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第三章 狂い始め
★私の中に
ーーー……パチュン。パチュン。
体と体が打つかる際に浴槽の湯が間に入ることで、普段とは違う音色が奏でられている。
聞くだけで、ある一つの行為を想像してしまう音。
それはあまりに瑞々しく、艶かしい。
「んンっ、ぁ…あっ……っ」
「……っ、…、……はっ」
俺に背を向け、若干前のめりの態勢で跨る太一。
お湯の中で、蕾から出たり入ったりする自分の“モノ”を眺めつつ、手で汗を拭う。
ベッドとは違って動きに制限がかかる分、普段よりかなりスローペースで腰を動かしていた。
反響する声と音には興奮するが、そろそろ暑くなってきたというのが本音。
「春、都様…っ、のぼ、っ!…せそぅ、です」
どうやら太一も、俺と同じ気持ちだったようだ。
「太一。膝立ちになって、縁に手ついて」
「は、はい……っ、あぁっ!」
膝立ちになるために、先程よりも前屈みになってから腰を上げる。
その拍子に俺の先端が内部を擦り、たまたま気持ち良い場所に当たったのか、甲高い声で喘ぎ、締め付けてきた。
「っ、…ば、っか。締めんな」
「…はっ。すみっ、ません」
息を整えてから再び腰を上げ、完全に俺の“モノ”が抜けた。
壁に面した浴槽の縁に手をつき、尻を突き出す。
後背位(バック)と呼ばれるやつで、俺が正常位の次に好きな体位。
突き出した尻を両手で掴んで広げる。
丸見えの蕾に自分の“モノ”を当てがえば、「……っ」と息を飲む太一。
腰を振ってる時も、もちろん気持ちが良い。
でも俺は、
「んっ、……っ、あ」
挿れる瞬間が好きだったりする。
異物の侵入に抵抗するためか、最初は押し返そうと抵抗してきて。
先端が少しでも内部に入ると一緒に皮膚がくっ付いてきて、俺の“モノ”に寄り添うように吸い付いてくる。
威嚇していた獣が警戒を解いたかのような感覚に陥り、堪らなく興奮する。
これが共感を得るものなのか、そうでないのか。
他人に話したことがないからわからないけれど、挿入する瞬間が俺の楽しみ。
前戯が終わって一発目の挿入も、体位を変えた後の挿入も、好きだ。
「…あっ、…っ、はぁっ……っん」
「……っ、はは。…えろ」
自分の“モノ”が出たり入ったりしている所が全て見える。
イイ所に当たった時にヒクつく蕾も、背筋の僅かな動きも、全部。
ーーー……パンッ、パンッ、パンッ。
湯の中で動いていた時よりも大きく、水気を含まないはっきりとした音。
それでも足は湯に浸かっていて、動くたびに“チャポン、チャポン”と音を奏でる。
「あっ!…っ、はぁっ…ん、ぁ!」
カリの部分まで引き抜き、入り口付近で前後に動かしてみたり、先端から根元まで激しく抜き差ししてみたり。
「あぁっ!あっ、…っ、ふっ、ぁっ」
時折指で胸の突起を摘んでやると、中が素早く収縮する。
ゴムをつけていないからか、内部の熱を直に感じてしまい、いつも以上に我慢がきかない。
きかないけれど、
「…っ、……はっ、っ…や、ば」
「んぁっ!やっ、あっ、……っ、いぃ…ぁっ」
最高に気持ちが良い。
中の熱が俺の“モノ”を全方向から包み込んできて、口内で犯されつつ締め付けられているような、不思議な感覚。
「……あっ、つ……っ、すげ」
「あっ、んっ、ぁ……そ、こっ」
「…っ、ここか?」
「ひぁっ!…っ、あっ!あっ!」
声が一段と大きくなり、手を伸ばした状態では支えられなくなったのか、浴槽の縁に両手の肘から下を重ねるようにして置く。
そしてその上にうな垂れるように頭を乗せた。
「んんっ、ぁ……はっ、あっ!」
「…っ、大丈夫か?」
上体の位置が低くなり、心配になって問う。
この体位は好きだが、相手の表情が見えないのが難点。
表情から読み取れない以上、言葉で聞くしかないのだ。
俺の不安を感じたのか、右肩を縁に近付け、左に体重移動する。
左の肩甲骨が浮き上がり、右よりも高くなった左肩越しにこちらを伺う。
思わず腰を止め、顔の左半分をジッと見つめる。
「はっ…、はっ」と短く呼吸した後、息を飲み、「……っ、ふふ」と小さく笑った。
たったそれだけなのに、俺の不安を打ち消すには十分で。
つられて笑えば、恥ずかしそうに「……もっと」と呟いた。
「……っ、わかった、よっ」
「んぁっ!あっ、…っ、ふふっ、はっ」
「……善がるか、笑うか…っ、どっちかにしろよ」
「んんっ、っ…あっ!中に…中、にっ、ほし」
目を細め、途切れ途切れに“中に欲しい”と繰り返す太一。
ゴムをつけている時ではありえないお強請り。
火照った顔でのそれは破壊力抜群で。
生で、しかも中出し。
気持ち良いに決まっている。
ーーー……中出しされるのは気持ち良くて好きです。でもお腹が痛くなるんですよね。
だけど、後々辛いのは太一だと知っているから。
「……っ、バーカ。お前がっ、後で辛いだろ」
「あっ!あっ、ぁんっ、…っ、あ!」
だからやらない。
「……っ、イ、く」
「ひぁっ、あっ!あっ!……っ、」
腰を激しく動かし、太一の尻に打ち付けながら太一の“モノ”を扱くと、粘り気のある白い液体が手に絡みつく。
惜しむように締め付けてくる中に別れを告げ、抜け出した自分の“モノ”を、汚れていない方の手で扱く。
太一の背に豪快に飛んだ白い液体。
「っ、はぁ……っ、ふー……ふー……」
乱れた呼吸を整えながら、同じく絶頂を迎えた太一を見下ろす。
上下する肩。
ヒクつく蕾。
崩れ落ちる体。
エロい、の一言である。
「また洗わないとですね」
「だな」
互いに湯船に浸かり、抱き合いながら笑う。
執事と主のはずなのに、それだけでは言い表せないこの関係。
蟻地獄のように静かに落ちていく。
砂の下に広がる、真っ暗な世界に。
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