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第三章 狂い始め
何してるのかなマリモさん
何がしたいのか。
全く見当がつかなかった。
気持ち悪いから触らないでと断る以外に思いつかず。
口にしたら蓮夜達に後で何か言われるのが容易に想像できる為、されるがまま。
それに気を良くしたのか、掌同士ではなく、俺の手の甲とマリモの掌を重ね、まるで恋人繋ぎのように絡ませてきた。
腐女子の友達からは、こういう男子校のネタだと、主人公は決まって受け……つまり、ネコが多いと聞いている。
しかし、隣にいるマリモは積極的というかなんというか。
アイツがここにいたら、“ギャップ萌え!”とか騒ぎそうだな。
手を握られて恥ずかしくなるほど純粋でもない俺は、そんなことを考えていた。
ーーー……ギシッ。
ソファーが軋む音がした。
手から温もりが消えたかと思えば、モジャモジャ頭のマリモが視界いっぱいに広がる。
俺の両頬に手を添え、指で耳朶を弄る。
そして頰から徐々に上がっていき、頭全体を包み込むように触れてきた。
「銀髪、似合うね」
「でしょー。ありがとー」
隣にいたはずのマリモは、いつの間にか俺に跨っていて、キャパオーバーになりかけつつも、笑顔でそう答えるしかなかった。
さすがの俺もパニックですよ。
これは何のフラグなの?
ゲームでいう特別イベントか何かですか?
全国の腐女子さん。
教えてください。
この状況をわかりやすく、克明に説明してください。
というか、誰か助けて。
好きな子ならまだしも、相手がマリモって……。
悲しすぎるだろ。
「俺、好きだよ。春都先輩の銀髪姿」
跨ったまま見下ろしてくるマリモ。
長い前髪のせいで相変わらず表情はわからないが、声色が妙に艶艶めかしい。
「そっかそっかー。ありがとー」
「ねぇ、春都先輩」
「なーにー?」
「俺とセックスしない?」
思わず目を見開く。
そして呆けた顔で何度も瞬きをする。
何を言いだすかと思えば、急にセックスしようとか言ってきたんだけど。
この子。
「急にどしたー?野山は政宗が好きなんでしょ。初めては政宗にとっておきなー」
「うん。政宗先輩が好きだったよ」
「でしょー。だったら、」
「好きだった、って言ったでしょ?春都先輩」
両肩を掴まれ、横に倒された。
小さな体のどこに、これだけの力が隠されていたのか。
押し倒すことに成功したマリモは、俺のネクタイを掴み、自分の手にクルクルと巻きつける。
そして俺の横に手をついた。
試しに体を起こそうとしてみるが、ネクタイによって首が。
マリモによって下半身が固定されており、それなりに力を入れないと動けそうにない。
「これはどういう状況なのかなー?」
「春都先輩が俺に押し倒されてる状況かな」
うん。
それはわかってるよ。
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