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第五章 仮面のない生活
★出て行け
あれから数日が経った。
相変わらず太一には会えていない。
仕事をしない三馬鹿トリオは相変わらずだし、夏休みが近づくにつれて期末テストや運動部の合宿申請、下期の部費追加申請などなど仕事は途切れることなく舞い込んでくるわけで。
「んんっ、あっ…ぁ…ゃ…」
「まさ…っ、と」
「そ…こっ、…ぁ…ぃい」
こんな甘ったるい喘ぎ声なんて聞いてる場合じゃないんだよ。
「……はぁ」
ため息つくと幸せが逃げるという言葉が飛んで来そうだが、そもそも今の状況が幸せではない場合はどう解釈したらいい?
もっと最悪な状況に陥ると?
不幸に大も小もないだろーが。
本人が辛い、不幸だと思ったら他人がどう思おうとそれが真実なんだよボケが。
「…っ、…ふっ…ん」
「正人。舐めてくれませんか?」
「まーくん僕のもー」
「…んっ…っ」
厭らしい水音共に漏れるマリモの吐息。
三馬鹿トリオとマリモは楽しく4Pをしているわけなんだけども、驚くなかれ。
こいつ等は学校側が生徒会役員が仕事をする為に設けた生徒会室で公開セックスをしているのだ。
あいつ等の部屋に行ったらたまたま遭遇してしまったなんていう可愛らしい状況ではないのだよ。
しかも今日に始まったことではない。
俺が蓮夜の部屋に行った次の日から始まった。
あれから数日経ったということはこの光景も数日見ているというわけで。
「……いい加減にしろ」
そろそろ限界なんだよね。
「いっ、うわっ!」
「……っ!」
マリモが驚きの声を上げる。
そして三馬鹿トリオも俺を見て目を丸くしていた。
それもそのはずだ。
ソファーの上で騎乗位セックスの真っ最中だったマリモの髪を鷲掴みにして引き摺り下ろしたのだから。
「痛い!痛いってば!」
マリモがいなくなったことで蓮夜の“モノ”が露わになっているが、そんなことどうでもいい。
四人とも全裸なのだから気分は同じだろう。
そもそも数日間俺や政宗の前で公開セックスをしていたんだ。
今更恥ずかしいも何もないだろう。
ウィッグと同じ色の黒髪から手を離すことなく、無様に床へ跪くマリモを見下ろす。
「此処はそういう事をする場所じゃない。出て行け」
「俺を此処から出て行かせる権限は、生徒会長でもない会計監査の春都先輩にはないよね?」
臆する事なく反論してくるマリモ。
「全ての権限は生徒会長である蓮夜にある。俺は蓮夜に許可されて此処にいるわけで、今の状況も蓮夜が許可したからこそだ。春都先輩に文句を言われる筋合いはないと思うけど」
慰めてくれなかった俺への当てつけか、それとも他に何かあるのか。
こちらを睨むマリモの目を見ても分かるはずもなく。
「そうでしょ?」
自信たっぷりなその顔は、百歩譲っても憎たらしかった。
「……」
言い返すことなんてできない。
俺に権限がないのは事実だから。
全ての決定権は生徒会長の蓮やあって、俺には口を出すことはできても実行するだけの権力はない。
「好きにしろ」
掴んでいた髪を離してそう口にする。
「蓮夜…、っ…ぁ」
「…っ…正人」
再び始まる公開セックス。
「政宗。俺は風紀室で仕事する。お前も無理だと思ったらノートパソコン持ってこい」
これ以上此処で仕事はできないと判断した俺は、荷物をまとめて生徒会室を後にした。
持ち出せた書類は全体のほんの一部に過ぎなくて、後で誠達にでも取りに行かせることを心に決めて。
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