銀獣-王道BLを傍観するつもりが巻き込まれました-【本編完結。SS公開予定】

レイエンダ

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終章 輝きを増す銀獣

緊急集会の立役者

 生徒会役員の俺は授業を免除されている為、マリモのせいで遅れても注意されることはない。寧ろ、“今から参加するの?いいんだよ?”と気遣うような視線を向けられる。
 心配してた先生には感謝の意味も込めて頭を下げたのだが、赤面したかと思えば教科書で顔を隠してしまった。どうやら無意識に微笑んでいたらしい。
 「授業進まないから微笑むの禁止ー!」と類に言われ、小さく返事をしてから席に着いた。

 あっという間に放課後になり生徒会室へと向かう。憂鬱なことに変わりはないが、三人が除名処分になったことで幾分かマシだった。
 二学期から潤達が生徒会役員として活動するわけだが、今日を含めて終業式まであと三日。それまで彼らは出入りできるという事だろうか?



「しまった。詳しい話を聞いておくんだった」


 緊急集会、三人の除名、新しい役員の発表、マリモの呼び出し。色々ありすぎてすっかり忘れていた。
 生徒会室がある階へ向かう前なので教員室までそう時間はかからない。だが、政宗に連絡して教員室に寄ってきてもらうのも一つの手だ。
 どちらにするか考えていたところで「春都様!」と声をかけられた。



「いっちゃんとまーくんと……圭?」



 前半の二人は以前食堂で“マリモに水をかけた”という冤罪をかけられそうになった俺の親衛隊。圭も一緒なんて珍しい。
 身長差を考えて少し屈むと、まーくんたちは嬉しそうに駆け寄ってきた。
 なんて可愛い子たちなんでしょうか。やはりうちの親衛隊はキュートで愛らしくていい子たちばかりだ。



「生徒会室に行く前に会えてよかった。少しだけ時間貰える?」



 甘えてくる二人を順番に抱きしめてから圭の言葉に頷く。
 政宗に職員室で聞いてきてほしい内容を箇条書きで連絡し、三人がおさえているという会議室へと向かった。



「―――ていう感じで協力して、三人を無事除名処分にしたわけ」



 隣に座る圭から今日の緊急集会に至るまでの話を聞いていた。
 親衛隊から風紀委員に打診があり、協力する形で秘密裏に署名活動や情報収集が行われていたらしい。
 署名活動に関しては、俺の親衛隊が各学年・クラスに散らばっているのを有効活用。三人の親衛隊を除いた全生徒に配布し、速やかに回収。



「俺のクラスもか?気付かなかった」
「類達に協力してもらったんだよ。ここ最近、三人にくっつかれてなかった?休み時間中とか」
「んー……確かにそうだったかも?」



 首を傾げながら曖昧に肯定する。元から三人は俺にべったりだから実感はなかったが、ここ数日はトイレにも誰かしらついてきた。それのことだろうか?と思い至って返事をした。

 前例がない生徒会役員の除名。三人が機能しなくなってから何度か頭をよぎったことはある。
 しかし、仕事に追われている状態で行動に起こす気力はなかった。
 限界に達して動き出すとしたら、秋に突入するちょっと前ぐらいだろうか。夏休み中に計画を練り、忙しくなる文化祭前に決着。そんなところか。



「危険分子は早めに取り除いたほうがいいと思ってさ。春くんに迷惑かけるとか万死に値する」
「と、ノリノリで手伝ってくれました!」
「心強かったです!」



 三人が満面の笑みでこちらを見ている。褒められるのを待っているのか、それぞれが頭を差し出していた。



「えらいえらい。ありがとな」



 順番に頭を撫でてから、生徒から集められた証言が書かれた書類に目を通す。写真付きのものもあればボイスメッセージまであるようで、わざわざ文字に起こしてくれたようだ。
 最後のページには俺が送った連結写真もあった。



「それなくても問題なかったんだけど、理事長にダメージでかそうだから最後にぶち込んどいた」
「理事長、顔面蒼白だったんじゃねーの?」
「いや?顔真っ赤ではあったけど」
「怒りで頭に血が上ったのか」


 その怒りが授業をさぼっていることや、生徒会室で致していること。仕事をせずに私物化していることに対してならいいけどな。
 溺愛していることを考えると、体を重ねていることや快楽に溺れさせた事が引き金な気がする。結果的に除名してくれたなら、理由はどちらでも構わないけど。




「そろそろ戻る」



 書類を圭に返し、椅子から立ち上がる。



「生徒会の仕事、俺らでできるやつ回して。後で取りに行くから」
「わかった」



 出口に向かうと見せかけて、体面に座っていた三人に歩み寄る。不思議そうな顔をしているのを無視して頭や額、頬にこれでもかとキスを落とす。



「ありがとう」



 頬と耳を赤く染めて惚けているのを横目に呟き、返事を待たずに会議室をあとにした。




「「「……好き」」」



 口を揃えて言った二文字は、生徒会室に向かう俺の耳には届いてなかった。



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