上 下
10 / 22

9◆ルーチェ視点

しおりを挟む
目を覚ますと、ちょっとゴツい男性が………。

「誰がゴツいのかしら?」

ゲフンゲフン、う…美しい男性がいた。

(というか、なんでこの人……今俺の思っていたことがわかったんだ?)

「うふふ、ルーチェちゃん気分はどうかしら?」

「え!?……あ、はい。大丈夫……です」

知らない男性が、穏やかに微笑み俺の具合を聞いてきたから素直に答えた。

何故かわからないが、逆らえないような気配を感じたんだ。

リオネルが正座で床に座っているけど、俺の意識がない間に何があったんだろう?

「ルーチェちゃん、リオネルちゃんはお姉さんが説教しておいたからね!そうそう、良かったらこれどうぞ!お姉さんのアンデットちゃんたちのおイタのお詫びよ」

「お兄さんの?」

「お・姉・さ・んよ?」

「………お姉さんの?」

「自己紹介がまだだったわね!お姉さんはここのオーナーのアーシュよ。うふん♪」

アーシュさんから、お詫びとして腕輪を貰った。

遠慮しようとしたら………。

「遠慮しなくていいのよ。それね、恋愛運の上がるやつだから、お姉さんからの恋の応援のつもりでもあるの!」

そう言って、腕輪をつけたまま外に出されてしまった。

「気分が大丈夫なら、デートの続きしてきなさい。リオネルちゃん!ちゃんとルーチェちゃんをリードするのよ?ルーチェちゃんがまた倒れたら、お姉さんがまた説教するからね!」

「はい!母上!………ああ、いえ……アーシュさん………」

「?」

「あらいやだわ!お姉さん、リオネルちゃんみたいな大きな息子のいる年齢じゃなくてよ?」

驚いてから、ちょっと不機嫌そうにアーシュさんは溜め息を吐いた。

「うう……はい……」

リオネルが耳まで真っ赤になって俯いている姿が、ある意味レアでついまじまじみてしまった。

そんな会話の後、俺たちはデートに戻ったんだ。

ちなみに、アーシュさんを母上と言ってしまった理由は、アーシュさんが母みたいな貫禄があって、間違ってしまったらしい。

………つまり、あれか。

学園の先生を、お母さんと呼んでしまうあれなのか。

意外なリオネルをみれたことが、俺にとってリオネルへの好感度がちょっとだけ上がった瞬間だったりする。

……だってさ、なんか………真っ赤なリオネルが可愛いかったから。






デートはまだまだ続きます( *・ω・)ノ
しおりを挟む

処理中です...