうやらは折り畳み傘のようですが」
「それでも二人くらい入れますよね」
白石さんはふぅと息を吐く。
「私の傘なら十分なスペースがありますよ」
「でも拓海は私の幼馴染ですし」
なんとも奇妙な展開だ。二人の間に火花が散っているように見える。錯覚だよね?
「入れてもギリギリ濡れてしまいます。山田君を濡らすつもりですか?」
「うっ!」
「と、いうわけです」
白石さんは傘を傾けて俺の方へ寄せる。サイズは大きいけどやはり男子高校生が入ると多少窮屈だ。千春は不満げな視線を向けてくる。
「濡れないようにもっとこっち来てください」
「う、うん……」
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「大丈夫ですか?肩濡れてないません?」
「……ちょっと濡れてるけど大丈夫」
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「そこまで気を使わなくても……」
「私が気にしていますから」
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しばらく歩くと千春が追いついてきた。自分の折り畳み傘をさしていてムスッとしている。
二人の視線が交錯し空気が重くなる。俺はどうすればいいんだ?
その時、俺の肩を叩く手があった。
振り返ると冬月凛がいた。彼女は巨大な透明ビニール傘をさしていた。
「面白そうなことしてるね。私も仲間に入れて」
突然の参入に全員が驚く。
凛は無頓着に傘を持ち上げてみせる。
「四人で歩こ?」
三人揃ってため息をつく。
■
「ここが山田君の家?」
「うん、わざわざありがとう」
凛は駅で別れたけど白石さんは結局俺の家まで来てしまった。千春は最後まで不機嫌顔で隣の佐藤家に入っていった。
「くしゅんっ!」
白石さんがくしゃみをした。
「やっぱり濡れたんだよね。ごめん」
「いえ……これは山田君のせいではありません」
そうは言うけど、彼女は結構濡れていた。それは俺も同じだ。結局一つの傘で2人はきついんだ。
今後は忘れずに傘を必ず持ってこよう。
「白石さん……良かったら、うちでシャワー浴びていく?風邪ひいたら大変だし」
「!!」
言ってから後悔した。女子に言うセリフじゃないなコレ。下心丸出しだ。
「あ~、ごめん。デリカシーなかったよね」
慌てて訂正しようとすると白石さんは俯いてしまった。怒ってる?嫌われた?
「……分かりました」
意外な返事が返ってくる。
「え?」
「ではお言葉に甘えて」
俺の方が焦ってしまった。本当に大丈夫なのか。
「お邪魔します……」
玄関に入るなり白石さんは靴を綺麗に揃える。育ちの良さが垣間見える。
「あ、親は留守だからリラックスして」
「あ、ありがとうございます……」
リビングに通してタオルを渡す。白石さんは遠慮がちに受け取った。
「シャワーはこっち」
風呂場へ案内する途中、彼女の白い太腿が水気でテカテカしていて思わず目を逸らしてしまう。濡れた衣服が身体に張り付いてラインがくっきりと見て取れる。
駄目だ落ち着け。
「あ、着替えは……」
「シャツでもいただければ結構です」
「じゃあ……俺のでよければ。濡れた服は乾燥機に……」
と言ったところで、白石さんが制服のブレザーを脱ぎだした。
濡れているから当然脱ぐのだけど、突然の行動に頭が追いつかない。ブラウス越しに透けた下着が見えてしまい呼吸困難になりそうだ。
「山田君」
「な、何?!」
「見ます……?」
上目遣いで俺を見つめてくる。意地悪そうな笑みを浮かべている。その瞳には妖艶な光が宿っている。
鼓動が急速に高まる。喉がカラカラに乾いた気がする。
白石さんはシャツのボタンを一つずつ外していく。俺の視線を楽しむように。
徐々に露わになる雪のように白い肌。胸元の膨らみに沿った布地の歪み。
「どうしますか?」
挑発的な問いかけ。俺の理性は限界を超えそうになっていた。
そして俺は逃げるように脱衣所を後にした。危険だ……これ以上の視覚情報は精神崩壊を引き起こす!
廊下で壁に背中を預け荒い呼吸を整える。
今起きたことは夢なのか?白石さんがあんな風に大胆になるとは予想外だった。
何より自分の身体反応に戸惑う。下半身の血流が増加して服の内側で明らかに形状が変わっている。これを見て白石さんに気付かれたらどうするんだ……!
「あんな姿を見せられたら誰でも反応するよ……」
そんな独り言を漏らしながら心拍数を鎮める努力をする。
しかし女性の裸体……しかも美少女の姿を想像すれば自然な生理反応なのだが対処法がわからない。
スマホでエロサイトでも探せば収まるんだろうけど今はそういう状況じゃないしな……
十分ほどして落ち着きを取り戻した頃を見計らって脱衣所に戻ると、浴室からはシャワーの音が響いていた。
薄いドア一枚隔てた向こう側には全裸の白石さんがいる……と思うとまた血流が再活性化しそうになる。
慌ててドアから離れ台所へ向かう。
落ち着け。コーヒーでも淹れて飲もう。カフェインでリフレッシュするんだ。
俺はキッチンの戸棚を開けインスタントコーヒーを探す。茶色い粉末の瓶を見つけ熱湯を注ぎ淹れる。
香ばしい香りが鼻腔を刺激し少し気分が安らいだ気がする。
リビングのドアが開く。シャワーは終了したようだ。
彼女は俺のTシャツを着ている。サイズが大きめなのでワンピース状態だ。裾からは白くて細い足が伸びている。
「山田君……」
消え入りそうな声。シャワーを浴びて火照った肌。赤らんだ頬。上目使いの潤んだ瞳。
彼女は乾かしたがまだ少し濡れた前髪を片手で押さえつつこちらを見上げてきた。
そんな仕草だけで理性を粉砕しようとするのは止めていただきたい!!
「コーヒー……飲む?」
「……頂きます」
ソファに腰掛けた白石さんは両手でコーヒーカップを包み込むように持ち上げる。湯気の向こうに浮かぶ伏し目がちの横顔。
普段は知的で冷静な印象を与える彼女が今日は妙に女の子っぽく感じる。
いや実際に女の子なんだけどさ。
「山田君」
「ん?」
「山田くん……」
白石さんはコーヒーの入ったカップをテーブルに置いて、身体を寄せてくる。横で、寄りからは少し正面を向いてだ。
シャツの胸元から鎖骨が見えそうだし肩もかなり露出している。谷間も見えている。
男性陣なら思わずガン見してしまうであろう危険な魅力だ。
「な、何?」
顔を近づけてくる白石さん。長い睫毛が震えている。唇の赤みが鮮やかに映える。
なんだかいい匂いがしてきて鼻孔を刺激する。シャンプーと体臭が混ざった香水のような芳香だ。
俺は息を呑んだ。
白石さんの右手が俺の太腿に乗せられる。ひんやりとした指先の感触。
左手は俺の襟元を掴んでいる。
「こういう時は……どうするべきですか?」
困惑気味の微笑みがさらに俺の心拍数を上げる。
「ど、どうって……」
「濡れた身体をシャワーで温めて、下着も付けていない恰好で異性の前にいます。この後はどんな展開になるのでしょうか?」
挑発的な質問と共に身を寄せてくる。シャツ一枚越しに感じる体温と柔らかさ。
もう無理だ……我慢できないかもしれない……!
心臓の鼓動が耳元で鳴り響く。
その時、スマホが震えた。
画面には"佐藤千春"の文字。着信だ。
タイミング悪すぎる!いや良すぎる!
白石さんも俺のスマホ画面に気づいたようだ。
しばし無言の攻防が続いた後、白石さんは深く溜め息をつくと身体を離した。
「またの機会にしましょう」
安堵と後悔の入り混じる複雑な心境だった。
千春からの電話に出てみると不機嫌そうな声が聞こえる。
その後、服が乾燥したころには雨も上がっていた。
「また、学園で」
玄関先で振り返る白石さんは、さっきまでの大胆さを微塵も感じさせない冷涼な雰囲気を取り戻していた。
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