6 / 103
第一章 転校生
過激派と穏健派
「とりあえずは説明終わりー。質問あったらどーぞ」
俺がそう問いかければ、勢いよくこちらに顔を向け、「はいはいはい!」と大きな声で言いながら挙手をした。
小学生かよとツッコミつつ、
「はい野山くんどーぞー」
と返してやる俺は、中々ノリがいいと思われる。
自分で言うのもおかしいがな。
「さっき生徒会が黒犬を探してると言っていましたが、鵤先輩とそのもう一人の政宗先輩は特に探してはいないということですか?」
「そゆことー。手伝ったりはするけど、会いたいと熱望してるのは残りの三人だねー。俺は黒犬とかいう人に興味ないし」
「そうなんですか…」
“興味ない”
その言葉に、野山は反応した。
唯一見えている唇が震え、長い前髪のせいで表情を完全に読み取る事はできないが、心なしか顔色も悪い。
その事を本人に言うつもりは更々無いが、こいつも訳ありか。と、心の中で密かに思った。
「もうわからないことはない?」
「あと一つだけ!親衛隊の意味はなんとなくわかるんですけど、鵤先輩以外の親衛隊には気をつけた方がいいってどういう意味ですか?」
補足のような軽い気持ちで口にした言葉を聞き逃さなかった野山。
顔色も良くなり、唇も震えていない。
「俺の親衛隊は基本穏やかで穏健派って呼ばれてるんだけど、他の人たちの親衛隊は過激派って呼ばれてて、制裁や陰湿なイジメなんかをすることがあるんだー。政宗のとこは微妙だけど、会長や副会長のとこには特に気をつけて。目をつけられた生徒の中で、耐えられなくなって自主退学した者もいるし」
「わかりました!」
返事をしながら大きく頷く野山。
あなたにおすすめの小説
お姉ちゃんを僕のお嫁さんにするよ!「………私は男なのだが」
ミクリ21
BL
エリアスの初恋は、森で遊んでくれる美人のお姉ちゃん。エリアスは、美人のお姉ちゃんに約束をした。
「お姉ちゃんを僕のお嫁さんにするよ!」
しかし、お姉ちゃんは………実はお兄ちゃんだということを、学園入学と同時に知ってしまった。
同室のアイツが俺のシャワータイムを侵略してくるんだが
カシナシ
BL
聞いてくれ。
騎士科学年一位のアイツと、二位の俺は同じ部屋。これまでトラブルなく同居人として、良きライバルとして切磋琢磨してきたのに。
最近のアイツ、俺のシャワー中に絶対入ってくるんだ。しかも振り向けば目も合う。それとなく先に用を済ませるよう言ったり対策もしてみたが、何も効かない。
とうとう直接指摘することにしたけど……?
距離の詰め方おかしい攻め × 女の子が好きなはず?の受け
短編ラブコメです。ふわふわにライトです。
頭空っぽにしてお楽しみください。
親衛隊は、推しから『選ばれる』までは推しに自分の気持ちを伝えてはいけないルール
雨宮里玖
BL
エリート高校の親衛隊プラスα×平凡無自覚総受け
《あらすじ》
4月。平凡な吉良は、楯山に告白している川上の姿を偶然目撃してしまった。遠目だが二人はイイ感じに見えて告白は成功したようだった。
そのことで、吉良は二年間ずっと学生寮の同室者だった楯山に自分が特別な感情を抱いていたのではないかと思い——。
平凡無自覚な受けの総愛され全寮制学園ライフの物語。
双子のイケメン執事達と恋愛しています
すいかちゃん
BL
母親の再婚により、平野家の息子となった勇人。超お金持ちの家では、驚く事ばかり。そんな勇人は、双子のイケメン執事に気に入られてしまう。やがて双子の気持ちを知った勇人は、驚きながらもその気持ちを受け入れる事を決める。
回を重ねるごとに、勇人と双子の関係が濃厚になっていきます。
長編ですが、1話1話は短めです。
第5話で一旦完結となります。