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第三章 狂い始め
解決策
一時間ちょっと振りに生徒会室に戻ると、蓮夜、あおちゃん、麗の三人が深刻そうな顔で。
マリモは膝を抱え、顔を埋めるようにしてソファーに座っていた。
政宗は自分の椅子を近くに持っていき、書類を片手に座っている。
四人が話す言葉に特に頷く様子もなく、その場にただいるだけ。
政宗だけが、「おかえり」と優しく声をかけてくれた。
軽く手を挙げ、「ただいまー」と小さく口にする。
話し込む四人を気に留めることなく、自分のデスクに向かい、腰を下ろした。
パソコンの電源入れ、先程寝てしまった1時間を取り戻すべく、首や指などを鳴らして気合を入れる。
「親衛隊が正人に嫌がらせをしているわけですね」
「皆に近付くなって言われたから、多分そうだと思う」
「いつ頃からですか?」
「蓮夜に食堂でキスをされたり、みんなと一緒にいるようになった次の日から……かな」
話の内容は恐らく、サボりの原因となったであろう嫌がらせについてだろう。
俺が頼んだとおり、あおちゃんが親身になって話を聞いていた。
背中を摩りながら、優しい笑みを浮かべて。
目をつけられないよう、気をつけた方がいいと忠告はした。
それでも、三人が興味を持った以上、どんなに逃げようとも、いずれ会うことになっていただろう。
俺がマリモに教えたことは、あくまで、嫌がらせをできるだけ先延ばしにする方法に過ぎない。
根本的な解決にはなっていないのだ。
ではどうするか。
“こいつに近付くな”と言ったところで逆効果。
次に浮かぶ案としては見張りを付けることだろうが、三人にも授業があるわけで、不可能に近い。
有名人の息子や御曹司など、セレブが多く通うこの学校であれば、ボディーガードを雇うという手もある。
親衛隊を上手くコントロール出来れば一番良いのだが、マリモ相手に激昴している現状では難しいだろう。
この三人にそんな芸当が出来るとは思えないし、俺や政宗でも不可能に近い。
担任に相談をして、注意深く見てもらうようにするのが先決か。
直接的に解決はしなくても、周りに助けを求められる環境を作っていくことも大事だ。
仕事をしながらも、そんな事を考えていた。
意見を求められているという訳でもないのに。
「ずっとここに居ればいい」
「え?」
「ここで授業を受けられないか、理事長に今から相談しに行こう」
「ありがとう蓮夜!」
心の底からの笑顔に、メロメロな三人。
耳を傾けていた俺と政宗の唖然とした表情。
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだ。
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