BLゲームのモブ(俺)は誰にも見つからないはずだった

はちのす

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従順な奴 (※微々)

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雲のような白いモヤに挟まれて、身動きが取れない。


(ど、どうなってる?)


気を抜いた瞬間、四方から手が伸びてきて、俺の尻を弄り…



「…んぁっ!」


俺は自分であげた嬌声で起きた。


(ゆ、夢…)


……史上最悪の目覚めだッ!!!!!



「おはよ、田中君。」


それもそのはず。

俺に覆い被さり、ごく普通に話しかけてくる黒木の手は…

しっかりと俺の尻を揉んでいた。


「く、黒木ッ!!朝から盛るなよ!!!」


「…学校なんて、行かなくていいでしょ。」


「学校は勿論行くからなッ…てか何にせよ朝から尻揉むなッ!!」


俺が帰るって知ってからめちゃくちゃ強気の攻勢を取ってくるんだが、誰か黒木を止めてぇ…ッ!!!

そんな俺の抵抗はものともせず、黒木は体重をかけてくる。


「ひっ…ぁんん!」


押し退けようとしたが、黒木がの尻に俺に硬くなった昂りを擦り付けるように動く。

それを感じた俺は、咄嗟に身体が硬直してしまった。


いやもう…本当にお前なぁ!!!!


「2度目はありませんッ!!!」


黒木の頭にチョップをかました。

黒木に10のダメージ!!


「…って…」


「拗ねても無駄だからね!トイレで抜いてきなさい!!」


「…まだ時間あるのに。」


そういうと黒木はのそりと布団から這い出ていった。


(お、恐ろしい子…時間があれば何をしてもいいと思ってるのか!!!)



******


その後なんとか黒木に制服を着させて、家から摘み出した俺、よく頑張ったな…


ともすれば直ぐに学校へ行かないで、と駄々を捏ねる黒木は幼児退行しているかのようだった。


「こんな大きい赤ちゃん、引き取った覚えはありませんからね!!!」


「赤ちゃん…?」


「いや、お前のことだからね!!!」


黒木は外の空気を吸って少し落ち着いたようで、いつもの澄まし顔に戻っていた。


「もしや黒木って毎朝あんな感じなの…?」


「…?」


か、神のみぞ知る…


「遅かったな、お二人さん。」


主人が少し苛立った様子で俺たちを迎えた。


「あ、おはよっ!元気~??」


「元気に見えるか?」


「み、見え…ます。」


「も~田中が急に転校するっていうから、一晩中何も考えられなかったじゃん!!!」


里田は少し目の下に隈を作っていた。

…俺のせいか。


(そういえばあの時からずっとフリーズしてたのか。)


俺は里田が俯いたまま黙ってしまった様子を思い出す。

キャパ超えさせちゃってごめんな…
里田には絶対真相を話せないな。

1週間くらい寝られなくさせそうだもんな。うん。


「今日は屋上で昼だな。」


「お弁当多めに持ってきた!食べよ!!」


「あ…黒木、今日メシないよな?買いに行く?」


「うん」


「…え?おま…え?」


主人が何かに勘づいて慌て出したあたりで担任が入ってくる。

さてと…今日が多分ラストの授業だ。


「…最後くらいはキッチリ聞くか。」


************


「ふぁ~!頑張って起きてたけど、眠かったぁ…」


やっぱり授業って眠くなっちゃうよな…。ごめん先生。


「なあ、田中…」


「ん?あ、今日はカレーパンにしよっと」


「…今日は遅れんなよ。」


ひぇっ…主人、またフラグ立てよる…!!


「も、も~!流石に今日は遅れないよ!!!黒木もいるし!」





「とか言ってる時もありましたよ。」


「ア?何一人でブツブツ言ってんだ」


俺は見事に購買前で嘉賀先輩に捕捉されました。


でも、今日の俺は一味違うぜ…ッ!

出でよ!!


「黒木。」


俺が呼びかけると、パンを物色していた黒木がこちらへ戻ってくる。

と、同時に眉を寄せた。


「どうしたの?……それ、ヤンキー先輩?」


「そう…俺、先輩と喋ってくから、先行ってて。」


俺は口ではそう言いながらも、チラッ!チラッ!!と黒木に助けてコールを送る。


(ホラ!!!上手いこと助けてくれ!!!!)



「…分かった。主人には伝えておく。」


そうそう、助け…え??


そういうと、サッサとパンを買って黒木は離れていってしまった。


……え???


「アァ?今日はやけに素直だな。」


「いやぁ…あはは…」


(くろきぃぃぃいいいい!!!)


何故、何故帰ったァァア!!!
一人脳内で騒いでいたら、数日前の記憶が蘇る。


"…田中君、先輩のこと庇ってるの?"


"田中君が悲しむことはしない"


(そうか、俺か…俺が言ったからか…ッ!!)


「さぁて、良いとこに来たな?…退屈してたんだ。」


「Noooooッ‼︎」

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