【R20】螺旋の果て

雪田 瑠魔

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螺旋の果て(下)

・宴(コンタクト)

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  海。バカンス。

はしゃぐ恋人達。

宴は、新たな生け贄を堕としてゆく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

  暫くして、洋介氏が駐車場に手を振った。

一組のカップルの男性が手を振り返した。

歳の割に若作りの服装の男。

ここでは、彼を"和哉"と呼ぼう。

男性の後ろからついてくる女性。

背が低く痩せている。
茶髪のロン毛に黒いバンダナ。
黒いTシャツとタイトなジーンズを腰で履いている。

痩せているが、大きな胸の膨らみが目を引く。

近づくにつれ、二人の印象がハッキリする。

男性は、やせ形でアゴ髭を生やしている。

背丈は私と同じくらい。
着ている服装から、ゴルフをやることが予想できる。

  女は…ここでは愛子と呼ぼう。

目が大きく無邪気に笑う。

ただ、どこかしら、不幸そうな憂いが漂っている。

裕希や彩香嬢とは対称的に、男性を振り向かせるオーラは、その大きな胸以外は持ち合わせていない。

ただ、Tシャツの下の曲線は縄を引き立てることだろう。

『はじめまして、○○といいます。』

私は、和哉氏に会釈し、女の眼を見つめた。

「こちらこそ。はじめまして。
僕は○○和哉といいます。
こっちは、愛子です。
宜しくお願いします。
…ほら、ご挨拶しなさい。」

和哉氏の促しに、

「愛子です。はじめまして。」

小さな声で、和哉氏の隣で、ペコリと頭を下げた。

裕希と彩香嬢がこちらに歩いて来る。
視線を集めながら…。

裕希が無邪気に駆け寄ってきた。

数メートル先でコケそうになる。

「アハッ…旦那様。彩チャンから聞きました。」

無邪気なつり上がった眼で微笑みながら、

「はじめまして、裕希と申します。」

後ろから来た彩香嬢は、ケラケラ笑っている。

「もぉ、裕希さんオモシロ過ぎ。」


上々の出会いを果たした三組のそれぞれの車は、目的地へ向かった。

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