8 / 8
本人には一切何も見えてないんですが?
しおりを挟む簡易ベッドを第一騎士団の団長さん=ピュールさんの部屋に運び込んで、そこから同室生活に突入。
…の後、一週間経過。多分、それくらい。ここでの時間の流れが把握できてないから、ザックリとね。
侍女長さんがちっともハレンチらしさの欠片も感じられない服を用意してくれ、起き上がって多少動けるようになった頃。
リハビリのように庭園を侍女長さんの手を借りて、というか手を繋いで、散歩をする。
どこぞのお城じゃなく、男連中の宿泊施設でしかない場所の庭なので、そこまで花が咲いているとか見どころがあるという期待はしていなかった。
「…ラベンダーくらいは分かる。他のは…なんだろう」
雑草に近い、薬草がやたらと咲きほこってて、その控えめな花々を侍女長さんとしゃがんで眺めていた。
「元の世界にも似たようなものがあるのですか? シーナさん」
最初はシーナ様とか呼ばれていたんだけど、落ち着かないし距離感があって寂しいからと無理矢理お願いしてその呼び方にしてもらった。
「ありましたね。あたしが住んでいた街から近い場所には、この花の群生地があって。まるで、花のじゅうたんみたいになってて。色とりどりでキレイでしたよー。観光地にもなってて、開花の時期には、よその国からもいっぱいのお客さんが見に来てましたね」
「この薬草を見るためだけに、ですか」
「…ですね。紫のじゅうたんは、キレイでしたよ。花と花の間の通路を、友達とお揃いの黄色のワンピースっていう、短めのドレスを着て駆けて行きました。まるで子どもみたいに」
「……想像出来そうです」
「あ、やっぱり出来ちゃいますか」
「失礼ながら、想像しました。今」
「ふっふふふ」
「クスクスクス…」
なんて、すこしくだけた感じで話が出来るくらいになったのも、ここで過ごしやすくなったひとつ。
「陽射しが強くなってきましたね。そろそろ戻りましょうか、シーナさん。料理長にお願いして、特製のジュースでも作ってもらいましょう」
「わ! 今日はなんの果物だろう。楽しみ」
ここにはミキサーもジューサーもないけど、裏ごしたり布に果物を入れて絞ったりなどして、素朴な美味しさのジュースを出してくれる。すごく手間暇がかかった飲み物だ。
「搾りかすは、再利用。…上手くいくといいな。っていっても、どこかで聞いたなってだけなんですけど」
特にリンゴについてのニュースしか見たことなかったんだけど、搾りかすを豚の餌に混ぜて与えると、肉が柔らかくなったとかなんとか聞いたんだよね。
その話をちょっとしたら、試してみる価値があると料理長さんが話に乗ってきたんだ。
結果が出るまでどれくらいかかるのかわからないし、あたしたちがいた世界みたいに肉の硬さが数値化されるわけじゃないから、誰かが食べて柔らかいというか硬いというかって話になる可能性が高いけど。
「他の搾りかすでは効果があるのかないのかも試すと言ってましたよ? たしか」
「…へえ」
ゆっくりと歩きながら、厨房へと向かう。
途中で訓練している団員の姿が視界に入った。
そういう姿を見ると、やっぱりここは自分がいた場所じゃないんだと思い知らされてしまう。見るたび、毎度のように。
キッチンを経由してから、部屋に戻る。人の部屋なので、念のためノックをしてからね。
ノックをすると、すっかりなじんだ声の返事が聞こえた。侍女長さんに開けてもらい、部屋の中へ。
「…ん? 戻ったか。今日はずいぶんとゆっくり散歩してきたんだな」
やっぱりピュールさんだ。
着替えでもしていたのか、袖のあたりを弄ってる。
「最初の頃よりは、ずいぶんと長い距離を歩けるまでになりました。…ね?」
侍女長さんにそう確認を取ると、微笑みで返してくれる。
「そうか。…それは何よりだ。ならば、そろそろ以前の話にあったことへの協力を頼めそうだな」
ピュールさんが言ってるのは、アレだよね。水着着て、実際どうなのアンタ…ってやつ。
小さく吐いたはずのため息に気づかれて、「すまないな」とやるより前に謝られてしまう。
「上着の準備もまもなくできる。そうだな、あと三日ほどか」
「この調子でしたら、三日後ならば問題ないかと思われます。シーナさんの体調管理に、微力ながら助力させていただきます」
侍女長さんが頼もしいことを言ってくれる。
「まあ、熱とか出さないように気をつけます」
でも、彼女だけにおんぶに抱っこもよくない。
「だから、ちょっと汗かいたので、お風呂いただいてもいいですか?」
「もちろんだ。汗をかいたままでは、体が冷えてしまうからな。…侍女長、準備を頼む」
「かしこまりました。では、準備ができ次第、お呼びいたします」
そう言って、部屋を出て行ってしまう侍女長さん。
あたしは彼女が出ていくまで、小さく手を振っていた。
「ずいぶんと打ち解けたんだな、侍女長と」
「打ち解けたというか、甘えさせてもらっているだけです」
「彼女は気難しいことで有名なんだがな、あれでも」
ピュールさんが苦笑いを浮かべる。
「失礼なことをいいますね、あんなに可愛らしい方に」
年上の人に対しての言葉じゃないとわかってても、彼女への評価を戻す気はない。可愛いものは、可愛いっていいたい。
「可愛い…?」
苦笑いが今度は驚きの表情へと変わった。
「可愛いと表現したら失礼ですかねー。なんというか、癒しです。厳しい口調の時もありますけど、基本的に優しくて、笑顔が可愛らしくて、手を繋ぐとあったかくて。ずっとそのままでいたくなるような方ですよ?」
「…あの侍女長の彼女が、か?」
まさかと思ってるのか、確認までしてくる。
だからあたしは、即答する。
「ええ。あたしがいた場所の言葉でいえば、キュートな方の可愛さですね。プリティーは、イメージ的にもうちょっと年齢低めなんですけど、たとえ年齢がすこし上の方でも可愛らしさのある方にはキュート…と使いたいです」
「年齢の問題か、それは」
「使う言葉の使い分けの話ですよ。おばあちゃんと呼べそうな方でも、何とも言えない可愛らしい方っていると思いますよ? そういう方、身近にはいらっしゃらないんですか?」
「キュートな…。うーん……、俺のまわりにいるのは厳しい顔つきのばかりだな」
ピュールさん相手に、ほんわかした表情なんか浮かべる機会はないか。
「お花でもプレゼントしたら、喜びそうな方っていないです?」
「……ただ受け取って終わりになることが多いな。母親やばあやもそんな感じだ」
「ばあやさんがいるんですか」
「ばあや…。んんっ、いや、乳母と言った方がいいか」
ばあやという言い方は、どうやら彼にとって失言だったよう。
耳を赤くして、言い直していた。
「…ふはっ。今のピュールさんも、キュートな方に該当してますよ? ふふふっ」
「は? な、なにがだ? 俺は別になにも」
「失礼を承知で言わせてもらえれば、照れ隠しをした時の顔が大変可愛らしかったです」
小さく笑いながら正直に伝えると、頬までもが赤らんできた。
「こんないかつい男にキュートだとか…。君の審美眼を疑うな」
「審美眼は関係ないですよ、これに関して」
「んんっ。この話はここまでにしよう。……そろそろ彼女が戻ってくる頃だ。風呂に入ってくるがいい」
咳払いをしてから彼がそう呟くと、程なくして侍女長さんが本当に戻ってきた。
(足音で判別してるのかな。それとも違うもの? この世界特有のものかな)
ボンヤリそんなことを思いながら、迎えに来た侍女長さんの後に続いて部屋を出た。
――――ピュールさんが話していた通りで、話をしてから三日後に呼び出しがかかった。
別室に連れて行かれて、水着に着替える。
「脚のムダ毛、剃りたいなぁ。短いのが生えてきちゃってるじゃん」
脚を出すなら、やっぱりその辺も気にしたかったのにな。でも、この世界じゃどうやってるのか…内容が内容だけに侍女長さんにも聞きにくかった。
水着に着替え、隣の部屋へと続くドアを開ける。
「…お待たせしました」
入った部屋には、数名のローブを着た人たち。それとピュールさんに、この国の国王陛下の右腕たる宰相さん。
ミルクティーみたいな髪色をした、ショートボブの人だ。
「やあ、久しぶりだね。…元気そうで安心したよ」
そう言いながらあたしを見ているけど、視線が絶対に合わない。
脚を出しているからか、微妙な位置に視線をズラして話しているっぽいな。
この国の文化ですと言われたら、仕方がないよね。脚は出さないものって言われて育ってきたなら、それが正解なんでしょ?
(そんな中に極限まで脚を晒した女が現れたら、はしたないと思うよね。…間違ってないけど)
間違ってはいなかっただろうとしても、この国の都合で召喚した相手にアレはないでしょ。
あたしはいまだにあの時の糾弾にも近い会話を忘れていない。というか、忘れるのは無理だった。なかったことに出来ず、しこりは残ったまま…今日にいたってる。
「では、まず…水着の方だけでいろいろ試させてもらおう」
そう切り出したかと思えば、ある魔方陣の上に立ってほしいと促される。
おずおずとその上に立てば、その魔方陣が淡く光る。そして、水着の裾を下からあおるように風が吹いた。
「…わっ。くすぐったい、この風」
フレアスカート状のそれが、ふわふわと波打ったように揺れる。
(やっぱりこの水着にして正解だったって、このタイミングで思っちゃった)
とはいえ、わずかな風で裾がふわっとなっている=中の下着っぽいのがかなりチラチラと見え隠れするというエッチな感じであることは否めない。
(また間違いなくハレンチだのはしたないだの、内心思われているんだろうな)
今日、この場に来る人たちは、ピュールさんがあたしの希望を組んで選んだ人たちだ。たとえ内心そんなことを思っても、口にはしないでいてくれている…はず。
横目でまわりの人たちを見ると、羽根ペンっていうのかな? それがずっと動きっぱなしで、なにかメモしている。
「では次に、このパラソルだったか。それを閉じたまま立っていてくれ」
ピュールさんに手渡されて、閉じた傘を支えに立っている感じで魔方陣の中で佇む。
魔方陣の光は見えるのに、前にも聞かされていたような水着やパラソルが光っているのが見えないままだ。
(あたしにもその光が見えるようになる条件とかあるのかな? それか、魔力のあるなしとかが関係している?)
この世界での知識も何もないあたしが一人で考えたって、明確な答えが出るわけもない。
それを理解しているから、そんなことを考えても誰かに聞くことまではせずにいた。
「…よし。それでは、今度はそれを開いてもらってもいいか」
「はい。…ん、しょっ…っと。これでいいですか?」
開いたパラソルをさして、中棒の部分を肩にのせてっと。
手持無沙汰で、中棒を回転させる。カラフルなパラソルが、ゆっくりと回っていく。
…と、視線を感じて横を向いた。
宰相さんがあたしというよりも、回っている布の部分をジーッと見ている。しかも、目をキラキラさせながら。
あたしにはいたって普通のパラソルにしか見えないけど、こんな落ち着いた感じの大人な男性を惹きつけるような何かが起きているのかもしれない。
(喜んでくれているようだから、このままゆっくり回し続けていようっと)
くるくると傘を回しながら、夢のことを思い出していたあたし。
なんで跨っていたのがサンマだったのを思い出した。
(せめてトビウオとかだったなら、まだカッコよかったかもなのに)
どんなことを考えながら眠れば、サンマに跨って空を飛ぶなんて夢を見るんだか。
それと、もう一つ。
なにかの呪文のようなものを口にしながら街の上空を飛んでいたって思っていたけど、呪文じゃないや。アレ。
どこで聴いたかは忘れたけど、何かの歌だ。
(なんだったけな…歌詞は)
「んー…っと、ひかーりつどいしー♪そーらのかーなたー♪あーのーらくえんへーのみーちーをー♪かがーやーくあおばたーちーがみちびーいてー♪くーれーるのーだろーぉーーーうー♪いーまー♪そのひかーりをふりーまーいてー♪みらーいのこどもらーに♪」
と思いつくまま、思い出すままに口ずさんだあたし。
唄の途中で、横から宰相さんが手を強くつかむ。
「いたっ!」
思わず声をあげてしまうほどに、強く。
唄うのをやめ、体を縮こませて腕を引っ張る。「離してください!」と言いながら。
「…あ? あ、……あぁ、すま、ない。思わず…」
その様子だと宰相さんも無意識で掴んでいたみたいな感じだ。
宰相さんの隣にいたピュールさんが近づき、あたしの顔を覗きこんでくる。
「…近いです」
そう言ってしまうくらいに、結構な至近距離で。
「ん…む。すまない。ところで今のはなんだ? なにかを唄ったのか?」
唄ったと言われれば、そう言うしかないよね。
「はあ、まあ」
「どういう曲だ?」
「どうと言われてもアレなんですが。…実は今のは、夢の中で唄っていたのを思い出しながら口ずさんでいただけでして。誰の…とか、どんな…とかの説明がしがたいものなんですよね」
あはは…とごまかすように説明をするあたし。
「その夢の内容は聞いてもいいものか?」
夢、か。なんだか子どもっぽいから、あまり話したくないけど。
「子どもっぽいとかいいません?」
だから先に釘を刺す。
「……? よくわからんが、言わないと誓おう」
「いちいち誓わなくてもいいですよ、ピュールさん」
あたしとピュールさんの会話を、不思議そうな顔で聞いている宰相さんは一旦ほっといて。
「えーっとですね。そこそこ時間経っちゃったんでボンヤリなんですが、あたしがこの格好に上着を羽織って空を飛んでいました。なぜか、魚に跨って。その魚っていうのが元の世界でサンマっていう、銀色の刀みたいにギラギラと鈍く光る魚なんですが。それで…その……魚に跨ったままでこのパラソルをさして、街の上空を飛んで回っていたんです。その時に呪文っぽいものを呟いてたなって思っていたんですけど、さっき急に思い出して。呪文じゃなくて、歌だったなぁって。それで思い出しながら、暇つぶしに唄ってました! 報告は以上です」
あたしがそう説明をしたのを聞き、隣にいた宰相さんが膝をつく。
…何故に?
「祝詞と言われしものじゃないのか? それは」
なんか聞いたことがある言葉が出てきた。どこで聞いたんだっけ。
首をかしげているあたしに、ピュールさんが説明をしてくれる。
「わかりやすく言えば、儀式などで使う…神に祈る時に唱える言葉のことだ。この国でいうところの、聖女が神と繋がる時というか神託などをいただく時のものとも言われている」
「え? そんなつもりとか一切なかったんですけど」
「他に浮かぶものはないのか?」
「他にというか、今の歌には続きがあるんですが」
とかあたしが言えば、膝をついていた宰相さんが勢いつけて立ち上がり。
「すまないが、最初から思い出すだけすべてのものを…書き残してもいいだろうか」
あたしの手をしっかり握って、懇願というのがしっくりくるよう感じに、握ったあたしの手ごと自分の額にくっつけて。
「頼む…。大事なことなんだ」
強く、願ってきた。
「この…やってることがすんでからでも? それともコッチの方が先ですか?」
優先順位を確かめる。
すると、あたしは立っているだけだから、検証をしながら口頭で伝える方がいいということになった。
「はあ、まあ…わかりました」
なんて返して、記録担当の人を一人あたしの向かいに立たせて、それが始まった。
最初から最後まで完全に憶えているわけじゃないから、ここは空白だと思うところは場所を空けてもらいながら書き残してもらい。
「…という歌詞だったと思います。また思い出したら、報告しますね」
念のためにそう告げると、ホッとした顔つきで宰相さんが呟いた。
「ありがとう。シーナ殿」
と。
そこで初めて、宰相さんに名前を呼んでもらえたことに気づいたんだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
喪女だった私が異世界転生した途端に地味枠を脱却して逆転恋愛
タマ マコト
ファンタジー
喪女として誰にも選ばれない人生を終えた佐倉真凛は、異世界の伯爵家三女リーナとして転生する。
しかしそこでも彼女は、美しい姉妹に埋もれた「地味枠」の令嬢だった。
前世の経験から派手さを捨て、魔法地雷や罠といったトラップ魔法を選んだリーナは、目立たず確実に力を磨いていく。
魔法学園で騎士カイにその才能を見抜かれたことで、彼女の止まっていた人生は静かに動き出す。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる